目の下のくぼみにヒアルロン酸|後悔しないために知るべき効果・値段・持続期間

目の下のくぼみにヒアルロン酸|後悔しないために知るべき効果・値段・持続期間

目の下のくぼみにヒアルロン酸を注入することで得られる最大の価値は、疲れた印象や実年齢よりも老けて見える原因を即座に解決し、ふっくらとした若々しい目元を取り戻せる点にあります。

メイクでは隠しきれない影を物理的に持ち上げるため、コンシーラーの厚塗りから解放される方も少なくありません。

しかし、繊細な部位であるがゆえに、製剤選びや医師の技術次第で仕上がりに大きな差が生まれます。

本記事では、目の下にくぼみができる原因から、ヒアルロン酸注入の具体的な効果、相場価格、そして後悔しないために知っておくべきリスク回避術までを徹底的に解説します。

目次

目の下のくぼみが発生する原因とヒアルロン酸が有効な理由

目の下のくぼみは主に加齢による「骨の萎縮」と「皮下脂肪の減少」、そして「眼輪筋の衰え」が複合的に重なることで発生するため、不足したボリュームを直接補うヒアルロン酸注入は非常に理にかなった解決策となります。

スキンケアやマッサージなどの表面的なアプローチでは、土台となる骨や脂肪の減少を補うことは困難です。

ヒアルロン酸は体内にも存在する保湿成分であり、ジェル状の製剤をくぼみの深部に注入することで、物理的に皮膚を持ち上げ、影を消す役割を果たします。

加齢に伴う顔面骨の萎縮と支持組織の変化

顔の骨は年齢とともに少しずつ萎縮し、体積が減少していきます。特に目の周りの骨である眼窩(がんか)は、加齢によって広がる傾向があります。

骨が痩せると、その上にある筋肉や脂肪、皮膚を支えきれなくなり、重力に従って組織が下がったり、陥没したりします。これが目の下のくぼみの根本的な原因の一つです。

ヒアルロン酸注入は、この痩せてしまった骨の代わりとなる「柱」を建てるようなイメージで行われ、皮膚を下から支え直すことで平らな状態を作ります。

眼窩脂肪の突出と皮下脂肪の減少による段差

目の下の構造は非常に複雑です。眼球を守るクッションの役割を果たす「眼窩脂肪」が前に押し出される一方で、頬の皮膚の下にある「皮下脂肪」は加齢とともに減少したり、重力で下がったりします。

その結果、膨らんでいる部分と凹んでいる部分の境界線に段差が生まれ、それが深い影(くぼみ)として認識されます。これをティアトラフ(目袋の下の溝)と呼びます。

ヒアルロン酸はこの段差を埋める充填剤として機能し、滑らかな曲線を再構築するために役立ちます。

ヒアルロン酸の物理的な充填作用と保湿効果

ヒアルロン酸製剤は、単に水分を保つだけでなく、適度な粘弾性を持っています。この粘り気と弾力が、皮膚を内側から押し上げる力となります。

注入されたヒアルロン酸は周囲の組織となじみながら、減少したボリュームを補います。また、ヒアルロン酸自体が持つ高い保水能力により、注入部位の皮膚にハリや潤いをもたらす二次的な効果も期待できます。

即効性が高く、注入直後から変化を実感できる点が、多くの患者に選ばれている理由です。

目の下の悩みに対するアプローチ比較

治療法アプローチの特性くぼみへの効果
ヒアルロン酸注入減少したボリュームを物理的に補充直後から改善を実感しやすい
アイクリーム皮膚表面の保湿と乾燥小じわ対策骨格的なくぼみには効果が薄い
脱脂手術突出した眼窩脂肪を除去する膨らみは取れるが、逆にくぼむ可能性あり

ヒアルロン酸注入で得られる具体的な美容効果とメリット

目の下のくぼみにヒアルロン酸を注入することで、疲れた印象が一掃され、顔全体が明るく健康的で若々しい雰囲気に変わるという劇的な変化が期待できます。

影が消えることで目元が強調され、表情がいきいきと見えるようになります。

また、外科手術と比較してダウンタイムが極めて短く、施術直後からメイクが可能であるなど、日常生活への影響を最小限に抑えられる点も大きなメリットです。

万が一仕上がりに満足できない場合でも、溶解注射で元に戻せるという安心感も、この施術が支持される要因です。

「疲れて見える」「寝不足顔」の即時解消

目の下に濃い影があると、どれだけ睡眠をとっていても「疲れているの?」「寝不足?」と聞かれることが多くなります。

これは「黒クマ」とも呼ばれる症状で、色素沈着ではなく形状による影が原因です。

ヒアルロン酸によってこの影が物理的に消失すると、顔色のトーンが上がったように見え、健康的でハツラツとした印象を与えます。

鏡を見るたびに感じていた憂鬱さが解消されることは、精神的な面でも大きなプラスとなります。

ダウンタイムの短さと手軽さ

メスを入れる外科手術の場合、抜糸までの期間や長期の腫れ、内出血を考慮してスケジュールを調整する必要があります。

一方、ヒアルロン酸注入は注射のみで行われるため、施術時間は10分から15分程度で完了します。注入直後の針穴は小さく、コンシーラーでカバーできる程度であることがほとんどです。

仕事や学校を休むことなく、ランチタイムや仕事帰りに施術を受けることができる手軽さは、忙しい現代人にとって非常に魅力的です。

気に入らない場合の修正・溶解が可能

美容医療において「元に戻せない」ことは大きなリスクとなりますが、ヒアルロン酸は「ヒアルロニダーゼ」という分解酵素を注入することで、数時間から数日で分解・吸収させることができます。

「入れすぎて膨らみすぎた」「形が気に入らない」といったトラブルが起きた際も、リセットが可能である点は、心理的なハードルを大きく下げます。

この可逆性は、脂肪注入やプロテーゼ挿入にはない、ヒアルロン酸ならではの利点です。

施術に伴う日常生活への影響

項目ヒアルロン酸注入後の目安注意点
メイク・洗顔当日から可能針穴部分は避けるか優しく行う
入浴・運動翌日から推奨当日は血行が良くなると腫れやすい
コンタクト当日から可能違和感があれば眼鏡を使用する

施術後に後悔しないために知るべきリスクと副作用

ヒアルロン酸注入は手軽な施術ですが、皮膚が薄い目の下だからこそ「チンダル現象」や「凹凸・しこり」、「不自然な膨らみ」といった特有のリスクが存在することを理解しておく必要があります。

これらの失敗の多くは、注入する製剤の種類の選択ミスや、注入する深さ・量の誤りといった技術的な要因に起因します。

リスクをゼロにすることはできませんが、どのようなトラブルが起こり得るかを知っておくことで、医師選びや事前のカウンセリングで確認すべきポイントが明確になります。

皮膚が青白く透けるチンダル現象

目の下の皮膚は顔の中で最も薄く、卵の薄皮程度しかありません。

この浅い層にヒアルロン酸を注入しすぎたり、透明度の高い製剤を使用したりすると、光の散乱によって注入部位が青白く透けて見えることがあります。

これをチンダル現象と呼びます。一度起こると自然に消えるまで時間がかかるため、溶解注射が必要になるケースが多いです。

これを防ぐためには、皮膚の浅い層ではなく、骨膜上などの深い層に適切な硬さの製剤を注入する技術が求められます。

注入箇所のボコつきや不自然な膨らみ

ヒアルロン酸はジェル状の物質であるため、柔らかすぎる製剤や硬すぎる製剤の選択ミス、あるいは一箇所に固めて注入してしまうことで、皮膚表面に凹凸(ボコつき)が出ることがあります。

特に笑った時に目の下が不自然に盛り上がり、ナメクジが乗っているように見えてしまう失敗例も散見されます。

表情の動きに合わせてなじむ製剤を選び、少量ずつ丁寧に層を分けて注入する繊細な手技が必要です。

内出血や塞栓(そくせん)のリスク

注射針を使用する以上、内出血のリスクは避けられません。目の周りは毛細血管が豊富なため、針が血管に触れると青紫色のあざができることがあります。

通常は1週間から2週間程度で消失し、コンシーラーで隠せますが、大切な予定の直前は避けるのが無難です。

また、極めて稀ですが、誤って血管内にヒアルロン酸が入り込み、血流を遮断してしまう血管塞栓という重篤な合併症も存在します。解剖学に精通した医師による施術が重要です。

よくあるトラブルと主な原因

トラブル主な原因対処法
チンダル現象浅い層への注入、量が多いヒアルロン酸溶解注射を行う
表面の凹凸注入ムラ、製剤が硬すぎるマッサージまたは溶解、追加注入
不自然な膨らみ過剰注入、表情筋への考慮不足溶解して適量で再注入する

目の下のヒアルロン酸注入にかかる値段と相場

目の下のヒアルロン酸注入の費用は、使用する製剤のブランドや質、クリニックの立地や方針によって大きく異なり、一般的には片目につき2万円から、両目で5万円から10万円程度が相場となります。

安価な製剤は持続期間が短かったり、組織へのなじみが悪かったりする場合がある一方、厚生労働省の承認を得た高品質な製剤は比較的高額になります。

価格だけで選ぶのではなく、技術料や麻酔代、カニューレ(先の丸い針)代などのオプション費用が含まれているかどうかも含めた総額で判断することが大切です。

製剤のブランドと品質による価格差

ヒアルロン酸製剤には多くの種類があります。

世界的にシェアが高く信頼性の高いアラガン社製の「ジュビダーム」シリーズや、ガルデルマ社の「レスチレン」シリーズなどは、品質が安定しており持続性も高いため、1本あたり6万円から10万円前後と高めに設定されています。

一方で、韓国製やその他の後発品などは1本あたり2万円から4万円程度で提供されることが多いです。

目の下はデリケートな部位であり、トラブルを避けるためにも、製剤の安全性や実績を重視することが推奨されます。

量り売りか1本買い取りかの料金体系

クリニックによって料金体系は異なります。「0.1ccあたり〇〇円」という量り売りの場合、必要な分だけ支払うため無駄がありませんが、衛生管理の面で注意が必要です。

一方、「1本(1cc)〇〇円」という買い取り制の場合、余った製剤を破棄するか、あるいは保管して後日リタッチ(修正)に使えるシステムを採用しているクリニックもあります。

目の下の注入量は個人差がありますが、両目で0.5ccから1.0cc程度使用することが一般的です。

麻酔代やカニューレ代などのオプション費用

表示価格が安くても、実際の見積もりでは追加費用が発生するケースがあります。

痛みを軽減するための笑気麻酔やクリーム麻酔、内出血のリスクを減らすためのマイクロカニューレ(先端が丸く長い針)は、別途料金(それぞれ3,000円〜5,000円程度)がかかることが多いです。

特に目の下の注入では、安全面と仕上がりの美しさからマイクロカニューレの使用を強く推奨する医師が多く、この費用をあらかじめ予算に組み込んでおく必要があります。

価格帯別の特徴と傾向

価格帯(1本/1cc)製剤の傾向特徴
3万円未満韓国製などの後発品安価だが持続期間が短い場合がある
5万円〜8万円欧米製の標準的製剤実績豊富でバランスが良い
9万円以上厚労省承認の高級製剤持続性が長く、組織になじみやすい

効果の持続期間と再注入のタイミング

目の下に注入したヒアルロン酸は永久に残るものではなく、徐々に体内で分解・吸収されていくため、効果の持続期間は半年から1年半程度が目安となります。

しかし、この期間は使用する製剤の架橋技術(分解されにくくする加工)や粒子の大きさ、患者自身の代謝スピードによって大きく変動します。

完全に無くなってから再注入するのではなく、少しボリュームが減ってきたと感じた段階でメンテナンスを行うことで、常に良い状態をキープしやすくなります。

製剤の硬さと架橋技術による違い

ヒアルロン酸は、製造過程での「架橋(かきょう)」という処理によって持続期間が変わります。架橋度が高いほど分解されにくく長持ちしますが、硬くなる傾向があります。

目の下は皮膚が薄く柔らかいため、あまりに硬い製剤は不自然な段差を生む原因になります。そのため、適度な柔らかさと持続性を兼ね備えた、目の下専用あるいは適応のある製剤を選ぶことが重要です。

最近では、柔らかいながらも長期間持続する特殊な技術を用いた製剤も登場しています。

個人差と代謝の影響

ヒアルロン酸の吸収スピードには個人差があります。

代謝が良い方や、よく動かす部位(口周りなど)は吸収が早い傾向にありますが、目の下は比較的動きが少ないため、他の部位に比べると長持ちしやすいと言われています。

また、初回注入時よりも、2回目以降の方が土台ができているため、持続期間が長く感じられることが多いです。

喫煙や過度な紫外線などの生活習慣もヒアルロン酸の分解を早める要因となるため、術後のケアも大切です。

適切なメンテナンスの頻度

効果が完全に切れて元のくぼみに戻ってから再注入を行うと、再びまとまった量が必要になり、コストもかかります。また、急激な変化は周囲に気づかれやすくなります。

そのため、注入した量の半分程度が吸収されたと感じる時期、目安としては前回の施術から1年前後で診察を受け、少量を足す「リタッチ」を行うのが効率的です。

重ねて注入することで定着率が高まり、結果的にコストパフォーマンスが良くなることもあります。

製剤タイプ別の平均的な持続目安

製剤タイプ特徴持続期間の目安
ソフトタイプ非常に柔らかく馴染み重視約6ヶ月〜9ヶ月
ミディアムタイプ適度な弾力と支持力約12ヶ月〜18ヶ月
高持続型特殊な架橋技術を採用18ヶ月以上続くことも

失敗しないためのクリニックと医師の選び方

目の下のヒアルロン酸注入の成功は、製剤の良し悪し以上に、担当する医師の「解剖学的知識」「注入センス」「経験値」に大きく依存します。

単にくぼみを埋めるだけでなく、顔全体のバランスを見ながら、どの層にどれだけの量を注入すれば自然に見えるかを判断できる医師を選ぶことが極めて重要です。

広告の価格の安さだけで飛びつかず、症例写真の確認や丁寧なカウンセリングを通じて、信頼できる医師を見極める努力が必要です。

症例写真の「ビフォーアフター」を細かく確認する

医師の技術力を判断する上で、実際の症例写真は貴重な情報源です。特にチェックすべきは、「自分と似たような骨格やくぼみ方の症例があるか」という点です。

また、正面だけでなく、斜めや横顔の写真も確認してください。

正面からは綺麗に見えても、斜めから見ると注入部位が不自然に盛り上がっていないか、目の下が平らになりすぎてのっぺりしていないかなど、立体的な仕上がりを精査することが大切です。

カウンセリングでの説明と提案力

優れた医師は、患者の要望を聞くだけでなく、「できないこと」や「リスク」についても明確に説明します。

目の下の状態によっては、ヒアルロン酸だけでは改善が難しく、脱脂手術や他の治療との併用が必要な場合もあります。そうした医学的な判断を正直に伝え、無理な注入を勧めない医師は信頼できます。

また、使用する製剤の種類や、なぜその製剤を選ぶのかという根拠を論理的に説明してくれるかどうかも重要な判断基準です。

形成外科専門医や解剖学に詳しい医師を選ぶ

目の周りには重要な神経や血管が走行しています。安全に、かつ美しく仕上げるためには、顔面の解剖学を深く理解していることが前提となります。

形成外科専門医の資格を持っている医師や、美容外科での経験年数が長い医師は、組織の構造を熟知しており、トラブルが起きた際の対応能力も高い傾向にあります。

公式サイトの医師プロフィール欄で、経歴や専門分野を確認することをお勧めします。

良い医師を見極めるチェックリスト

  • メリットだけでなく、デメリットやリスクも具体的に説明してくれる
  • 質問に対して曖昧な回答をせず、明確に答えてくれる
  • 不自然になるほどの過剰な注入を止め、適量を提案してくれる

施術の流れとダウンタイム中の過ごし方

安心して施術を受けるためには、来院から帰宅までの一連の流れを把握しておくことが大切です。

実際の施術時間は短いものの、事前の洗顔や麻酔の時間、アフターケアの説明などを含めると、トータルで1時間から1時間半程度を見ておくと余裕が持てます。

また、ダウンタイム中の過ごし方一つで、内出血の広がりや仕上がりの定着具合が変わることもあります。一般的な施術フローと、術後の注意点について解説します。

カウンセリングから注入までの手順

まず医師とのカウンセリングで希望の仕上がりを共有し、注入部位と量を決定します。その後、洗顔をしてメイクを落とし、痛みを和らげるための麻酔(クリームやテープ、笑気麻酔など)を行います。

施術時は、座った状態やリクライニングした状態で、鏡で確認しながら少しずつ注入を進めることが多いです。

マイクロカニューレを使用する場合は、頬のあたりに針穴を一つ開け、そこから管を通して目の下にアプローチします。終了後は止血を確認し、冷却して炎症を抑えます。

術後の腫れや内出血を最小限にするために

施術当日は、血行が良くなる行動を控えることが重要です。激しい運動、長時間の入浴、サウナ、飲酒などは、血流を促進させ、腫れや内出血を悪化させる原因となります。

当日はシャワー程度で済ませ、枕を少し高くして寝ることで、顔へのむくみを防ぐことができます。また、注入部位を気にして触ったり、マッサージをしたりすることは絶対に避けてください。

製剤が定着する前に強い力を加えると、形が崩れる恐れがあります。

効果を長持ちさせるためのアフターケア

ヒアルロン酸は熱に弱い性質があるわけではありませんが、過度なマッサージや摩擦は吸収を早める可能性があります。

日々のスキンケアでは、目の下を強く擦らないように優しく触れることを意識してください。

また、肌の乾燥は老化を早め、ヒアルロン酸の効果の見え方にも影響するため、十分な保湿ケアを継続することが大切です。違和感や痛みが続く場合は、自己判断せずに速やかにクリニックに連絡しましょう。

施術当日の行動指針

行動可否理由
飲酒不可血管が拡張し、内出血や腫れが悪化するため
メイク可(注意あり)針穴を避ければ可能。パウダーなど軽めが推奨
洗顔・シャワーぬるま湯で優しく行う。熱いお湯は避ける

よくある質問

目の下のくぼみへのヒアルロン酸注入に関して、患者様から頻繁に寄せられる疑問について解説します。

施術当日のメイクや洗顔は可能ですか?

はい、基本的には施術直後からメイクや洗顔が可能です。

ただし、注射針を刺した極小の穴が塞がるまで数時間はかかるため、その部分にファンデーションや汚れが入り込まないよう注意が必要です。

施術当日は針穴(刺入点)を避けてメイクを行い、洗顔時もゴシゴシ擦らず、泡で優しく洗うように心がけてください。清潔を保つことが感染予防につながります。

注入時の痛みはどの程度ですか?

痛みには個人差がありますが、多くのクリニックでは痛みを最小限に抑える工夫をしています。

事前に麻酔クリームを塗布したり、笑気麻酔を使用したりすることで、チクッとする程度の痛みに軽減可能です。

また、製剤自体に麻酔成分(リドカイン)が含まれているものも多く、注入が進むにつれて感覚が鈍くなり、痛みが和らいでいきます。

先端が丸いマイクロカニューレを使用すると、鋭利な針に比べて組織への刺激が少なく、痛みも軽減される傾向にあります。

ヒアルロン酸が凸凹になった場合は直せますか?

はい、修正は可能です。注入直後の軽度な凸凹であれば、医師がマッサージを行うことでなじませることができます。

しかし、時間が経過しても改善しない場合や、明らかに注入箇所がしこりになっている場合は、「ヒアルロニダーゼ」というヒアルロン酸溶解注射を使用することで、注入したヒアルロン酸を分解し、元の状態に戻すことができます。

修正を希望する場合は、注入を行った医師または修正治療に慣れた医師に相談してください。

内出血が出た場合どのくらいで治りますか?

内出血が出た場合、通常は1週間から2週間程度で消失します。最初は青紫色になりますが、徐々に黄色っぽく変化し、自然に肌色に戻っていきます。

内出血の程度にもよりますが、翌日からコンシーラーやファンデーションでカバーできることがほとんどです。

大切なイベント(結婚式や撮影など)がある場合は、念のため施術からイベントまで2週間以上の期間を空けることを強くお勧めします。

片目だけの注入は可能ですか?

はい、可能です。人間の顔は左右非対称であり、くぼみの深さや影の濃さが左右で異なることは珍しくありません。

診察の結果、片方だけの注入でバランスが取れると判断された場合は、片目のみの施術を行います。

ただし、多くの場合は両目のバランスを整えるために、左右で注入量を変えながら両方にアプローチすることが一般的です。医師と相談し、最も自然に見える方法を選択してください。

以上

参考文献

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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