目の下の「黒い線」はシワじゃない!たるみと凹みが作る「影の線」の消し方

目の下の「黒い線」はシワじゃない!たるみと凹みが作る「影の線」の消し方

鏡を見るたびに憂鬱になる、目の下に現れたくっきりとした「黒い線」。一生懸命コンシーラーで隠そうとしても、なぜか消えてくれません。

実はその正体、皮膚の表面にできたシワではなく、目の下の構造が変化してできた「影」なのです。

加齢や眼精疲労によって目の下の脂肪が前に押し出され、その下に深い溝ができることで黒いラインが生まれます。

この記事では、この「影の線」ができる原因を詳しく紐解きながら、間違ったケアをやめ、本当に効果のある解消法へと導きます。

目次

コンシーラーで消えない「目の下の黒い線」の正体は皮膚の段差が生む影

黒い線の正体は色素沈着ではなく、目の下の膨らみと凹みが作る物理的な「影」です。そのため、メイクで色を重ねるだけでは隠しきれません。

朝のメイクの時間、ファンデーションやコンシーラーを何度重ねても消えない目の下の黒い線に、ため息をついていませんか?「保湿が足りないのかもしれない」「もっとカバー力の高いコスメが必要なのかもしれない」と悩み、高価なアイクリームを塗り込んでいる方も多いはずです。

ところが、どれだけ表面を塗っても解決しないのには明確な理由があります。その黒い線の正体は、色素沈着や乾燥による小ジワではありません。目の下の膨らみと、その下にある凹みが作り出す「影」なのです。

これを専門的には「黒クマ」や「ティアトラフ(涙の溝)」による影と呼びます。顔に光が当たったとき、鼻の横に影ができるのと同じ原理で、目の下の立体的な段差が光を遮り、黒い線として見えているのです。

だからこそ、メイクで色を重ねても、段差がある限り影は消えません。まずは敵の正体を正しく知ることが、解決への第一歩となります。

上を向くと黒い線が消えるか?鏡を使った簡単なセルフチェック法

自分の目の下の黒い線が「影」なのか、それとも「色素沈着(茶クマ)」や「血行不良(青クマ)」なのかを見分ける、とても簡単な方法があります。手鏡を持って、天井の照明を見上げるように顔を上に向けてみてください。

この状態で鏡の中の自分を見たとき、目の下の黒い線が薄くなったり、消えたりしていませんか?もし消えるのであれば、それは間違いなく「影」です。顔を上に向けると、天井からの光が目の下の段差に正面から当たり、影が飛ぶため目立たなくなるのです。

逆に、上を向いても黒い線がそのまま残っている場合は、皮膚そのものに色が沈着している「茶クマ」の可能性があります。

また、皮膚を軽く横に引っ張った時に色が薄くなるなら「青クマ」の要素も持っています。多くの日本人はこれらが混在していますが、最も老けて見える原因はこの「影」にあるケースが多いのです。

皮膚表面のケアではなく「内側の構造」の変化に目を向けるべき理由

多くの人が「肌の表面」ばかりを気にしますが、黒い影を作っている犯人は、皮膚の奥深くにあります。私たちの眼球は、「眼窩脂肪(がんかしぼう)」というクッションのような脂肪に包まれて守られています。

若い頃は、この脂肪が目の奥にしっかりと収まっていますし、目の周りの筋肉(眼輪筋)も脂肪を支える壁として機能しています。

しかし、年齢を重ねると眼輪筋が衰え、支えを失った眼窩脂肪がズルズルと前へ押し出されてきます。これが目の下の「膨らみ」の正体です。

さらに、そのすぐ下にある靭帯(じんたい)が皮膚を骨にくっつけているため、そこだけが動かずに「溝」となります。この「出っ張り」と「溝」の高低差が、あの忌々しい黒い線を作り出しているのです。

つまり、皮膚の表面で起きている問題ではなく、内側の地盤沈下のような現象なのです。

なぜ高級な美容液を塗り続けても黒い線は改善しないのか

デパートのコスメカウンターで勧められた高級なアイクリームを使っても、効果が感じられなかった経験はありませんか?それは決してそのクリームの品質が悪いわけではありません。ただ、アプローチしている場所が違うのです。

化粧品が作用するのは、法律的にも物理的にも皮膚の「角質層」までです。乾燥によるちりめんジワや、表面的なハリ不足には効果を発揮します。

しかし、前述した通り、黒い線の原因は「脂肪の突出」と「靭帯の食い込み」という、皮膚よりもっと深い部分の構造変化にあります。

どれだけ高級なクリームを塗っても、飛び出した脂肪を奥に押し戻すことも、骨に癒着した靭帯を緩めることもできません。これが、セルフケアの限界と言われる理由です。

スキンケアは「肌質」を良くするものであり、「形状」を変えるものではないと割り切る必要があります。

眼球を支えるロックが外れて脂肪が雪崩のように押し寄せている

加齢により眼球を支える組織が緩み、支えきれなくなった脂肪が前方に突出することで、目の下に大きな段差が形成されています。

「若い頃はこんな線、絶対になかったのに」と不思議に思うかもしれません。しかし、目の下の黒い線は、ある日突然できるものではなく、長い時間をかけて少しずつ進行してきた「顔の地滑り」のようなものです。

顔の解剖学的な視点で見ると、私たちの目は非常に繊細なバランスの上で成り立っています。眼球という重たいボールを支えるために、周囲には脂肪があり、それを薄い膜や筋肉がハンモックのように支えています。

このハンモックの紐が緩み、中身がこぼれ落ちそうになっている状態を想像してみてください。それが、今あなたの目の下で起きている現象です。

眼窩脂肪が重力に耐えきれず前方に飛び出してくるメカニズム

眼窩脂肪は本来、眼球を衝撃から守る大切なクッションです。

しかし、加齢とともに眼球自体が少しずつ下がり、その圧力で下の脂肪が押しつぶされます。逃げ場を失った脂肪は、抵抗の少ない前方へと押し出されるしかありません。

さらに悪いことに、脂肪の飛び出しを抑えていた「眼窩隔膜(がんかかくまく)」という壁も、年齢とともに緩んでペラペラになります。ダムが決壊するように、抑えがきかなくなった脂肪が皮膚を押し上げ、目の下にぷっくりとした膨らみを作ります。

この膨らみが大きければ大きいほど、その下にできる影も濃く、太くなってしまいます。特に、生まれつき眼窩脂肪の量が多い方や、目が大きく前方に突出している骨格の方は、若い頃からこの現象が起きやすい傾向にあります。

皮膚と骨をつなぐ強固な「靭帯」が深い溝を作り出している

黒い線を作るもう一つの主役が「靭帯(リガメント)」です。

目の下には、皮膚と骨をしっかりと繋ぎ止めている強力な靭帯が存在します。脂肪が前に飛び出そうとしても、この靭帯がある部分は骨に固定されているため、前に出られません。

結果として、膨らむ部分と、膨らめない部分の境界線が生まれます。これが「ティアトラフ(Tear Trough)」と呼ばれる深い溝です。

川の流れをせき止める堰のように、靭帯が皮膚を内側に引き込むことで、その上の脂肪の膨らみがより強調され、くっきりとした黒いラインとして刻まれてしまうのです。

この靭帯の食い込みが強い場合、脂肪を取るだけでは線が消えないケースもあります。そのため、治療を考える際には脂肪だけでなく、この靭帯への対処も考慮する必要があります。

症状別の見分け方と推奨される対策

タイプ特徴と見分け方効果的な対策
黒クマ(影クマ)上を向くと薄くなる。夕方や照明の下で目立つ。段差がある。外科治療、注入治療などによる凹凸の解消。
茶クマ皮膚を引っ張ると一緒に動く。上を向いても消えない。美白化粧品、紫外線対策、摩擦を避ける。
青クマ皮膚を引っ張ると薄くなる。血色が悪い時に目立つ。ホットアイマスク、睡眠、マッサージ。

スマホを見るその姿勢が目の下の黒い線をさらに濃くしている事実

長時間のスマホ使用による「下向き姿勢」と「無表情」が、眼輪筋の衰えと眼球への負担を招き、黒い線の悪化を加速させています。

解剖学的な加齢変化は避けられない部分もありますが、実は毎日の何気ない習慣が、黒い線の進行を早めていることをご存知でしょうか。現代人の生活は、目の周りの筋肉や皮膚にとって過酷な環境にあります。

特に「下を向く」という動作は、重力を味方につけて脂肪を前に移動させる手助けをしてしまいます。

日々の生活習慣を見直すだけで、完全に消せなくとも、進行を食い止めたり、少しマシに見せたりすることは十分に可能です。無意識に行っている「老け見え行動」に気づきましょう。

眼輪筋を使わない「無表情」がたるみの進行を加速させる

スマートフォンやパソコンの画面を見ているとき、あなたの顔はどんな表情をしていますか?おそらく、瞬きの回数が減り、表情筋がほとんど動いていない「能面」のような状態になっているはずです。

目の周りの眼輪筋は、使わなければ体中の他の筋肉と同じように衰えて細くなります。眼輪筋が衰えるということは、眼窩脂肪を支える防波堤が脆くなることを意味します。

特に現代人は、会話よりもテキストでのやり取りが増え、目元で感情を表現する機会が激減しています。この「筋力低下」こそが、若い世代でも目の下の黒い線に悩む人が増えている大きな要因の一つです。

意識的に目を大きく開いたり閉じたりするだけでも、筋肉への刺激になります。

長時間のスマホ利用による眼精疲労が血流を悪化させる

目を酷使すると、目の周りの血流が滞ります。黒い線(影クマ)がメインの原因だとしても、そこに血行不良による「青クマ」が重なると、見た目の印象は最悪になります。

影の黒さに、淀んだ血液の青黒さがプラスされると、まるで病人のように疲れた印象を与えてしまいます。さらに、眼精疲労は眼球周辺の筋肉を凝り固まらせ、リンパの流れも阻害します。

その結果、余分な水分が溜まって「むくみ」が発生します。むくみは目の下の膨らみを一時的に大きく見せてしまうため、朝起きたときに黒い線が特に目立つという現象を引き起こします。

スマホを見る時間を減らす、あるいは定期的に遠くを見るなどして、目の緊張をほぐす習慣が必要です。

セルフケアで「消える」と謳う情報の落とし穴と正しい付き合い方

自己流のマッサージや筋トレは、かえって靭帯を伸ばしたりシワを増やしたりするリスクがあるため、現状維持を目的に慎重に行う必要があります。

インターネットやSNSには、「1日3分でクマが消えるマッサージ」や「塗るだけで整形級のアイクリーム」といった魅力的な言葉が溢れています。

藁にもすがる思いで試したくなる気持ちは痛いほど分かりますが、間違ったセルフケアは状況を悪化させるリスクをはらんでいます。

特に、物理的な構造変化である「黒い線」に対して、皮膚表面への刺激を与えるのは逆効果になる場合が多いのです。

自己流のマッサージは靭帯を伸ばしてたるみを悪化させる危険がある

「リンパを流してスッキリさせる」ために、目の下をグイグイと指で押したり、引っ張ったりしていませんか?これは最も危険な行為です。目の下の皮膚はゆで卵の薄皮ほどしか厚さがなく、非常にデリケートです。

強い力でマッサージを繰り返すと、皮膚を支えている「コラーゲン繊維」や、ただでさえ緩みかけている「靭帯」を無理やり引き伸ばすことになります。一度伸びきってしまったゴムが元に戻らないように、伸びた皮膚や靭帯は自然には戻りません。

一時的にむくみが取れてスッキリしたように見えても、長期的にはたるみを加速させ、黒い線をより深く刻み込む原因になってしまいます。

触れるときは、薬指を使って、赤ちゃんの肌に触れるような優しさで接してください。

眼輪筋トレーニングは「予防」にはなるが「治療」にはなり得ない

「眼輪筋を鍛えれば脂肪が持ち上がる」という説もあります。確かに、まだ黒い線が出ていない予防の段階や、ごく初期の段階であれば、筋トレによって進行を遅らせることはできるかもしれません。

しかし、すでに脂肪が突出して明確な黒い線ができている場合、筋トレだけでそれを押し戻すのは物理的に不可能です。

むしろ、普段使っていない筋肉を過剰に動かすと、目尻のシワや眉間のシワなど、別の場所に新たなシワを刻んでしまうリスクもあります。

トレーニングを行う場合は、正しいフォームで、過度な期待をせずに「現状維持」を目的に行うのが賢明です。鏡を見ながら、余計な場所に力が入っていないか確認しつつ行いましょう。

  • マッサージをするなら、クリームをたっぷり使い摩擦係数をゼロにする
  • 眼球を押すようなマッサージは網膜剥離の危険もあるため絶対に行わない
  • 美顔器を使用する場合も、皮膚が薄い目の下は避けるか、専用モードを使う
  • 温かいタオルで目元を温めるのは、血行促進として安全で効果的

メスを使わずに注射で「溝」を埋めて影を消すアプローチ

ヒアルロン酸やベビーコラーゲンなどで凹みを埋める注入治療は、即効性がありダウンタイムが短い反面、持続期間や仕上がりの自然さに限界があります。

「手術は怖いけれど、黒い線はどうにかしたい」という方にとって、最も現実的な選択肢となるのが注入治療です。

これは、脂肪の膨らみそのものを取るのではなく、その下にある「凹み(溝)」を埋めることで、段差を平らに近づけるという発想の治療法です。

ダウンタイム(回復期間)が短く、直後からメイクが可能であるため、仕事を休めない忙しい現代人に支持されています。

ただし、入れる物質や医師の技術によって仕上がりに大きな差が出るため、慎重な判断が必要です。

ヒアルロン酸注入で物理的に凹みを持ち上げてフラットにする

最もポピュラーなのがヒアルロン酸注入です。ゼリー状の製剤を凹んでいる部分に注入し、内側から皮膚を持ち上げます。即効性があり、施術直後に鏡を見て変化を実感できるのが最大のメリットです。

しかし、目の下の皮膚は非常に薄いため、技術力が求められます。浅い層に入れすぎると、ヒアルロン酸が透けて青白く見える「チンダル現象」が起きたり、笑ったときにボコボコと不自然に浮き出たりする場合があります。

また、ヒアルロン酸は水分を集める性質があるため、注入後にむくみやすくなる体質の方もいます。安価で手軽ですが、半年から1年程度で吸収されてしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。

ベビーコラーゲンや脂肪注入でより自然な仕上がりを目指す

ヒアルロン酸のデメリットである「透け感」や「不自然さ」を回避するために選ばれるのが、ベビーコラーゲンやご自身の脂肪(コンデンスリッチフェイスなど)の注入です。

ベビーコラーゲンは非常に馴染みが良く、皮膚が薄い部分に入れてもボコつきにくいのが特徴です。

また、自身の脂肪を太ももなどから採取して注入する方法は、異物反応のリスクがなく、定着すれば半永久的な効果が期待できます。

ただし、脂肪注入は採取の手間がかかるため、プチ整形というよりは小規模な手術に近い感覚になります。コストやダウンタイム、そして期待する仕上がりのバランスを考えて選びましょう。

主な注入治療の比較と特徴

治療法メリットデメリット・リスク
ヒアルロン酸安価で手軽。気に入らなければ溶かせる。チンダル現象。繰り返し注入が必要。
ベビーコラーゲン白浮きせず自然。肌質改善も期待できる。吸収が早い場合がある。ヒアルロン酸より高価。
再生医療(PRP等)自分の血液を使うので安全。自然なハリ。効果が出るまで時間がかかる。膨らみの調整が難しい。

根本解決を目指すなら「膨らみ」そのものを取り除く手術が確実

原因である眼窩脂肪を取り除く「脱脂」や、脂肪を移動させる「ハムラ法」は、半永久的な効果が期待でき、皮膚表面に傷を残さずに黒い線を解消できる治療法です。

注入治療はあくまで「カモフラージュ」であり、原因である脂肪はなくなりません。黒い線が深く、脂肪の膨らみが顕著な場合は、外科的な方法で脂肪そのものを処理することが、遠回りのようで最も確実な解決策になります。

「手術」と聞くと恐怖を感じるかもしれませんが、最近の技術は進歩しており、顔の表面に傷跡を残さない方法が主流になっています。

一生悩み続けるストレスと、数週間のダウンタイムを天秤にかけ、手術を選択する人が増えています。

皮膚を切らない「経結膜脱脂(けいけつまくだっし)」が現在の主流

現在、クマ取り治療のゴールドスタンダードとなっているのが、まぶたの裏側(結膜)を数ミリ切開して、そこから余分な眼窩脂肪を抜き取る「経結膜脱脂法」です。

この方法の最大の利点は、皮膚表面に一切傷ができないことです。抜糸の必要もなく、翌日からメイクも可能です。

原因となっている脂肪を物理的に減らすため、黒い線を作る「影の元」がなくなり、劇的に目元が明るくなります。

ただし、脂肪を取りすぎると逆に目がくぼんでしまったり、シワが増えたりするリスクがあるため、適量の見極めができる熟練医の判断が必要です。シンプルですが、医師の腕の差が出やすい手術と言えます。

脂肪を捨てずに移動させる「裏ハムラ法」なら凹みも同時に治せる

単に脂肪を取るだけでは、その下の溝(凹み)が解決しない場合があります。そこで注目されているのが「ハムラ法」という術式です。

これは、飛び出している脂肪を切り取って捨てるのではなく、その下の凹んでいる場所に移動させて敷き詰めるという、非常に理にかなった方法です。

山を削って、その土で谷を埋め、平地にするイメージです。脂肪の量を温存できるため、将来的な目のくぼみを防げて再発率も低いとされています。

まぶたの裏から行う「裏ハムラ法」なら、表面に傷も残りません。難易度が高い手術ですが、仕上がりの自然さと持続性はトップクラスです。長期的な目元の若々しさを保ちたい方には、非常に優れた選択肢となります。

余った皮膚がたるんでいる場合は皮膚切開も検討する

脂肪の膨らみだけでなく、皮膚そのものが伸びて余ってしまっている場合(特に50代以降の方に多い)は、中身の脂肪を減らすだけでは、風船がしぼんだように皮膚がシワシワになってしまいます。

この場合は、まつ毛のすぐ下を切開して、余分な皮膚を切り取る手術(表ハムラ法や下眼瞼除皺術)が必要になるケースもあります。

抜糸が必要でダウンタイムも長くなりますが、黒い線だけでなく、目周りのシワやたるみを一気にリセットできる強力な方法です。

傷跡はまつ毛のラインに沿って残りますが、時間の経過とともにほとんど目立たなくなります。劇的な変化を望む方には適しています。

失敗しないクリニック選びは「できないこと」を正直に話す医師を探す

安易な「脱脂のみ」の提案や、リスク説明のないクリニックを避け、複数の治療法から骨格に合った適切なプランを提案してくれる誠実な医師を選ぶことが成功の鍵です。

目の下の治療は、美容医療の中でも特に高い技術と美的センスが要求される分野です。「どこでやるか」よりも「誰にやってもらうか」が結果を左右します。

安易な広告や価格だけで飛びつくと、取り返しのつかない失敗につながるケースもあります。

「脱脂」しか提案しないクリニックには注意が必要

患者さんの目の状態は千差万別です。脂肪が多い人もいれば、皮膚が薄い人、凹みが強い人など様々です。それなのに、誰に対しても「脂肪を取りましょう」と脱脂手術ばかりを勧めるクリニックは要注意です。

本来であれば、注入治療、脱脂、ハムラ法、皮膚切開など、多くの引き出しの中から、その人の骨格や年齢に合わせたオーダーメイドの提案がなされるべきです。

特に「脱脂+脂肪注入」のセットメニューを、必要性を説明せずに全員に勧めるような商業的なクリニックには警戒心を持ってください。なぜその治療が必要なのか、納得できるまで説明を求めてください。

症例写真は「真顔」だけでなく「笑顔」の状態も確認する

ホームページやSNSの症例写真を見るときは、劇的なビフォーアフターだけに目を奪われてはいけません。大切なのは「自然さ」です。

真顔のときは綺麗でも、笑ったときに目の下がボコっとしたり、不自然なシワが入ったりしていないかを確認してください。

また、術後1ヶ月の写真だけでなく、半年後、1年後の経過を載せている医師は信頼できます。腫れが完全に引いて、組織が馴染んだ後の状態こそが、その手術の真の実力だからです。

長期的な経過観察を大切にしている医師は、アフターケアもしっかりしている傾向があります。

信頼できる医師を見極めるチェック

確認項目良い医師の回答例避けるべき回答例
リスク説明「窪むリスクやシワが増える可能性もあります」「絶対に綺麗になります」「リスクはありません」
治療の選択肢「あなたの場合は〇〇より△△が適しています」「今ならキャンペーンでこれが安いです」
質問への態度図や写真を使って納得いくまで説明してくれる。専門用語を並べて早口で終わらせようとする。

よくある質問

目の下の黒い線とクマの違いは何ですか?

目の下の黒い線は、一般的に「黒クマ」と呼ばれる影の一種です。クマには他に、血行不良による「青クマ」や、色素沈着による「茶クマ」があります。

黒い線(黒クマ)の最大の特徴は、色ではなく「形(凹凸)」が原因であることです。鏡を持って上を向くと薄くなるなら黒い線(影)、変わらなければ色素のクマと判断できます。多くの場合、これらが複合して現れます。

目の下の黒い線を隠すメイクの方法はありますか?

影を完全に消すのは難しいですが、目立たなくすることは可能です。

ポイントは「明るさで飛ばす」です。黒い線の真上ではなく、影の一番濃いラインの部分に、肌よりワントーン明るいオレンジ系やサーモンピンク系のコンシーラーを細くのせます。

そして指で優しくぼかしてください。厚塗りは逆に段差を目立たせるので、光を拡散するパール入りのハイライトを影の溝にピンポイントで入れるのも効果的です。

ヒアルロン酸注入で目の下の黒い線は完全に消えますか?

軽度から中程度の凹みであれば、ヒアルロン酸注入でかなり目立たなくすることが可能です。

しかし、脂肪の膨らみが非常に大きい場合は、凹みを埋めても膨らみとの段差が解消しきれないときがあります。

無理に平らにしようとして大量に注入すると、不自然にパンパンになったり、チンダル現象で青く見えたりするリスクがあります。状態によっては手術の方が適している場合もあります。

目の下の黒い線を取る脱脂手術のダウンタイムはどれくらいですか?

個人差はありますが、大きな腫れやむくみは3日から1週間程度で落ち着くのが一般的です。内出血が出た場合は、黄色くなって消えるまでに2週間ほどかかる方もいますが、メイクで隠せる程度のことが多いです。

皮膚を切らない経結膜脱脂法であれば、翌日から仕事復帰される方も多くいらっしゃいます。大事な予定がある場合は、念のため1週間程度の余裕を持ちましょう。

参考文献

PARK, Kui Young, et al. Treatments of infra-orbital dark circles by various etiologies. Annals of dermatology, 2018, 30.5: 522-528.

STUTMAN, Ross L.; CODNER, Mark A. Tear trough deformity: review of anatomy and treatment options. Aesthetic surgery journal, 2012, 32.4: 426-440.

HIRMAND, Haideh. Anatomy and nonsurgical correction of the tear trough deformity. Plastic and reconstructive surgery, 2010, 125.2: 699-708.

VRCEK, Ivan; OZGUR, Omar; NAKRA, Tanuj. Infraorbital dark circles: a review of the pathogenesis, evaluation and treatment. Journal of cutaneous and aesthetic surgery, 2016, 9.2: 65-72.

SHARAD, Jaishree. Dermal fillers for the treatment of tear trough deformity: a review of anatomy, treatment techniques, and their outcomes. Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery, 2012, 5.4: 229-238.

JIANG, Jindou, et al. Tear trough deformity: different types of anatomy and treatment options. Advances in Dermatology and Allergology/Postępy Dermatologii i Alergologii, 2016, 33.4: 303-308.

LIEW, Steven, et al. Lower Eyelid Dark Circles (Tear Trough and Lid-Cheek Junction): A Stepwise Assessment Framework. Aesthetic Surgery Journal, 2024, 44.7: NP476-NP485.

SHAH‐DESAI, Sabrina; JOGANATHAN, Varajini. Novel technique of non‐surgical rejuvenation of infraorbital dark circles. Journal of cosmetic dermatology, 2021, 20.4: 1214-1220.

MARTINEAU, Eric; CABA, Brianna. TEAR THROUGH RECOMMENDATIONS TEAR THROUGH RECOMMENDATIONS Dermal Fillers for the Treatment of Tear Trough Deformity: A Review of Anatomy, Treatment Techniques, and their Outcomes.

目の下のシワ・ちりめんジワに戻る

クマの症状から探すTOP

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

目次