ふと鏡を見たとき、笑うと頬に線が入ることに気づき、「これってゴルゴ線?」と不安に感じていませんか。
年齢とともに現れるサインは、誰にでも訪れる悩みですが、特に目立つ頬の線は気になるものです。その線が本当にゴルゴ線なのか、それともただのシワなのか、はっきりしないと対策も立てにくいですよね。
この記事では、笑うと頬に出る線とゴルゴ線の関係性、その主な原因、そして今から始められる悪化を防ぐための対策を詳しく解説します。
ご自身の状態を正しく理解し、自信を持った笑顔を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。
笑うと頬に出る線とゴルゴ線の違い
笑ったときに頬に現れる線が、すべてゴルゴ線(ミッドチークライン)というわけではありません。ゴルゴ線は、無表情のときでも目頭から頬の中央に向かって斜めに走る溝や影を指すのが一般的です。
一方で、笑ったときにだけ現れる線は、表情の動きによってできる「表情ジワ」の一種である可能性が高いです。まずは、ご自身の線がどのタイプに当てはまるかを見極めることが大切です。
ゴルゴ線(ミッドチークライン)の定義
ゴルゴ線は、医学的にはミッドチークラインと呼ばれます。目頭の下あたりから頬骨に沿って斜め下方向に伸びる線のことです。
この線は、皮下脂肪の減少や、頬の皮膚や筋肉を支えるリガメント(靭帯)の緩みによって、皮膚と骨格の構造的な境界が目立つことで現れます。
加齢のサインとして認識されることが多いですが、生まれつきの骨格や脂肪のつき方によって若い方でも目立つ場合があります。
笑ったときにできる「表情ジワ」とは
笑うと頬に線が出る状態は、表情ジワの可能性を考えます。笑うとき、頬の筋肉(大頬骨筋や小頬骨筋など)が収縮し、口角を引き上げます。
この筋肉の動きによって、皮膚が折りたたまれて一時的に線ができるのが表情ジワです。
若い頃は肌にハリがあるため、表情を戻せば線も消えますが、年齢とともに肌の弾力が失われると、笑っていなくても線が残りやすくなります。
ゴルゴ線と表情ジワの見分け方
ゴルゴ線と表情ジワを区別する簡単な方法は、無表情のときの状態を確認することです。鏡を見て、顔の力を抜いたときに線や溝が目立つ場合、それはゴルゴ線である可能性が高いです。
一方で、無表情のときは線が見えず、笑ったときにだけ線が現れるのであれば、それは表情ジワと考えられます。
ただし、表情ジワが定着してゴルゴ線のように見えるケースもあり、自己判断が難しい場合もあります。
セルフチェック時の注意点
自分で見分ける際は、明るい場所で鏡を使い、真正面からだけでなく、少し顔を傾けたり、光の当たり方を変えたりして確認するとよいでしょう。
また、笑ったときの線の深さや位置だけでなく、無表情のときの頬のたるみやへこみの状態も合わせて観察することが、正確な判断につながります。
なぜゴルゴ線はできるのか?主な原因を探る
ゴルゴ線が目立つようになる主な原因は、加齢による皮膚や皮下組織の変化にあります。特に、頬の構造を支えている複数の要素が組み合わさることで、あの特徴的な溝が深くなっていきます。
単なるシワとは異なり、皮膚の奥深くの構造が関係しています。
加齢によるコラーゲンとエラスチンの減少
肌のハリと弾力を支えているのは、真皮層にあるコラーゲンとエラスチンです。
しかし、年齢を重ねるとともに、これらの成分を生み出す線維芽細胞の働きが低下し、コラーゲンやエラスチン自体も減少・変性していきます。
その結果、皮膚は弾力を失い、薄くなり、たるみやすくなります。このたるみが、頬の構造的な溝であるゴルゴ線をより目立たせる原因となります。
皮下脂肪の減少と下垂
頬のふっくら感を保っているのは皮下脂肪です。
ゴルゴ線周辺には「メーラーファット」と呼ばれる脂肪がありますが、加齢によってこの脂肪が減少したり、重力の影響で元の位置から下(ほうれい線や口元)へ移動(下垂)したりします。
脂肪が減ってボリュームが失われた部分と、脂肪が移動してたるんだ部分の境界に影ができ、ゴルゴ線がくっきりと現れるようになります。
頬の脂肪の変化による影響
| 要因 | 主な現象 | ゴルゴ線への影響 |
|---|---|---|
| 脂肪の減少 | 頬上部のボリュームが失われる | 皮膚がくぼみ、影ができやすくなる |
| 脂肪の下垂 | 脂肪が重力で下に落ちる | ゴルゴ線の上下で段差が生じ、線が目立つ |
表情筋の衰え
顔には多くの表情筋があり、これらが皮膚や脂肪を支える土台の役割も担っています。しかし、日常生活で使われる表情筋は一部に限られており、使われない筋肉は年齢とともに衰えていきます。
特に頬周りの筋肉(頬骨筋群など)が衰えると、その上にある脂肪や皮膚を支えきれなくなり、たるみが発生します。このたるみがゴルゴ線の溝を深くする一因となります。
リガメント(靭帯)の緩み
顔の皮膚や脂肪は、リガメント(靭帯)と呼ばれる強靭な線維組織によって骨に固定されています。このリガメントが、皮膚や脂肪が重力で垂れ下がるのを防ぐ「杭」のような役割を果たしています。
しかし、加齢や長年の表情の動きによってリガメントも緩んだり、伸びたりします。支える力が弱まると、皮膚や脂肪は下垂しやすくなり、リガメントが付着している部分(ゴルゴ線の位置と重なることが多い)が引きつれたようにくぼみ、線が目立つようになります。
笑うと頬に出る線が悪化する要因
笑うと頬に出る線、つまり表情ジワは、放っておくと加齢とともにゴルゴ線のように定着してしまう可能性があります。
その悪化には、日々の生活習慣や環境が大きく関係しています。ゴルゴ線そのものの悪化要因とも共通する点が多いです。
紫外線による光老化
紫外線、特にUV-A波は、肌の奥深く(真皮層)まで到達し、ハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンを破壊します。この紫外線による肌の老化を「光老化」と呼びます。
光老化が進むと、肌は弾力を失い、たるみやシワができやすくなります。その結果、笑ったときにできる一時的な表情ジワが元に戻りにくくなり、次第にくっきりとした線として刻まれてしまいます。
乾燥による肌のバリア機能低下
肌が乾燥すると、角質層の水分が失われ、肌のバリア機能が低下します。バリア機能が弱まると、外部からの刺激を受けやすくなるだけでなく、肌内部の水分も蒸発しやすくなります。
乾燥した肌は柔軟性を失い、硬くなるため、表情の動きによってできたシワがそのまま残りやすくなります。特に皮膚が薄い目元や頬は乾燥の影響を受けやすく、笑ったときの線が目立ちやすくなります。
生活習慣の乱れ
日々の生活習慣も、肌の状態に大きく影響します。
睡眠不足や栄養バランスの偏った食事、喫煙などは、肌のターンオーバー(新陳代謝)を乱したり、血行不良を引き起こしたりする原因となります。
肌に影響を与える生活習慣の例
| 習慣 | 肌への主な影響 |
|---|---|
| 睡眠不足 | 成長ホルモンの分泌が減少し、肌の修復が遅れる |
| 栄養不足 | 肌を作るために必要なビタミンやタンパク質が不足する |
| 喫煙 | 血管を収縮させ血行を悪化させ、ビタミンCを破壊する |
間違ったスキンケアや表情のクセ
良かれと思って行っているスキンケアが、かえって肌に負担をかけている場合もあります。
例えば、洗顔時に強くこすりすぎたり、マッサージのやり方が強すぎたりすると、皮膚やリガメントにダメージを与え、たるみを助長する可能性があります。
また、頬杖をつく、片側だけで食べ物を噛む、うつぶせで寝るなどの無意識のクセも、顔の特定の部分に継続的な圧力をかけ、シワやたるみの原因となることがあります。
ゴルゴ線と間違いやすい他の「線」
頬に出る線はゴルゴ線以外にもいくつかあり、混同しやすいものです。
笑うと頬に出る線が気になっている場合、それがゴルゴ線なのか、あるいは別の線なのかを区別することは、適切な対策を選ぶ上で重要です。
ほうれい線(鼻唇溝)
ほうれい線は、小鼻の脇から口角(唇の両端)に向かって伸びる2本の線です。ゴルゴ線が頬の中央にできるのに対し、ほうれい線は口元にできます。
ほうれい線もゴルゴ線と同様に、加齢による皮膚のたるみ、皮下脂肪の下垂、表情筋の衰えなどが原因で目立つようになります。
頬の脂肪(メーラーファット)が下垂してほうれい線の上に乗っかることで、さらに溝が深く見えるようになります。
目の下のたるみ・クマ
目の下には、眼球をクッションのように支える「眼窩脂肪」があります。加齢によってこの脂肪を支えている膜や筋肉が緩むと、脂肪が前方に突出し、目の下にふくらみ(たるみ)ができます。
このふくらみの下が影になることで「黒クマ」と呼ばれる状態になります。
この黒クマの境界線が、ゴルゴ線の始点(目頭の下)と近いため、両者が連続して見えると、より一層老けた印象や疲れた印象を与えてしまいます。
インディアンライン
インディアンラインは、ゴルゴ線とほぼ同じ位置、あるいは少し下方に現れる線を指すことがあり、明確な定義はあいまいですが、頬骨に沿って斜めに入る線を指すことが多いです。
生まれつきの骨格やリガメントの強さによって目立つ場合があり、若い人にも見られることがあります。笑ったときにこの線が強く出る人もおり、表情ジワと混同されやすい線の一つです。
主な顔の「線」の位置と特徴
| 名称 | 主な位置 | 特徴 |
|---|---|---|
| ゴルゴ線 | 目頭から頬の中央へ斜め | 頬の構造的な溝、たるみで目立つ |
| ほうれい線 | 小鼻の脇から口角へ | 口元のシワ、たるみで深くなる |
| 目の下のたるみ | 目のすぐ下 | 眼窩脂肪の突出によるふくらみ |
今からできる!ゴルゴ線を悪化させないためのセルフケア
ゴルゴ線や、笑うと頬に出る線が定着するのを防ぐためには、日々のセルフケアが重要です。完全に消すことは難しくても、悪化のスピードを緩め、目立たなくすることは可能です。
ここでは、すぐに始められる対策を紹介します。
紫外線対策の徹底
光老化を防ぐことは、ゴルゴ線対策の基本です。外出時はもちろん、室内や曇りの日でも紫外線は降り注いでいます。季節を問わず、毎日日焼け止めを使用する習慣をつけましょう。
SPF・PA値は、生活シーンに合わせて選びますが、日常生活であればSPF30・PA+++程度を目安にします。また、帽子、サングラス、日傘などを併用すると、より効果的に紫外線を防ぐことができます。
保湿中心のスキンケア
肌の乾燥はシワやたるみを悪化させます。洗顔後はすぐに化粧水で水分を補給し、乳液やクリームなどの油分でしっかりとフタをして水分の蒸発を防ぎましょう。
特にゴルゴ線や笑うと線が出る部分は、皮膚が薄く乾燥しやすいため、重ね付けをすると効果的です。セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどの保湿成分が配合された化粧品を選ぶとよいでしょう。
表情筋トレーニング
頬の筋肉を鍛えることで、脂肪や皮膚を支える力を強化し、たるみを予防する効果が期待できます。
ただし、やりすぎたり、間違った方法で行ったりすると、かえってシワの原因になる可能性もあるため注意が必要です。
簡単な頬のエクササイズ
口を閉じたまま、頬を大きく膨らませ、5秒間キープします。その後、ゆっくりと元に戻します。これを数回繰り返します。
また、口を「お」の形にして、頬の筋肉を縦に伸ばす意識をするのもよいでしょう。大切なのは、シワが寄らないように鏡を見ながら、ゆっくりと行うことです。
生活習慣の見直し
健やかな肌は、体の内側から作られます。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけましょう。
食事で意識したい栄養素
| 栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
|---|---|---|
| タンパク質 | 肌や筋肉の材料となる | 肉、魚、卵、大豆製品 |
| ビタミンC | コラーゲンの生成を助ける | ピーマン、ブロッコリー、果物 |
| ビタミンE | 血行を促進し、抗酸化作用がある | ナッツ類、アボカド、植物油 |
これらの栄養素を意識的に摂取し、加工食品や糖質の多い食事は控えるようにすると、肌の状態も改善しやすくなります。
セルフケアで改善しない場合の選択肢
セルフケアを続けても、笑うと頬に出る線が消えない、あるいは無表情でもゴルゴ線が目立つようになってきた場合、美容クリニックでの治療も選択肢の一つとなります。
ゴルゴ線は皮膚の表面的なシワではなく、皮下の構造的な問題が原因であることが多いため、医療の力を借りることで効果的な改善が期待できます。
美容クリニックでの主な治療法
ゴルゴ線の治療には、主にボリュームを補う注入治療や、たるみを引き上げる治療が行われます。どの治療が適しているかは、ゴルゴ線の原因や深さ、肌の状態によって異なります。
主なゴルゴ線治療の比較
| 治療法 | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|
| ヒアルロン酸注入 | くぼんだ部分にボリュームを補う | 手軽だが、効果は一時的(数ヶ月〜1年程度) |
| 脂肪注入 | 自身の脂肪を採取し、注入する | 定着すれば効果は長持ちしやすいが、ダウンタイムが必要 |
| ハイフ(HIFU) | 超音波で筋膜を引き締め、たるみを改善 | メスを使わないリフトアップ治療。軽度のたるみに有効 |
| 糸リフト | 医療用の糸を挿入し、皮膚を引き上げる | 物理的にたるみを引き上げる。コラーゲン生成促進効果も |
ヒアルロン酸注入
ゴルゴ線治療で最も一般的に行われるのがヒアルロン酸注入です。
ゴルゴ線によってくぼんだ部分や、ボリュームが失われた頬上部にヒアルロン酸を注入し、皮膚を内側から持ち上げることで溝を目立たなくします。
施術時間が短く、ダウンタイムもほとんどないため、手軽に受けられる治療ですが、ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されるため、効果を維持するには定期的な施術が必要です。
脂肪注入
自分自身の太ももやお腹などから採取した脂肪を、ゴルゴ線や頬に注入する方法です。ヒアルロン酸と異なり、一度定着すれば半永久的な効果が期待できるのがメリットです。
また、自身の組織を使うため、アレルギーの心配もありません。ただし、脂肪の採取と注入の両方が必要になるため、ヒアルロン酸注入に比べてダウンタイム(腫れや内出血)が長くなる傾向があります。
たるみ治療(ハイフ・糸リフト)
ゴルゴ線の原因が、脂肪の減少や減少だけでなく、頬全体のたるみにある場合は、リフトアップ治療が効果的な場合があります。
ハイフ(HIFU)は、高密度の超音波エネルギーを皮膚の深い層(SMAS筋膜)に照射し、熱によって組織を収縮させることでたるみを引き締めます。
糸リフトは、トゲのついた医療用の糸を皮下に挿入し、物理的に皮膚を引き上げます。どちらもたるみを改善することで、ゴルゴ線が目立ちにくくなる効果を狙います。
クリニック選びのポイント
ゴルゴ線や頬の線の治療を検討する際、どのクリニックを選ぶかは非常に重要です。治療の結果は、医師の技術や経験に大きく左右されます。
安心して任せられるクリニックを見つけるために、いくつかの点をチェックしましょう。
カウンセリングの丁寧さ
まずは、カウンセリングで自分の悩みをしっかりと聞いてもらえるかが重要です。
笑うと頬に出る線が気になるのか、無表情でも目立つゴルゴ線を治したいのか、その原因は何なのかを医師が丁寧に見極めてくれるかを確認しましょう。
治療法のメリットだけでなく、デメリットやリスク、費用についても分かりやすく説明してくれるクリニックを選びたいものです。
医師の経験と症例
ゴルゴ線治療、特にヒアルロン酸や脂肪の注入は、医師の技術と美的センスが問われる施術です。
注入する量や位置、深さを間違えると、不自然な仕上がりになったり、効果が感じられなかったりすることもあります。
クリニックのウェブサイトなどで、ゴルゴ線治療の症例写真を確認し、自分と似たタイプの症例や、好みの仕上がりの症例が多い医師を選ぶとよいでしょう。
- 解剖学の知識が豊富か
- 注入治療の経験が多いか
- 自然な仕上がりを得意としているか
治療法の選択肢
ゴルゴ線の原因は一つではありません。そのため、ヒアルロン酸注入だけ、あるいは糸リフトだけ、といったように特定の治療法しか提案しないクリニックよりも、さまざまな治療の選択肢(ヒアルロン酸、脂肪注入、ハイフ、糸リフトなど)を持ち、その中から自分の状態に最も合った方法を提案してくれるクリニックの方が信頼できると言えます。
クリニック比較の視点
| チェック項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| カウンセリング | 悩みを聞き、リスク説明が十分か |
| 医師の技術 | 症例写真の数や仕上がりが自然か |
| 治療メニュー | 複数の治療法から最適なものを提案してくれるか |
Q&A
笑うと頬に出る線やゴルゴ線に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
- ゴルゴ線は自力で消すことができますか?
-
残念ながら、一度できてしまったゴルゴ線(構造的な溝)をセルフケアだけで完全に消すことは非常に難しいです。
表情筋トレーニングやマッサージ、保湿ケアは、あくまで悪化を防ぐ「予防」や、肌のハリを保って「目立ちにくくする」ための対策と考えるのが現実的です。
特に、加齢による骨格の変化やリガメントの緩みが原因の場合、セルフケアでの改善には限界があります。
- マッサージはゴルゴ線に効果がありますか?
-
顔のマッサージは、血行を促進したり、むくみを改善したりする効果が期待できます。その結果、一時的に顔がすっきりし、線が目立ちにくくなる可能性はあります。
しかし、注意点として、強い力でこすったり、皮膚を引っ張ったりするマッサージは逆効果です。肌を傷めたり、リガメントを伸ばしてたるみを助長したりする危険性があります。
もし行う場合は、クリームやオイルで滑りを良くし、非常に優しい力で、皮膚表面をなでる程度に留めるべきです。
- 笑うと頬に出る線は、放置するとどうなりますか?
-
笑ったときにだけ現れる表情ジワは、若いうちは肌の弾力ですぐに元に戻ります。
しかし、年齢とともに肌のコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力が失われると、表情を戻しても線が消えにくくなります。
さらに紫外線や乾燥などのダメージが蓄積すると、その線が「定着ジワ」となり、無表情のときでも刻まれた状態になる可能性があります。
これがゴルゴ線のように見える、あるいはゴルゴ線を深くする要因となることがあります。
- ゴルゴ線治療のダウンタイムはどのくらいですか?
-
治療法によって大きく異なります。ヒアルロン酸注入やハイフ(HIFU)の場合、ダウンタイムはほとんどないか、あっても軽微です。
注入治療では、まれに内出血が起こることがありますが、数日〜1週間程度で治まることがほとんどで、メイクで隠せる程度です。
一方、脂肪注入や糸リフトは、ヒアルロン酸に比べると腫れや内出血、痛みが出やすく、数日〜2週間程度のダウンタイムを見込む必要があります。
- 若いのにゴルゴ線が目立つ原因は何ですか?
-
ゴルゴ線は加齢によるものと思われがちですが、20代や30代でも目立つことがあります。その主な原因は、生まれつきの骨格や顔の脂肪のつき方です。
頬骨が平坦であったり、逆に頬骨が高すぎたりする場合、あるいは生まれつき頬の脂肪が少ない場合、皮膚と骨を繋ぐリガメントが目立ちやすく、ゴルゴ線として現れることがあります。
また、急激なダイエットによる脂肪の減少や、PC・スマホの長時間使用による目の疲れ(眼精疲労)も、若くしてゴルゴ線が目立つ一因となることがあります。
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