クマ取りと併用する「成長因子」とは?効果としこりリスクを解説

クマ取りと併用する「成長因子」とは?効果としこりリスクを解説

目の下のクマ取り(経結膜脱脂術など)を受ける際、「成長因子の注入もセットで勧められた」という声は少なくありません。

成長因子は脂肪除去後のくぼみを防ぎ、肌にハリを与える目的で使われる一方、しこりや過剰な膨らみといったリスクも報告されています。

この記事では、成長因子がどのような薬剤なのか、クマ取りと組み合わせるメリットとデメリット、しこりが生じる原因や回避のポイント、そして施術前に確認しておくべき注意点まで、わかりやすく整理します。

目次

クマ取りで注入される「成長因子」とは何か|脂肪除去だけでは足りない理由

成長因子とは、細胞の増殖や修復を促すタンパク質の総称です。クマ取り施術では目の下の余分な脂肪を取り除きますが、脂肪だけを除去すると皮膚がくぼんで影が残るケースがあります。

そのくぼみを埋め、なめらかな仕上がりに近づけるために成長因子を注入する方法が広まっています。

成長因子(グロースファクター)の基礎知識|bFGFやPRPとの違い

成長因子は英語で「Growth Factor(グロースファクター)」と呼ばれます。代表的なものにbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)があり、線維芽細胞を活性化してコラーゲン生成を促す作用があるとされています。

混同されやすいのがPRP(多血小板血漿)療法です。PRPは患者自身の血液から血小板を濃縮して注入する方法で、血小板に含まれる成長因子を利用します。

一方、bFGF製剤は人工的に作られた成長因子を直接注入するもので、作用の強さやリスクの性質が異なります。

なぜクマ取り手術に成長因子を併用するのか

クマ取りの代表的な術式である経結膜脱脂術では、まぶたの裏側から眼窩脂肪を除去します。

ただし脂肪を取った直後は皮膚の下にボリュームの空洞ができるため、くぼみやたるみが目立つ場合があります。

成長因子を注入すると、コラーゲンの生成が活発になり皮膚にハリが出るため、くぼみの改善が期待できるとされています。さらに肌質が改善し、クマの原因である色素沈着や血行不良による影も目立ちにくくなるでしょう。

比較項目bFGF製剤PRP療法
成長因子の由来人工合成自己血液由来
作用の強さ高濃度で強い比較的おだやか
しこりリスクやや高い低め
持続期間の目安数年程度半年〜1年程度
アレルギーリスク低い自己由来で極めて低い

脂肪注入・ヒアルロン酸との併用との比較

くぼみ対策には成長因子以外にも方法があります。脂肪注入は自分の体から採取した脂肪を移植する手技で、定着すれば長期間ボリュームが維持されます。ただ、吸収率にばらつきがあり、追加手術が必要になる方もいます。

ヒアルロン酸注入は手軽で即効性がある反面、半年から1年程度で体内に吸収されるため定期的な再注入が求められます。成長因子は自身の細胞を活性化させる方法のため、定着後は自然なボリュームが長く続くと考えられています。

しかし効果のコントロールが難しい点があるため、どの方法を選ぶかは担当医と十分に話し合いましょう。

成長因子がクマ取り後の仕上がりに与える効果|くぼみ・たるみ・肌質はどう変わる?

成長因子の注入で期待される効果は、くぼみの改善、たるみの軽減、そして肌のハリや質感の向上です。脂肪除去だけでは得にくいなめらかな目元を目指すための補助的な役割を担います。

コラーゲン増生によるくぼみ改善のしくみ

成長因子が線維芽細胞に働きかけると、コラーゲンやエラスチンの産生量が増加します。その結果、皮膚の内部からボリュームが回復し、脂肪除去後のくぼみが自然に埋まるとされています。

合成されたコラーゲンは自分の体が作り出したものなので、注入物が異物として残る心配が少ないのが利点といえます。

ただし効果が現れるまでに数週間から数か月かかるため、術直後に劇的な変化を感じることは少ないかもしれません。

たるんだ皮膚を引き締める作用に期待できるか

加齢とともに目の下の皮膚は薄くなり、弾力を失います。成長因子によるコラーゲン増生は、こうした薄い皮膚にハリを取り戻し、軽度のたるみ改善にも寄与すると報告されています。

ただし皮膚が大きく余っているケースでは、成長因子だけで十分な引き締めは難しいでしょう。余剰皮膚の切除が必要かどうかは、術前のカウンセリングで医師に確認することが重要です。

肌質・小じわへのアプローチ

成長因子にはコラーゲンだけでなく、ヒアルロン酸の産生を促す働きもあるとされています。目の下の小じわや乾燥による細かいちりめんじわが気になる方にとって、肌質の底上げ効果は魅力に映るでしょう。

もちろん成長因子は万能薬ではありません。深いしわや色素沈着には別の働きかけが必要な場合もあるので、あくまで補助的な効果として理解しておくのが賢明です。

期待できる効果効果が出るまでの目安持続期間の目安
くぼみの改善1〜3か月数年
たるみの軽減2〜4か月1〜数年
肌のハリ向上1〜2か月1〜2年
小じわの軽減1〜3か月1年前後

クマ取り後にしこりができる原因|成長因子の過剰反応によるトラブル

成長因子注入後のしこりは、多くの方が不安に感じるリスクです。成長因子によって細胞の増殖が想定以上に進むと、皮膚の下にかたまりのようなしこりが形成される場合があります。

bFGF注入としこり発生の関係

しこりの主な原因は、bFGF製剤による線維芽細胞の過剰な増殖です。コラーゲンが必要以上に生成されると、組織が硬くなってしこりとして触れるようになります。

注入量が多すぎた場合や、濃度の高い製剤を使用した場合にリスクが高まるとされています。また個人差も大きく、同じ量を注入しても反応の強さは人によって異なります。

しこり以外に考えられる副作用や合併症

成長因子注入に伴う副作用は、しこりだけではありません。注入部位の腫れや内出血は比較的よく見られる症状で、通常は1〜2週間で落ち着きます。

副作用・合併症発生頻度の傾向回復の目安
腫れ・むくみ多くの方に生じる1〜2週間
内出血比較的多い1〜2週間
しこりまれだが報告あり数か月〜年単位
左右差少数追加施術で調整
過剰なふくらみまれステロイド注射等

しこりが出た場合の対処法と修正は難しいのか

一度できたしこりは自然に消えにくいのが厄介な点です。軽度であればステロイド注射で組織を柔らかくする方法が試みられます。それでも改善しない場合には、外科的に切除する選択肢が出てきます。

修正手術は元の施術より繊細な技術を要するため、成長因子の注入実績が豊富な医師に相談するのが望ましいです。しこりを完全に取り除くまでに複数回の通院が必要になるケースもあります。

成長因子のしこりリスクを減らすためにできる3つの対策

しこりリスクをゼロにするのは難しくても、事前の対策によって発生確率を大幅に下げられます。注入量の管理、医師選び、術後の経過観察が三本柱です。

注入量と濃度を適切にコントロールする

しこりの発生は注入量と濃度に大きく左右されます。少量ずつ慎重に注入し、経過を見ながら追加する方法を取る医師は、過剰な反応を防ぎやすいといえます。

一度に大量を注入して一気に仕上げる方針の場合、短期間での効果は高いものの、しこりリスクが上昇する懸念があります。自分の治療計画を担当医と共有し、段階的な注入を相談するとよいでしょう。

クマ取りと成長因子の実績がある医師を選ぶ

クマ取り手術と成長因子注入はそれぞれ別のスキルを要する施術です。両方の症例数が多く、しこり発生時の対処経験もある医師を選ぶことが、安全な施術への第一歩になります。

カウンセリングでは「過去にしこりが生じた症例はありますか」「その際にどう対処しましたか」と率直に質問してみてください。誠実に回答してくれる医師なら、信頼できる判断材料になるはずです。

術後の経過観察とアフターケアを怠らない

成長因子の効果は注入直後ではなく、数週間から数か月かけて徐々に現れます。そのため定期的な経過観察が欠かせません。しこりの初期兆候を早期に発見できれば、対処も比較的スムーズに進みます。

施術後に気になる硬さや膨らみを感じたら、自己判断で放置せず早めに担当医へ連絡してください。初期段階であればステロイド注射などで改善できる可能性が高まります。

対策項目具体的な行動期待される効果
注入量の管理少量ずつ段階的に注入過剰反応の抑制
医師選び症例数・対処経験を確認トラブル発生率の低減
経過観察定期通院・早期相談しこり早期発見と対処

成長因子を使わないクマ取りの選択肢もある|脂肪注入・ヒアルロン酸・脂肪再配置

成長因子のリスクが気になるなら、別の方法でくぼみ対策を行う選択肢も十分にあります。それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自分に合った施術を選びましょう。

脂肪注入(コンデンスリッチファットなど)で自然なボリュームを出す

脂肪注入は腹部や太ももから採取した脂肪を精製して、目の下のくぼみに注入する方法です。コンデンスリッチファット(CRF)と呼ばれる濃縮脂肪を使えば、定着率を高められるとされています。

自分自身の組織を使うためアレルギーの心配がほとんどなく、定着すれば長期間の効果が見込めます。

ただし脂肪を採取する部位にも小さな傷ができる点や、定着率に個人差がある点は理解しておく必要があります。

ヒアルロン酸注入で手軽にくぼみを補正する

ヒアルロン酸は注入直後からボリュームが出るため、即効性を重視する方に人気の施術です。万が一仕上がりに不満があっても、ヒアルロニダーゼという溶解酵素で溶かせて、やり直しが効きやすい安心感があります。

  • 即効性が高く、施術当日から変化を実感しやすい
  • 溶解酵素で修正できるため、失敗のリカバリーがしやすい
  • ダウンタイムが比較的短い
  • 半年〜1年程度で吸収されるため、維持には定期的な再注入が必要

裏ハムラ法・脂肪再配置で根本的に目の下を整える

裏ハムラ法は、除去した眼窩脂肪を捨てるのではなく、くぼみ部分に移動させて再配置する術式です。自分の脂肪をそのまま使うため、異物やしこりのリスクが低く、根本的な改善が期待できます。

ただし手術の難度が高く、対応できる医師が限られる点には注意が必要です。また術後の腫れや内出血が経結膜脱脂術より長引く傾向があるため、ダウンタイムの確保も計画に入れておきましょう。

成長因子なしの施術を選ぶ際のチェックポイント

成長因子を使わない方法を検討する際は、自分のクマのタイプ(脂肪突出型・くぼみ型・たるみ型など)をまず正確に診断してもらうことが出発点になります。

タイプによって適した術式が異なるため、複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較検討するのも有効な手段です。一つの意見だけで決めず、セカンドオピニオンを活用しましょう。

クマ取りで成長因子を併用する場合の施術の流れとダウンタイム

施術を受けると決めたら、当日のスケジュールやダウンタイムの全体像を事前に把握しておくと安心です。一般的なクマ取り+成長因子注入の流れと回復経過を時系列で整理します。

カウンセリングから施術当日までの準備

カウンセリングではクマの原因や目の下の骨格、皮膚の状態を医師が診察し、成長因子の併用が適しているかどうかを判断します。血液検査やアレルギーの確認が行われる場合もあります。

施術前日は飲酒を控え、当日はメイクをせずにクリニックへ向かいましょう。コンタクトレンズは外す必要があるため、眼鏡を持参すると便利です。

手術当日の施術内容と所要時間

局所麻酔の後、まぶたの裏側(結膜側)から眼窩脂肪を除去します。その後、同じ処置部位またはくぼみが予測される箇所に成長因子を注入します。

手術時間は片側で20〜40分程度が目安で、両目合わせて1時間前後で終わるケースが一般的です。

術後はしばらく安静にしてからガーゼやテープで保護し、帰宅の流れとなります。当日の入浴は避け、シャワーは翌日から可能というクリニックが多いです。

術後のダウンタイムと回復までの経過

腫れや内出血のピークは術後2〜3日目で、1〜2週間かけて徐々に引いていきます。成長因子を併用した場合でも、ダウンタイム自体が大きく延びることは通常ありません。

成長因子の効果が本格的に現れるのは術後1〜3か月ごろです。この時期にコラーゲンの増生が進み、くぼみが埋まってきたと感じる方が多いようです。完成形を判断できるのは半年後くらいと考えておくとよいでしょう。

経過時期主な症状・変化注意点
当日〜3日目腫れ・内出血のピーク冷却タオルで冷やす
1〜2週間腫れが落ち着く激しい運動は控える
1〜3か月コラーゲン増生が進行経過観察の通院
半年後仕上がりの完成時期最終評価の診察

成長因子を併用したクマ取り施術を受ける前に確認したい注意点

施術への期待が大きいほど、見落としがちな注意点があります。後悔しないためにも、カウンセリング時や契約前に確認すべきポイントを押さえておきましょう。

カウンセリングで必ず聞いておくべき質問

医師に聞くべき質問は事前にメモしておくとスムーズです。たとえば「使用する成長因子の種類と濃度」「注入量の目安」「しこりが発生した場合の対処方針」は必ず確認したい項目です。

  • 使用する成長因子製剤の種類と濃度
  • 想定される注入量と追加注入の可能性
  • しこりが生じた場合の修正対応
  • 術後の検診スケジュールと費用

成長因子の施術を受けられない方の条件

妊娠中・授乳中の方は安全性のデータが十分ではないため、施術を見送るのが一般的です。また重度の糖尿病やケロイド体質の方、血液をサラサラにする薬を服用中の方は、施術のリスクが高まる場合があります。

持病がある方やアレルギー体質の方は、必ずカウンセリング時に担当医へ申告してください。情報を伏せたまま施術を受けると、思わぬトラブルにつながりかねません。

費用の相場と料金体系で見落としやすい点

クマ取りと成長因子の併用は自由診療に分類されるため、料金はクリニックごとに異なります。

手術代と成長因子の注入代が別料金になっている場合や、術後の検診費が別途かかる場合もあるので、総額をカウンセリング時に確認しましょう。

「安いから」という理由だけで選ぶのは避けてください。料金の内訳が不明瞭なクリニックや、しこり修正の対応方針を示してくれないクリニックは、慎重に見極める必要があります。

よくある質問

クマ取りに使う成長因子の注入は痛みが強いのか?

施術は局所麻酔を行った上で実施されるため、注入時に激しい痛みを感じることは通常ありません。麻酔が切れた後にじんじんとした鈍い痛みを感じる方もいますが、処方される鎮痛薬で対処できる範囲です。

痛みの感じ方には個人差があるので、不安な場合は笑気麻酔や静脈麻酔の併用が可能かどうか、カウンセリングの際に担当医へ相談しておくと安心でしょう。

成長因子の注入後にしこりが出た場合、自然に消えることはあるのか?

成長因子によるしこりは、コラーゲンが過剰に生成されて組織が硬くなったものです。自然に吸収・消失するケースはまれで、多くの場合は何らかの治療介入が必要になります。

軽度のしこりであればステロイド注射で柔らかくなる可能性がありますが、硬く大きなしこりは外科的な切除が必要になる場合もあります。気になる硬さや膨らみを感じたら、早めに担当医の診察を受けてください。

成長因子とPRP療法はクマ取りに併用するならどちらが安全か?

一般的に、PRP療法は患者自身の血液成分を利用するため、bFGF製剤と比べてしこりの発生リスクは低いとされています。

ただしPRPは効果がおだやかな分、くぼみの改善に時間がかかったり、効果の持続期間が短かったりする面もあります。

どちらが自分に合っているかは、クマの状態や肌質、求める仕上がりによって異なります。担当医に両方のメリット・デメリットを説明してもらい、納得した上で選択しましょう。

クマ取り後の成長因子の効果はいつごろから実感できるのか?

成長因子による効果は、注入直後に劇的な変化が現れるものではありません。コラーゲンの増生が進むにつれて少しずつ変化が出始め、多くの方が1〜3か月後に肌のハリやくぼみの改善を感じ始めます。

最終的な仕上がりを判断できるのは、施術から半年ほど経過した時期です。焦らず経過を見守りながら、定期的に担当医の診察を受けることをおすすめします。

成長因子を注入したクマ取りの施術は何回まで繰り返せるのか?

明確な回数制限が医学的に定められているわけではありませんが、繰り返しの注入は組織への蓄積リスクを高める可能性があります。

1回の施術で十分な効果が得られるケースも多いため、まずは少量から始めて経過を観察するのが一般的な方針です。

追加注入を検討する場合は、前回の施術から十分な期間を空け、組織の状態を医師に評価してもらってから判断しましょう。過剰な注入はしこりのリスクを高めるため、慎重な姿勢が求められます。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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