【クマ取り脂肪注入】凹みクマがふくら若返る!効果とダウンタイム、定着率

【クマ取り脂肪注入】凹みクマがふくら若返る!効果とダウンタイム、定着率

目の下の「クマ」、特に凹みが原因で影ができてしまい、疲れた印象や老けた印象に悩んでいませんか?

そのお悩み、ご自身の「脂肪」を使った注入治療で改善が期待できます。

クマ取りの脂肪注入は、太ももやお腹などから採取したごく少量の脂肪を、目の下の凹んだ部分に注入し、ふっくらと若々しい目元を目指す治療法です。

この記事では、クマ治療で注目される脂肪注入の効果、気になるダウンタイム、そして「クマの脂肪注入は定着しない」という不安を解消するための定着率について、詳しく解説していきます。

目次

クマ取りの脂肪注入とは?基本的な仕組みを解説

クマ取りにおける脂肪注入は、ご自身の体から採取した脂肪を加工し、目の下の凹みやボリュームが足りない部分に注入する治療法です。

ヒアルロン酸などの異物ではなく、自身の組織を使うため、アレルギー反応のリスクが極めて低く、自然な仕上がりが期待できるのが大きな特徴です。

特に、加齢によって目の下の脂肪が減少し、皮膚が窪んで影ができている「凹みクマ(影クマ)」に対して高い効果を発揮します。

目の下のクマの種類と脂肪注入が適応となるタイプ

一口に「クマ」と言っても、その原因によっていくつかの種類に分けられます。主なクマの種類は「青クマ」「茶クマ」「黒クマ(影クマ)」の3つです。

青クマは、血行不良によって皮膚の下の毛細血管が透けて見える状態です。茶クマは、摩擦や紫外線による色素沈着が原因です。

そして、脂肪注入が最も適しているのが「黒クマ(影クマ)」です。

これは、加齢などにより目の下の皮膚や筋肉が緩み、眼窩脂肪(がんかしぼう)が前に突出する(いわゆる「目袋」)ことと、その下の部分の脂肪(皮下脂肪)が減少して凹むことで段差が生じ、影となって黒く見える状態です。

脂肪注入は、この凹んだ部分にボリュームを補うことで段差をなだらかにし、影を目立たなくさせます。

なぜ自分の脂肪を使うのか?そのメリット

目の下の凹みを埋める方法として、ヒアルロン酸注入もありますが、あえて自分の脂肪を使うことには明確なメリットがあります。

最大の利点は、安全性の高さです。ご自身の組織であるため、アレルギー反応や異物反応を起こす心配がほとんどありません。

また、定着した脂肪は自分の体の一部となるため、ヒアルロン酸のように時間経過で吸収されて元に戻ってしまうことがなく、長期的な効果が期待できます。

質感も非常に自然で、皮膚の薄い目元でも、触れた感じや見た目がなめらかに仕上がります。

脂肪注入の主なメリット

項目説明
安全性アレルギーや異物反応のリスクが低い
自然な仕上がり自身の組織のため、なじみやすく柔らかい
持続性定着した脂肪は半永久的に持続する

脂肪注入の基本的な流れ

治療はまず、カウンセリングから始まります。医師がクマの状態を診断し、脂肪注入が適しているか、どの程度の量をどこに注入するかを判断します。

施術当日は、まず脂肪を採取する部位(多くは太ももの内側や付け根、または腹部)を決め、局所麻酔を行います。その後、カニューレと呼ばれる細い管で、ごく少量の脂肪を吸引します。

採取した脂肪は、そのままでは使えません。

遠心分離器などにかけて、不純物(血液、麻酔液、壊れた脂肪細胞など)を取り除き、純粋で良質な脂肪細胞(コンデンスリッチファットやナノファットなどと呼ばれることもあります)を抽出します。

最後に、この精製した脂肪を、目の下の凹みが気になる部分に、専用の細い針やカニューレを使って少量ずつ丁寧に注入していきます。

施術時間は、脂肪の採取から注入まで含めて、1時間半から2時間程度が一般的です。

ヒアルロン酸注入との違い

クマの凹み治療としてよく比較されるのがヒアルロン酸注入です。手軽さの面ではヒアルロン酸に分がありますが、長期的な効果や安全性を考慮すると脂肪注入が優れている点もあります。

ヒアルロン酸は時間と共に体に吸収されるため、効果を維持するには定期的な再注入が必要です。

また、皮膚の薄い目元に注入すると、ヒアルロン酸が透けて青白く見えてしまう(チンダル現象)リスクや、注入量によっては不自然な膨らみが出てしまう可能性もあります。

一方、脂肪注入は一度定着すれば効果は半永久的であり、自身の組織なのでチンダル現象の心配もありません。ただし、脂肪の採取が必要なため、体への負担はヒアルロン酸注入よりも大きくなります。

ヒアルロン酸と脂肪注入の比較

項目脂肪注入ヒアルロン酸注入
持続期間定着すれば半永久的数ヶ月〜2年程度
アレルギーほぼ無いまれに起こる可能性
ダウンタイムあり(脂肪採取部も含む)ほぼ無いか、ごく短い

【クマ取り脂肪注入】その具体的な効果と持続性

クマ取り脂肪注入の最大の効果は、目の下の凹みや影を物理的に改善し、若々しく健康的な印象を取り戻せることです。

ボリュームが不足している部分にご自身の脂肪を補うことで、皮膚が内側から持ち上げられ、気になる段差が解消されます。

その結果、疲れたように見えたり、実年齢より老けて見えたりする原因となっていた「影」が目立たなくなります。

凹みや影を改善し若々しい印象へ

脂肪注入は、単に凹みを埋めるだけではありません。注入された脂肪が皮膚を支える土台となることで、目元にハリが戻ります。特に「黒クマ(影クマ)」は、凹みと出っ張り(目袋)の段差によって強調されます。

多くの場合、目袋の原因である眼窩脂肪を取り除く「脱脂手術」と脂肪注入を同時に行うことで、より効果的な改善が見込めます。

脱脂で膨らみを取り除き、脂肪注入で凹みを埋めることで、目の下をフラットでなめらかな状態に整えることができます。

肌質の改善(ハリ・ツヤ)も期待できる理由

脂肪注入には、凹みを埋めるボリュームアップ効果に加えて、肌質そのものを改善する効果も期待できます。これは、注入する脂肪に含まれる「脂肪幹細胞」の働きによるものです。

採取した脂肪を精製する過程で、脂肪細胞だけでなく、この幹細胞も濃縮されます。幹細胞には、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を生み出す細胞(線維芽細胞)を活性化させる働きがあります。

そのため、脂肪を注入した周辺の皮膚では、血流が改善したり、コラーゲンの産生が促されたりします。結果として、目元の皮膚にハリやツヤが戻り、小じわやちりめんじわの改善にもつながることがあります。

効果はいつから実感できる?

施術直後は、麻酔液や施術による腫れの影響で、注入部分が膨らんで見えます。そのため、施術直後の状態が完成形ではありません。

大きな腫れが引いてくる1〜2週間後くらいから、凹みが改善されたことを徐々に実感できるようになります。ただし、注入した脂肪がすべて定着するわけではなく、この時点から少しずつ吸収されていきます。

最終的に脂肪が定着し、仕上がりが安定するのは、個人差もありますが、術後3ヶ月から6ヶ月程度かかります。注入量が安定し、肌質改善の効果も現れてくるのはこの時期になります。

クマ取り脂肪注入の「定着率」を左右する要因

クマ取りに脂肪注入を選んだ際、最も気になるのが「脂肪の定着率」です。「せっかく注入しても吸収されてしまうのでは?」と不安に思う方も少なくありません。

脂肪の定着率は100%ではなく、個人差やクリニックの技術によって変動しますが、一般的には約50%〜80%程度と言われています。定着率を高めるための要因を知ることが重要です。

そもそも脂肪の「定着」とは?

「定着」とは、注入された脂肪細胞が、移植先(この場合は目の下)で生き残り、新しい場所で毛細血管から栄養を受け取って、その場に留まることを指します。

注入直後の脂肪細胞は、いわば「お弁当」を持った状態で移植されます。周辺の組織から新しい血管が伸びてきて、栄養や酸素を供給できるようになるまでの間、自分自身の力で生き延びなければなりません。

この間に栄養が届かなかった脂肪細胞は、生き残ることができずに死滅し、体内に吸収されてしまいます。これが「脂肪の吸収」です。

定着率は、注入した脂肪のうち、どれだけの割合が生き残ったかを示す数値です。

定着率に影響を与える要素

定着率は、いくつかの要素によって大きく左右されます。

第一に、採取した脂肪の「質」です。健康でダメージを受けていない脂肪細胞であるほど、定着しやすくなります。脂肪を採取する際の吸引圧が強すぎると、脂肪細胞が壊れてしまい、定着率が低下します。

第二に、採取した脂肪の「処理方法」です。採取した脂肪には、麻酔液や血液、老化した脂肪細胞などの不純物が含まれています。

これらをいかに丁寧に取り除き、健康な脂肪細胞だけを濃縮できるかが鍵となります。遠心分離などの処理方法が定着率に影響します。

第三に、医師の「注入技術」です。脂肪は、一度にまとまった量を塊で注入してしまうと、中心部の細胞に栄養が届かず、壊死してしまいます。

これを防ぐため、ごく少量を、皮膚の浅い層から深い層まで、複数の層に分けて「撒くように」注入する技術が必要です。

定着率を高めるためのクリニック選びのポイント

患者さん側で定着率を直接コントロールすることは難しいですが、定着率を高める努力をしているクリニックを選ぶことは可能です。

例えば、脂肪の処理方法に注目し、良質な脂肪細胞を濃縮するための専用機器(コンデンスリッチファットなど)を導入しているか、を確認するのも一つの方法です。

また、医師の経験や技術も非常に重要です。

カウンセリングの際に、症例写真を見せてもらい、仕上がりを確認するだけでなく、どのような注入技術(例:マイクロカニューレの使用、多層注入)を用いているのかを質問してみるとよいでしょう。

定着しなかった脂肪はどうなる?

定着できずに死滅(壊死)した脂肪細胞は、体の免疫機能によって処理されます。マクロファージと呼ばれる細胞がこれらの壊死した細胞を「お掃除」し、徐々に体内に吸収していきます。

この吸収される分量を見越して、施術の際は、仕上がりのイメージよりもやや多めに注入(オーバーコレクション)することが一般的です。

そのため、術後1ヶ月程度は「少し膨らみすぎかな?」と感じることもありますが、次第に落ち着いてなじんできます。

クマ取り脂肪注入のダウンタイム徹底解説

クマ取り脂肪注入のダウンタイムは、主に「脂肪を注入した目元」と「脂肪を採取した部位」の2箇所に現れます。

個人差はありますが、一般的に大きな腫れや内出血が目立つのは術後1〜2週間程度です。この期間の過ごし方が、仕上がりにも影響するため、事前に正しい知識を持っておくことが大切です。

主な症状と期間

施術後に現れる主な症状は、腫れ、内出血、痛み、そしてむくみです。

腫れは、施術当日から翌日にかけてがピークとなることが多いです。目元は皮膚が薄いため、むくんだような腫れが出やすいです。脂肪採取部(太ももなど)も、注入部よりもしっかりと腫れる傾向にあります。

内出血は、注入時や採取時に毛細血管が傷つくことで起こります。目元に出た場合は、最初は紫色っぽく、次第に黄色っぽく変化しながら1〜2週間かけて消えていきます。内出血はメイクでカバーすることが可能です。

痛みは、目元よりも脂肪採取部の方が出やすいです。多くの場合、筋肉痛に似た鈍い痛みで、処方される鎮痛剤でコントロールできる程度です。

ダウンタイム中の主な症状

症状主な期間補足
腫れ(目元・採取部)ピークは2〜3日、1〜2週間で落ち着く目元はむくみのように、採取部はやや強く腫れる傾向
内出血(目元・採取部)1〜2週間程度黄色っぽく変化しながら徐々に消える。メイクでカバー可能
痛み(採取部)数日〜1週間程度筋肉痛のような痛み。鎮痛剤で対応可能

脂肪採取部位(太もも・腹部)のダウンタイム

脂肪注入のダウンタイムで見落としがちなのが、脂肪採取部位のケアです。多くの場合、太ももの内側や付け根、または下腹部から採取します。

採取する脂肪量は、クマ治療の場合ごく少量(数cc〜10cc程度)ですが、吸引操作によるダメージで、腫れや内出血、痛みが目元よりも強く出ることがあります。

術後は、圧迫用のガードルやサポーター、テーピングなどで採取部位を固定することがあります。これは内出血や腫れを抑え、皮膚のたるみを防ぐためです。

クリニックの指示に従い、数日間〜1週間程度は装着を続ける必要があります。

ダウンタイム中の生活で注意すべき点

ダウンタイム中は、血行が良くなりすぎると腫れや内出血が悪化しやすくなります。術後1週間程度は、長時間の入浴、サウナ、激しい運動、飲酒は避けるように指示されます。

また、注入した脂肪の定着を妨げないよう、目元を強くこすったり、マッサージしたりすることは厳禁です。洗顔やメイクの際も、優しく触れるように心がけてください。

睡眠時は、枕を高くして頭を心臓より高い位置に保つと、目元のむくみや腫れを軽減するのに役立ちます。

ダウンタイム中の過ごし方

  • 激しい運動、飲酒、サウナは避ける(1週間程度)
  • 施術部位を強くこすらない、圧迫しない
  • 睡眠時は頭を高くして寝る

仕事やメイクはいつから可能?

ダウンタイムのスケジュールは、日常生活への影響を考える上で非常に重要です。

デスクワークなどの事務作業であれば、腫れや内出血が気にならなければ、術後2〜3日から復帰する方もいます。ただし、人と接するお仕事の場合や、内出血が目立つ場合は、1週間程度のお休みがあると安心です。

メイクは、脂肪採取部の傷口や、目元の注入箇所を避ければ、翌日から可能な場合が多いです。

ただし、内出血を隠すためのコンシーラーなど、アイメイクに関しては、抜糸後(必要な場合)や、クリニックが許可するタイミング(術後1週間程度が目安)まで待つ必要があります。

活動再開の目安

活動目安
メイク(目元以外)翌日〜
アイメイク1週間後〜 ※クリニック確認要
デスクワーク2〜3日後から可能(個人差あり)
シャワー翌日〜(患部を濡らさず)

クマ取り脂肪注入のデメリットとリスク

クマ取り脂肪注入は、ご自身の組織を使う安全性の高い治療法ですが、医療行為である以上、デメリットやリスクが全く無いわけではありません。主なリスクは、注入技術や術後の経過に関連するものです。

これらの可能性を理解し、信頼できる医師のもとで施術を受けることが、失敗を避けるために重要です。

しこり(石灰化)のリスク

最も懸念されるリスクの一つが「しこり」です。

これは、注入した脂肪が定着せずに壊死し、その周囲にカルシウムが沈着して硬くなる「石灰化」や、壊死した脂肪が液状になって袋状に残る「オイルシスト(油嚢胞)」が原因です。

このリスクは、一度に大量の脂肪を塊で注入することで、脂肪の中心部まで栄養が届かなくなることが主な原因です。しこりを防ぐには、脂肪を少量ずつ、分散させて丁寧に注入する医師の技術が求められます。

左右差や凹凸(でこぼこ)が生じる可能性

人間の顔はもともと完全な左右対称ではありませんが、術後に明らかな左右差が生じたり、注入した部分の表面がでこぼこになったりするリスクがあります。

左右差は、注入する量の調整ミスや、左右での脂肪の定着率の違いによって生じることがあります。

凹凸(でこぼこ)は、皮膚の浅い層に均一に注入する技術が不足していると起こりやすいです。目の下の皮膚は非常に薄いため、注入のムラが表面に響きやすいのです。

これもまた、医師の技術力に大きく左右される部分です。

脂肪が定着しすぎた(入れすぎた)場合

定着率が低いことを心配する方が多い一方で、逆に「定着しすぎて膨らみすぎた」というケースもリスクとして存在します。

脂肪注入は、ヒアルロン酸のように溶解注射で簡単に元に戻すことができません。

定着した脂肪を取り除くには、再度吸引するか、ステロイド注射で脂肪を萎縮させるなどの処置が必要となり、体への負担も大きくなります。

こうした事態を避けるため、経験豊富な医師は、吸収される分を見越しながらも、決して「入れすぎない」ように慎重に注入量を調整します。

1回で完成させようとせず、必要であれば2回に分けて注入する方針をとるクリニックもあります。

感染症のリスク

頻度は非常に稀ですが、脂肪を採取する際や注入する際の傷口から細菌が入り、感染症を起こす可能性があります。

クリニックでの徹底した衛生管理(器具の滅菌、清潔操作)はもちろんのこと、患者さん自身も、術後に傷口を清潔に保ち、処方された抗生剤をきちんと服用することが、感染予防のために大切です。

施術費用とクリニックの選び方

クマ取り脂肪注入の費用は、クリニックによって幅があります。自由診療のため、各クリニックが独自に価格を設定しています。

費用だけでなく、脱脂手術との併用の必要性や、医師の技術力を見極めることが、満足のいく結果を得るために重要です。

クマ取り脂肪注入の費用相場

脂肪注入単独で行う場合の費用相場は、一般的に30万円〜50万円程度です。

この費用には、どこまで含まれているかを事前に確認することが大切です。

例えば、脂肪採取料、脂肪の加工・精製料、麻酔代、術後の検診代などが、施術料にすべて含まれているか(総額表示)、それとも別途必要になるか(オプション)は、クリニックによって異なります。

費用の内訳例

項目内容(一例)
施術料(脂肪採取・注入技術料など)
麻酔代(局所麻酔、静脈麻酔など)
その他諸経費(血液検査代、薬代、圧迫着代など)

安価な表示に惹かれても、最終的にオプションが追加されて高額になるケースもあるため、カウンセリング時に総額の見積もりを明確に提示してもらいましょう。

脱脂手術との併用(コンバイン治療)について

「黒クマ(影クマ)」の治療では、目の下の膨らみ(目袋)を取り除く「経結膜脱脂(けいけつまくだっし)」と、凹んだ部分に脂肪を注入する「脂肪注入」を同時に行うことが非常に多いです。

膨らみが大きい場合、脂肪注入だけで凹みを埋めようとすると、目元全体が不自然に膨らんでしまうためです。脱脂で膨らみをリセットし、脂肪注入でなだらかに整えることで、最も理想的な仕上がりが期待できます。

この場合、脱脂手術の費用(約20万円〜40万円)が追加で必要となります。自分のクマが、脂肪注入だけで改善できるのか、脱脂も必要なのかは、医師の診断によります。

信頼できるクリニックを見極めるポイント

脂肪注入は、医師の技術力によって仕上がりが大きく左右されます。以下の点を参考に、慎重にクリニックを選びましょう。

医師の技術と経験の確認

まずは、そのクリニック(医師)が、クマ治療、特に脂肪注入の経験が豊富かどうかを確認します。クリニックのウェブサイトやSNSで、症例写真をチェックしましょう。

その際、自分と似たタイプのクマの症例が、どのように改善されているかを見ると参考になります。

カウンセリングの質

カウンセリングでは、医師が直接あなたの目元の状態を診察し、丁寧な説明をしてくれるかが重要です。

  • メリットだけでなく、リスクやダウンタイムについてもしっかり説明してくれるか。
  • あなたの希望を聞いた上で、最適な治療法を提案してくれるか。(脂肪注入ありきで話を進めないか)
  • 質問しやすい雰囲気か。

これらの点を確認し、複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較検討することも良い方法です。

術後の経過とアフターケアの重要性

クマ取り脂肪注入は、施術が終われば完成ではありません。注入した脂肪がしっかりと定着し、美しい仕上がりになるまでには、術後の経過を正しく理解し、適切なアフターケアを行うことが重要です。

特に術後1ヶ月から3ヶ月は、脂肪が定着するか吸収されるかが決まる大切な時期です。

術後1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月の一般的な経過

施術後の経過には個人差がありますが、一般的な目安を知っておくと安心です。

術後1ヶ月までは、大きな腫れや内出血が引き、注入した脂肪が少しずつ吸収され始める時期です。施術直後の膨らみ(オーバーコレクション)が落ち着き、「少し減ったかな?」と感じることもあります。

術後3ヶ月頃になると、脂肪の吸収はほぼ止まり、定着する脂肪が決まってきます。仕上がりのイメージがだいぶ固まってくる時期です。

術後6ヶ月経つと、脂肪は完全に定着し、組織的にも安定します。この時点での状態が、長期的に持続する「完成形」となります。肌質の改善効果なども、この頃に最も実感しやすくなります。

術後の経過目安

時期状態
〜1週間腫れ・内出血のピーク。安静期間。
〜1ヶ月大きな腫れが引き、内出血もほぼ消失。脂肪の吸収が始まる。
3ヶ月〜6ヶ月脂肪の定着が完了し、仕上がりが安定する。

脂肪の定着を助けるアフターケア

注入した脂肪細胞は、術後しばらくは非常にデリケートな状態です。定着を助けるためには、脂肪細胞に余計な刺激を与えず、血行を安定させることが大切です。

前述の通り、ダウンタイム中の飲酒、激しい運動、サウナなどは、血流を急激に変化させ、腫れを長引かせるだけでなく、定着にも悪影響を与える可能性があります。

クリニックの指示に従い、一定期間は控えてください。

また、喫煙は血管を収縮させ、脂肪細胞に必要な酸素や栄養が届きにくくなるため、定着率を著しく低下させる要因となります。施術前から施術後(最低でも3ヶ月)は、禁煙することが強く推奨されます。

マッサージは必要?避けるべき?

施術部位のマッサージは、絶対に避けてください

ヒアルロン酸注入などでは、なじませるためにマッサージを勧める場合がありますが、脂肪注入の場合は逆効果です。

注入したばかりのデリケートな脂肪細胞は、圧迫や摩擦に非常に弱いです。マッサージによって細胞が壊れてしまったり、意図しない場所に移動してしまったりする可能性があります。

新しい血管が再生して脂肪が定着するまでの最低3ヶ月間は、目元を強くこすったり、押したりしないよう、細心の注意を払いましょう。

万が一のトラブル時の対応

術後に「腫れが予想以上に引かない」「左右差が気になる」「しこりがある気がする」など、不安に思うことがあれば、自己判断せずに、まずは施術を受けたクリニックに相談することが重要です。

信頼できるクリニックであれば、術後の検診スケジュールが組まれており、不安な点があればすぐに対応してくれるはずです。アフターフォロー体制が整っているかも、クリニック選びの重要なポイントとなります。

Q&A

最後に、クマ取り脂肪注入に関して多く寄せられる質問にお答えします。疑問点を解消し、安心して治療を検討するための一助としてください。

注入した脂肪は将来的にどうなりますか?

定着した脂肪は、ご自身の体の一部となります。そのため、ヒアルロン酸のように数年で吸収されて無くなることはなく、半永久的にその場に残り続けます。

ただし、加齢によって周囲の組織が変化(皮膚のたるみや骨の萎縮など)すれば、それに伴って目元の印象もゆっくりと変化していきます。

太ると注入した部分も太りますか?

はい、その可能性はあります。注入した脂肪は、もともと太ももやお腹にあった脂肪細胞と同じ性質を持っています。

したがって、施術後に体重が大幅に増加すると、注入した目元の脂肪細胞も同様に大きくなり、膨らんで見えることがあります。逆に、急激に痩せると、注入した脂肪も痩せてしまう可能性があります。

体重の大きな変動は、仕上がりに影響を与えるため、術後は体重管理を心がけることが大切です。

痛みはどの程度ですか?

施術中は、局所麻酔や静脈麻酔を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。術後は、目元にはあまり痛みが出ず、むくんだような感覚がある程度です。

一方で、脂肪を採取した部位(太ももやお腹)は、数日間、筋肉痛のような鈍い痛みが続くことが多いです。この痛みは、処方される鎮痛剤で十分にコントロールできる範囲です。

脂肪注入は何回か行う必要がありますか?

多くの場合、1回の施術で満足のいく結果が得られます。

ただし、脂肪の定着率は100%ではないため、注入した脂肪が想定よりも多く吸収されてしまった場合や、ごくわずかな凹みが残った場合、または患者さんがもう少しボリュームアップを希望する場合には、2回目の注入を検討することがあります。

2回目を行う場合は、1回目の結果が完全に安定する6ヶ月以降に行うのが一般的です。

脱脂手術と脂肪注入は同時に行うべきですか?

これは、その方のクマの状態によります。目の下の膨らみ(目袋)が大きく、凹みも目立つ「黒クマ」の場合は、脱脂手術と脂肪注入を同時に行う(コンバイン治療)ことが最も効果的です。

膨らみを取るだけでは凹みが残り、凹みを埋めるだけでは膨らみが目立ってしまうためです。

膨らみがほとんど無く、凹みだけが気になる場合は、脂肪注入単独での治療が適応となります。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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