そのヒアルロン酸、逆に老けるかも?目の下のくぼみ治療で失敗しないための注意点

そのヒアルロン酸、逆に老けるかも?目の下のくぼみ治療で失敗しないための注意点

鏡を見るたびに気になる目の下の影や疲れ顔。手軽な解決策としてヒアルロン酸注入を検討する人は多いですが、実は「目の下へのヒアルロン酸」は、注入治療の中でも特に高度な技術と判断力が求められる部位です。

安易な施術は、逆に目元を老けさせたり、不自然な膨らみを作ったりするリスクを孕んでいます。

この記事では、目の下のくぼみ ヒアルロン酸治療で後悔しないために知っておくべき失敗のメカニズムや、適切な製剤選び、医師の技術の見極め方を徹底解説します。

正しい知識でリスクを回避し、理想の若々しい目元を取り戻すための指針を提供します。

目次

ヒアルロン酸注入で逆に老けて見える現象の正体と原因

治療が裏目に出る主な原因は、目の下の極めて薄い皮膚構造を無視した不適切な注入層や量、そして製剤の選択ミスにあります。

良かれと思って行った治療が、物理的な要因によって逆効果となってしまうメカニズムについて核心に迫ります。

チンダル現象による青白い浮き上がり

ヒアルロン酸を皮膚の浅い層に注入しすぎると、光の散乱によって注入部位が青白く透けて見えることがあります。これをチンダル現象と呼びます。

目の下の皮膚は人体の中で最も薄い部分の一つであり、卵の薄皮程度の厚さしかありません。

そのため、透明なジェル状であるヒアルロン酸が皮膚表面近くに留まると、光を透過して青クマのように見えてしまいます。

クマを消すために打ったはずが、別の種類のクマを作ってしまい、結果として疲れた印象や老けた印象を増長させる原因となります。

医師が皮膚の厚みを正確に計測せず、安易に浅い層へ注入することで発生します。

過剰注入による「ソーセージ現象」

くぼみを埋めたい一心で量を入れすぎると、目の下がパンパンに膨らみ、笑ったときに不自然な盛り上がりが生じます。俗に「ヒアル顔」や「ソーセージのような目元」と表現される状態です。

ヒアルロン酸は水分を吸収して膨張する性質を持つため、注入直後は良くても、数日後に水分を含んで予想以上に膨らむことがあります。

特に目の下は眼輪筋という筋肉がよく動く場所であり、過剰なフィラー(注入剤)は表情の自然な動きを阻害します。

笑顔を作った際に目の下が段差のように盛り上がると、人工的な違和感を与え、年齢を感じさせる要因となります。

注入剤の移動と下垂によるフェイスラインの崩れ

適切な硬さのヒアルロン酸を選ばなかった場合や、組織の支持力が弱い層に注入した場合、重力や筋肉の動きによって注入剤が下方向へ移動することがあります。

目の下の位置に入れたはずのヒアルロン酸が徐々に下がり、頬の中央あたりで溜まると、顔の重心が下がって見えます。

その結果、かつてのくぼみが復活するだけでなく、頬のたるみまで強調される事態となります。

一度移動して馴染んでしまったヒアルロン酸は自然には戻らないため、溶解注射で溶かすという修正処置が必要になります。

失敗パターンの分類と外見的特徴

失敗の種類外見的な特徴主な原因
チンダル現象皮膚が青白く、または灰色っぽく透けて見える皮膚の浅すぎる層への注入
過剰注入笑うとナメクジがいるような不自然な盛り上がり注入量が多すぎる、または頻繁な繰り返し
製剤の移動注入位置より下が膨らみ、顔がたるんで見える製剤が柔らかすぎる、組織の支えが弱い

あなたの「目の下のくぼみ」はヒアルロン酸で治るタイプか

ヒアルロン酸注入で改善が見込めるのは「骨の萎縮によるくぼみ」だけであり、眼窩脂肪の突出や皮膚のたるみが主原因の場合は別の治療法が適切です。

自分の症状が「くぼみ」によるものなのか、それとも別の要因なのかを正確に見極めることが成功への第一歩です。

単純な「くぼみ」と「眼窩脂肪の突出」の違い

ヒアルロン酸注入が最も効果を発揮するのは、加齢によって骨が痩せたり、皮下脂肪が減少したりして生じた純粋な「凹み」です。

しかし、多くの人が気にする目の下の影は、眼球を支える眼窩脂肪(がんかしぼう)が前方に飛び出して膨らみ、その下が凹んで見えることで生じています。

この場合、膨らみがある状態で凹みだけをヒアルロン酸で埋めようとすると、目元全体が前に出てしまい、厚ぼったい印象になります。膨らみが強い場合は、脱脂手術などで脂肪を取り除くアプローチが必要です。

皮膚の余剰やたるみが強い場合の限界

高齢の方や、皮膚の弾力が著しく低下している場合、ヒアルロン酸で内側からボリュームを出しても、伸びきった皮膚を支えきれないことがあります。

皮膚の余りが大きい状態で無理にヒアルロン酸でハリを出そうとすると、注入量が必然的に増え、ブヨブヨとした不自然な質感になります。

皮膚のたるみが主原因である場合は、余分な皮膚を切除する手術や、高周波などの引き締め治療を併用することを検討する必要があります。

ヒアルロン酸はあくまで「ボリュームの補充」であり、「皮膚の縮小」はできないことを理解しておくことが大切です。

色素沈着による「茶クマ」との混同

目の下が暗く見える原因が、形状の凹凸ではなく、皮膚そのものの色(メラニン色素の沈着)である場合、ヒアルロン酸を注入しても色は改善しません。

いわゆる「茶クマ」に対して透明なヒアルロン酸を入れても、皮膚が持ち上がるだけで茶色はそのまま残ります。

そればかりか、皮膚が引き伸ばされることで薄くなり、下の筋肉の色が透けて「紫クマ」が混ざって見えるリスクさえあります。

鏡を見て、上を向いて光を当てても影が消えない場合は、色素沈着の可能性が高いため、レーザー治療や外用薬が適しています。

クマの種類とヒアルロン酸の適合性

クマのタイプ特徴・見分け方ヒアルロン酸の適応
黒クマ(影クマ)上を向くと薄くなる。凹凸による影が原因。〇(凹みを埋めることで改善可能)
赤クマ眼輪筋が透けて見える。血行不良も関与。△(厚みを出すことで隠せる場合もある)
茶クマ皮膚自体が茶色い。皮膚を引っ張っても動く。×(効果なし。レーザー等が適用)

目の下の皮膚構造に適したヒアルロン酸製剤の選び方

目の下の治療成功には、薄い皮膚に馴染む適度な柔らかさと、むくみを防ぐ低吸水性を兼ね備えた製剤の選択が不可欠です。

製剤選びのミスが招くトラブルを防ぐため、推奨される製剤の特性について解説します。

硬すぎる製剤が招くボコつきのリスク

鼻筋や顎を作るために使われる硬いヒアルロン酸(高弾性・高凝集性のもの)は、形状維持力には優れていますが、皮膚の薄い目の下には不向きです。

硬い製剤を目の下に注入すると、皮膚の上から触ったときに異物感を感じたり、表情を変えたときに製剤の輪郭が浮き出てボコボコしたりします。

目の下は常に瞬きや視線移動で動くため、周囲の組織と自然に馴染む柔らかさと、適度な凝集力を持ったバランスの良い製剤が必要です。

吸水性の低い製剤を選ぶ重要性

ヒアルロン酸は本来、自重の何百倍もの水分を保持する能力があります。しかし、目の下においてはこの「吸水性」があだとなります。

吸水性が高い製剤を使うと、注入後数週間かけて体内の水分を吸って膨らみ続け、慢性的なむくみ(浮腫)を引き起こします。

目の下の治療においては、吸水性が低く抑えられ、注入直後の形状を長期間維持できるタイプの製剤を選ぶことが非常に重要です。

医師に対して、使用する製剤が「低吸水性」であるかどうかを確認することをお勧めします。

架橋構造と持続期間のバランス

ヒアルロン酸製剤は、体内での分解を遅らせるために「架橋(クロスリンク)」という処理が施されています。

架橋がしっかりしているほど長持ちしますが、その分、異物反応のリスクや硬さが増す傾向にあります。目の下には、滑らかで馴染みが良く、かつ1年程度の持続性を持つ中程度の架橋タイプが好まれます。

逆に、架橋していない非架橋ヒアルロン酸は、肌のハリを出す水光注射などに使われますが、ボリュームを出す力はなく、数日で吸収されてしまうため、くぼみ治療には適しません。

主なヒアルロン酸製剤の特性比較

製剤のタイプ主な特徴目の下への適性
ハードタイプ硬く、形が崩れにくい。リフト力がある。低い(ボコつきや段差の原因になる)
ソフトタイプ柔らかく、組織に馴染みやすい。高い(自然な仕上がりになりやすい)
非架橋タイプサラサラしており、保水効果が主。低い(ボリュームが出ず、すぐ吸収される)

医師の技術力が仕上がりを左右する注入テクニック

自然な仕上がりを実現するためには、眼輪筋の下などの深い層へ少量ずつ丁寧に注入し、表面の凸凹を防ぐ高度な技術が求められます。

名医と呼ばれる医師たちが実践している、失敗しないための注入テクニックの要点を解説します。

眼輪筋下への深い注入が基本

自然で美しい仕上がりにするためには、ヒアルロン酸を皮膚の浅い層ではなく、「眼輪筋(がんりんきん)」の下、あるいは骨膜(こつまく)の上という深い層に注入するのが鉄則です。

この層は皮膚表面から距離があるため、チンダル現象による青白い透けを防ぐことができます。

また、筋肉の下に土台を作るイメージで持ち上げることで、表面の皮膚に凹凸を作ることなく、自然にくぼみを押し上げることが可能になります。

浅い層への注入はリスクが高いため、熟練した医師ほど深い層へのアプローチを重視します。

マイクロカニューレと鋭針の使い分け

注入に使用する針には、先端が丸い「マイクロカニューレ」と、通常の尖った「鋭針」があります。

目の下の治療では、内出血のリスクを最小限に抑え、血管を傷つけずに広範囲に均一に注入できるマイクロカニューレの使用が推奨されます。

マイクロカニューレは長い管状の針で、1箇所の入り口から広い範囲をカバーできるため、何度も針を刺す必要がありません。

一方、微細な修正や特定のポイントに少量を置く場合には鋭針が適していることもあり、医師はこれらを巧みに使い分けます。

少量ずつ層を重ねるレイヤリング技術

一度に大量のヒアルロン酸を注入するのは失敗の元です。

優れた医師は、極めて少量のヒアルロン酸を、深い層から浅い層へと積み重ねるように注入する「レイヤリング」や、微量を点状に置いていく技術を駆使します。

片側わずか0.1ccの違いが目元の印象を大きく変えるため、注入しては座らせて重力下での状態を確認し、また微調整を行うという慎重な作業が必要です。

一気に変化を出そうとせず、数回に分けて完成させる方針の医師のほうが、長期的な満足度は高くなります。

技術力の高い医師が実践するポイント

  • 皮膚表面ではなく、骨膜上や眼輪筋下などの「深い層」へアプローチしている。
  • 内出血を避けるために、先端の丸い「マイクロカニューレ(鈍針)」を使用する。
  • 座った状態(重力がかかった状態)での確認を頻繁に行い、左右差を調整する。

知っておくべき副作用とダウンタイムの真実

内出血や腫れといった一時的な副作用と、即座に対応が必要な血管閉塞などの危険なサインを事前に把握しておくことが、安全な治療への第一歩です。

術後の不安を軽減し、万が一の事態にも冷静に対処するために必要な知識を説明します。

内出血と腫れの期間と対処法

目の周りは毛細血管が非常に豊富なため、針を刺すことで内出血が起きやすい部位です。内出血が起きると、直後から紫色のあざのようになり、黄色く変化しながら消失するまでに1〜2週間程度かかります。

また、注入直後は麻酔や炎症反応による腫れが生じることがあります。これらは時間の経過とともに自然に治癒しますが、大事な予定の直前には施術を控えるのが賢明です。

施術当日は激しい運動や飲酒、長時間の入浴など血行を良くする行為を避けることで、腫れや内出血の悪化を防げます。

遅延性のアレルギー反応と結節

稀なケースですが、注入から数ヶ月、あるいは数年経ってから、注入部位が急に腫れたり赤くなったりすることがあります。

これは遅延性のアレルギー反応や、バイオフィルム(菌の膜)の形成が関与していると考えられています。また、ヒアルロン酸がカプセル化されて硬いしこり(結節)になることもあります。

これらは体調不良や免疫力の低下をきっかけに発症することが多く、抗生物質の投与やヒアルロン酸分解酵素による溶解が必要になります。

血管閉塞による皮膚壊死と失明のリスク

最も恐れるべき重篤な合併症は、ヒアルロン酸が血管内に入り込んで血流を止めてしまう「血管閉塞」です。目の周りには眼球や鼻につながる重要な血管が通っています。

万が一、動脈にヒアルロン酸が詰まると、激しい痛みとともに皮膚が壊死したり、最悪の場合は視力障害や失明に至る可能性があります。

これは確率としては非常に低いですが、ゼロではありません。施術中に異常な痛みを感じたり、帰宅後に皮膚の色が白や紫に変色したりした場合は、夜間であっても緊急の処置が必要です。

副作用発生のタイムライン

時期起こりうる症状通常の経過
直後〜3日腫れ、痛み、内出血、違和感ピークを過ぎれば徐々に引く。冷やすと良い。
1週間〜2週間内出血の変色(黄ばみ)、若干のむくみメイクで隠せる程度になり、自然に消滅する。
数ヶ月〜数年遅延性の腫れ、しこり、チンダル現象自然治癒は難しい。溶解注射などの処置が必要。

ヒアルロン酸以外の治療選択肢との比較

ヒアルロン酸以外にも、定着すれば半永久的な効果を持つ脂肪注入や、たるみの根本解決となる外科手術など、症状や目的に応じたより適切な選択肢が存在します。

ヒアルロン酸注入に固執せず、複数の選択肢を比較検討することで、より自分に合った「正解」が見つかるはずです。

自身の組織を利用する脂肪注入

自分の太ももやお腹から採取した脂肪を加工し、目の下に注入する方法です。

最大のメリットは、定着すれば半永久的な効果が得られることと、自己組織であるためアレルギー反応やチンダル現象(青く透ける現象)が起きないことです。

特に色味の改善効果も期待できるため、皮膚が薄く青クマが目立つ人に適しています。一方で、脂肪採取のための手術が必要であり、ダウンタイムや費用がヒアルロン酸に比べて大きくなる点がデメリットです。

PRP(多血小板血漿)療法と成長因子

自身の血液から血小板を濃縮して抽出し、注入する再生医療の一種です。血小板に含まれる成長因子が組織の修復を促し、コラーゲンやエラスチンを増やすことで、皮膚自体を厚く丈夫にします。

ヒアルロン酸のような物理的な充填剤ではないため、即効性のあるボリュームアップは期待できませんが、自然なハリを取り戻し、小じわも改善したい場合に有効です。

ただし、効果の現れ方に個人差があり、膨らみすぎるリスク(特にFGF添加の場合)も指摘されているため、慎重な判断が必要です。

外科的手術(ハムラ法など)

「目の下のくぼみ」と「眼窩脂肪の膨らみ(目袋)」が併発している場合、注入治療だけでは限界があります。

このようなケースでは、膨らんでいる部分の脂肪を移動させて、くぼんでいる部分を埋める「ハムラ法(裏ハムラ法)」などの外科手術が根本治療となります。

皮膚を切らずにまぶたの裏側から行う方法もあり、構造そのものを修正するため、再発のリスクが低く、非常に綺麗に仕上がります。

手術への恐怖心やダウンタイムを許容できるならば、最も確実な方法と言えます。

主な治療法の比較まとめ

スクロールできます
治療法持続期間ダウンタイムコスト
ヒアルロン酸半年〜1年半数日(内出血のみ)低い
脂肪注入半永久(定着後)1〜2週間高い
PRP療法数年〜数日〜1週間中〜高い

失敗しないための事前準備とクリニック選び

後悔しない治療のためには、安さよりもリスク説明の透明性を重視し、修正技術にも長けた医師を慎重に見極める準備が必要です。

成功の鍵は、施術当日のベッドの上ではなく、それ以前のクリニック選びとカウンセリングの段階にあります。

カウンセリングでの確認事項

カウンセリングは医師との「お見合い」です。ここで自分の希望を伝えるだけでなく、医師のリスク管理能力を見極める必要があります。

「絶対に綺麗になる」といった良いことしか言わない医師よりも、「あなたの目の形だと、ここは完全には消えない」「これ以上入れると不自然になる」といったネガティブな情報や限界を明確に伝えてくれる医師の方が信頼できます。

また、使用する製剤のブランド名や、万が一トラブルが起きた際の溶解注射の費用や体制についても、事前に質問しておくことが大切です。

症例写真の正しい見方

HPやSNSに掲載されている症例写真は、そのクリニックの最高傑作が集められています。見るべきポイントは、「自分と似た骨格・症状の症例があるか」です。

また、直後の写真だけでなく、1ヶ月後や半年後の経過写真があれば、持続性や馴染み方を確認できます。

さらに、照明の加減で影を飛ばしているだけの写真ではないか、表情を作っていないかなど、加工や撮影条件に惑わされない冷静な目を持つことが必要です。

「修正」を得意とする医師を探す

「修正」ができる医師は、他院での失敗例を数多く見ており、何が原因で失敗するかを熟知しています。そのため、初回から失敗しないための安全なアプローチを知っています。

クリニックのブログやSNSで、他院修正の症例を多く扱っているかどうかも、技術力を測る一つの指標になります。

初めての治療であっても、トラブル対応に慣れている医師を選ぶことで、安全性は格段に高まります。

優良クリニックを見極めるチェックリスト

  • カウンセリング時間を十分に確保し、医師が直接診察してくれる。
  • メリットだけでなく、リスクや限界についても明確に説明がある。
  • 使用する製剤の名称を開示し、その理由を説明できる。
  • 過度なキャンペーンや「今日契約すれば安い」といった営業を行わない。

よくある質問

目の下のヒアルロン酸はどれくらい持ちますか?

使用する製剤の種類や個人差によりますが、一般的には半年から1年半程度持続します。目の下は他の部位に比べて吸収されにくいため、比較的長持ちする傾向にあります。

ただし、完全に吸収されずに数年残るケースもあり、追加注入の際は残存量を考慮して慎重に行う必要があります。

施術中の痛みは強いですか?

針を刺す瞬間にチクッとした痛みがありますが、多くのヒアルロン酸製剤には麻酔成分(リドカイン)が含まれているため、注入中の痛みは緩和されます。

また、痛みに敏感な場合は、表面麻酔のクリームや笑気麻酔を併用することで、かなり楽に受けることが可能です。

失敗した場合、元に戻すことはできますか?

ヒアルロン酸は「ヒアルロニダーゼ」という分解酵素を注射することで、数時間から1日程度で溶かして元に戻すことが可能です。これがヒアルロン酸治療の大きなメリットです。

ただし、分解酵素にはアレルギーのリスクがあるため、事前のテストが必要です。また、頻繁に溶かして入れるを繰り返すと組織への負担になります。

施術後、すぐにメイクはできますか?

針穴以外の部分であれば、施術直後からメイクが可能な場合が多いですが、感染予防の観点から、針を刺した箇所へのメイクは数時間〜翌日まで避けることが推奨されます。

クリニックによって指示が異なるため、必ず医師の指示に従ってください。洗顔やシャワーは当日から可能ですが、患部を強く擦らないように注意が必要です。

マッサージをしても良いですか?

注入後1ヶ月程度は、強くマッサージしたり美顔器を使ったりすることは避けてください。定着していないヒアルロン酸が移動したり、変形したりする原因になります。

特に目の周りのリンパマッサージなどは、せっかく綺麗に入れた形状を崩してしまう可能性があります。洗顔やスキンケアの際も、優しく触れる程度に留めることが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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