ジェンバー糸とは?ショッピングリフトとの違いや期待できる効果を解説

目の下のたるみやクマが気になり、「ジェンバー糸」というキーワードにたどり着いた方は多いのではないでしょうか。
糸を使ったリフトアップ治療にはさまざまな種類があり、なかでもジェンバー糸はショッピングリフトと比較されることの多い施術です。
この記事では、ジェンバー糸の特徴や素材の違い、ショッピングリフトとの具体的な違い、目の下のクマ改善への期待、ダウンタイム、費用相場まで幅広く解説しています。
ジェンバー糸とは|目の下のたるみケアで注目される糸リフトの特徴
ジェンバー糸は、体内で徐々に吸収される医療用の糸を皮下に挿入し、肌を内側から引き上げる施術に使われる糸の一種です。とくに目の下のたるみやクマ改善を目指す方の間で関心が高まっています。
ジェンバー糸に使われているPDO素材とは
ジェンバー糸の主原料は、PDO(ポリジオキサノン)と呼ばれる医療用の吸収性素材です。PDOは外科手術の縫合糸として長い歴史を持ち、安全性が確認されています。
体内に挿入された後、約6か月から8か月かけてゆっくりと分解・吸収されるのが大きな特徴です。糸が分解される過程でコラーゲンの生成が促され、肌にハリが生まれるとされています。
糸の形状がもたらす引き上げ力の違い
ジェンバー糸には、糸の表面にバーブ(かえし)やコグ(突起)が付いたタイプがあります。この構造によって皮下組織にしっかりと引っかかり、たるんだ組織を物理的に持ち上げる力を発揮します。
糸の形状と主な用途
| 形状 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| モノタイプ | 突起がなく滑らかな直線状の糸 | 肌のハリ改善・引き締め |
| コグタイプ | 糸に小さな突起がある | たるみの引き上げ |
| スクリュータイプ | 螺旋状に加工された糸 | ボリュームアップ |
なぜ目の下のクマ治療で糸リフトが選ばれるのか
目の下のクマには、たるみが原因で影ができる「黒クマ」と呼ばれるタイプがあります。このタイプのクマに対して糸リフトは皮膚を物理的に支えるため、影を軽減させる効果が期待できます。
メスを使わないため傷跡が目立ちにくく、施術時間も短めです。日常生活への影響をなるべく抑えたいと考える方にとって、糸リフトは有力な選択肢の1つといえます。
ショッピングリフトとジェンバー糸はどこが違う?素材・構造・持続期間を比較
ショッピングリフトとジェンバー糸は、どちらもPDO素材を使った糸リフトですが、糸の構造や期待できる効果の方向性、持続期間に明確な違いがあります。混同されやすい両者の違いを整理しておきましょう。
ショッピングリフトは細く短い糸を多数挿入する施術
ショッピングリフトは、極めて細い短い糸(モノタイプ)を30本から50本ほど皮下に挿入する手法です。「ショッピング帰りに受けられる」という手軽さから、その名前が付けられたともいわれています。
主に肌のハリや質感の改善を目的としており、強い引き上げ効果よりも肌全体のリフレッシュを重視した施術です。痛みやダウンタイムが比較的少ない傾向があるため、糸リフト初心者にも人気があります。
ジェンバー糸はコグ付きで引き上げ力が強い
一方、ジェンバー糸はコグ(突起)付きの糸を用いることで、より強力な物理的リフトアップを狙えます。使用する本数はショッピングリフトより少ないものの、1本あたりの引き上げ力が大きい点が特徴です。
たるみの度合いが進んでいる方や、目に見える変化を求める方に向いています。
ただし、その分だけ施術後の腫れや違和感がやや出やすい傾向もあり、事前のカウンセリングが大切です。
持続期間と効果実感に差が出る理由
ショッピングリフトの持続期間は一般的に3か月から6か月程度とされています。対してジェンバー糸は6か月から12か月程度の持続が期待できるケースが多いです。
この差は、糸の太さや構造の違いに起因しています。コグ付きのジェンバー糸は皮下組織との接触面積が大きく、より長期にわたって組織を支え続けることが可能です。そのため、コラーゲン生成が持続する期間にも差が生じます。
| 比較項目 | ショッピングリフト | ジェンバー糸 |
|---|---|---|
| 糸の構造 | モノタイプ(突起なし) | コグタイプ(突起あり) |
| 挿入本数の目安 | 30〜50本 | 4〜10本 |
| 持続期間の目安 | 3〜6か月 | 6〜12か月 |
| 主な目的 | 肌質改善・ハリ回復 | たるみの引き上げ |
| ダウンタイム | 比較的短い | やや長め |
目の下のクマにジェンバー糸を使うとどんな効果が期待できるのか
目の下のクマ改善にジェンバー糸を用いた場合、たるみの物理的な引き上げとコラーゲン増生の両面からの働きかけが期待できます。とくに影グマ(黒クマ)が目立つ方には心強い選択肢となるでしょう。
影グマ(黒クマ)のたるみを引き上げて目元をすっきりさせる
黒クマは、目の下の皮膚や眼窩脂肪(がんかしぼう=目の周りの脂肪)がたるむことで影ができ、暗く見えてしまう状態です。加齢とともに目立ちやすくなり、メイクだけではカバーしきれないと悩む方も少なくありません。
ジェンバー糸のコグが皮下組織をしっかりとキャッチし、たるんだ部分を上方向に持ち上げます。影の原因そのものに働きかけるため、目元全体がすっきりとした印象に近づくことが期待できます。
コラーゲン増生による肌のハリアップも見込める
ジェンバー糸が体内で吸収される過程で、糸の周辺にコラーゲンの生成が促進されます。これは「創傷治癒反応」と呼ばれる体の自然な修復機能によるものです。
コラーゲン増生による変化
| 時期 | 体内の変化 | 見た目の変化 |
|---|---|---|
| 施術直後〜1か月 | 糸による物理的な引き上げ | たるみの改善を実感 |
| 1〜3か月 | 糸の周囲にコラーゲンが生成 | 肌のハリや弾力が向上 |
| 6〜8か月 | 糸は吸収されるがコラーゲンは残る | 自然なハリが持続 |
ジェンバー糸だけでは改善が難しいクマのタイプもある
注意が必要なのは、すべてのクマにジェンバー糸が有効とは限らない点です。色素沈着が原因の茶クマや、血行不良による青クマの場合、糸リフトだけでは十分な改善が見込めないときがあります。
まずは自分のクマがどのタイプに該当するのか、医師の診察を受けて正確に判断してもらうことが重要です。場合によっては、ジェンバー糸と他の治療法を組み合わせる提案を受けるときもあるかもしれません。
ジェンバー糸の施術の流れ|カウンセリングから当日までの全体像
ジェンバー糸の施術は、カウンセリングに始まり、麻酔、糸の挿入、術後の確認という順序で進みます。事前に流れを把握しておけば、当日も落ち着いて施術に臨めるでしょう。
カウンセリングでは糸の本数と挿入部位を決める
施術前のカウンセリングでは、目の下のたるみやクマの状態を医師が丁寧に診察します。肌の厚さや脂肪の量、たるみの程度に応じて、使用する糸の種類と本数、挿入する方向を決定します。
自分の希望するイメージを具体的に伝えると、仕上がりのミスマッチを防ぎやすくなります。不安に思うことがあれば、遠慮なく質問してみてください。
施術当日は局所麻酔で痛みを軽減してから行う
施術は通常、局所麻酔を使用して行います。極細の注射針やカニューレ(先端が丸い管状の器具)を使って糸を皮下に挿入するため、切開の必要はありません。
施術時間は部位や本数にもよりますが、30分から1時間程度が目安です。施術中に強い痛みを感じるケースは少なく、引っ張られるような感覚があるという声が多いです。
施術後の注意点と医師からの指示をしっかり守る
施術直後は、挿入部位に軽い腫れや赤みが生じる場合があります。医師から処方される内服薬や塗り薬を指示通りに使用し、当日は激しい運動やアルコールの摂取を控えましょう。
洗顔やメイクの再開時期についても、必ず担当医の指示に従ってください。自己判断で無理をすると回復が遅れる可能性があります。
| 施術の段階 | 内容 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| カウンセリング | 診察・治療計画の決定 | 30〜60分 |
| 麻酔 | 局所麻酔の塗布・注射 | 10〜15分 |
| 糸の挿入 | カニューレで糸を皮下に設置 | 20〜40分 |
| 術後確認 | 仕上がり確認・注意事項の説明 | 10〜15分 |
ジェンバー糸のダウンタイムはどれくらい?腫れや痛みへの対処法
ジェンバー糸のダウンタイムは個人差があるものの、一般的に1週間から2週間程度で日常生活に支障がなくなるケースが多いです。術後の腫れや痛みは適切なケアで軽減できます。
術後1週間は腫れや内出血が出やすい時期
施術後の数日間は、挿入部位を中心に腫れや軽い内出血が見られるときがあります。とくに目の下は皮膚が薄いため、他の部位よりもやや目立ちやすいかもしれません。
内出血は1週間から10日ほどで自然に消退していくのが一般的です。コンシーラーやメイクでカバーできる程度である方がほとんどですが、気になる場合は施術前に医師へ確認しておくと安心でしょう。
痛みや違和感のピークは術後2〜3日
術後の痛みは、鈍い違和感や引きつれるような感覚が中心です。多くの場合、痛みのピークは施術後2日から3日で、その後は徐々に和らいでいきます。
ダウンタイム中に気をつけたいこと
| 期間 | 症状の目安 | 対処法 |
|---|---|---|
| 当日〜3日 | 腫れ・痛み・違和感 | アイシング・処方薬の服用 |
| 4〜7日 | 内出血・軽い引きつれ感 | メイクでカバー・安静を心がける |
| 1〜2週間 | 症状がほぼ落ち着く | 通常の生活に段階的に復帰 |
ダウンタイムを短くするために自分でできるケア
ダウンタイムをできるだけ短くするためには、術後の過ごし方がとても大切です。施術当日から翌日にかけては、挿入部位を冷やすと腫れの悪化を防ぎやすくなります。
就寝時は枕を少し高めにして、頭部への血流が集中しすぎないよう工夫してみてください。飲酒や長時間の入浴は血行を促進して腫れが長引く原因になるため、医師の許可が出るまで控えましょう。
ジェンバー糸の費用相場と治療回数|コスパを見極めるためのポイント
ジェンバー糸の費用はクリニックや使用する糸の本数によって異なりますが、1回あたり5万円から30万円程度が一般的な相場です。費用と効果のバランスを冷静に見極めて、無理のない治療計画を立てましょう。
費用は糸の本数や種類で大きく変わる
ジェンバー糸の料金は、使用する糸の本数と種類によって変動します。コグ付きの糸はモノタイプより単価が高い傾向にあり、挿入本数が増えれば総額も上がります。
目の下のクマ治療に特化した場合、4本から10本程度を使用するケースが多いです。カウンセリング時に見積もりを出してもらい、追加費用の有無も確認しておくとよいでしょう。
1回で満足できる場合と複数回必要な場合がある
たるみの程度が軽い方であれば、1回の施術で十分な変化を実感できるケースもあります。
一方、たるみが進んでいる場合や、さらに引き上げたいという希望がある場合は、数か月の間隔を空けて2回目の施術を受ける方が多いです。
糸が吸収された後も、定期的にメンテナンスとして施術を繰り返す方は少なくありません。長期的な費用計画を立てておくことも大切です。
カウンセリング時に確認しておきたい費用の内訳
クリニックによっては、施術費用に麻酔代や薬代、アフターケア費用が含まれている場合と、別途請求される場合があります。総額だけでなく、内訳をしっかり確認しておくと、想定外の出費を防げます。
複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較するのも賢い選び方です。価格の安さだけで判断するのではなく、医師の経験や実績、説明の丁寧さなども含めて総合的に判断してください。
- 施術費用(糸の本数×単価)
- 麻酔代・薬代
- カウンセリング料・初診料
- アフターケア・再診料
- 万が一のトラブル時の対応費用
ジェンバー糸を受ける前に知っておきたいリスクと副作用
ジェンバー糸は比較的低侵襲な施術ですが、医療行為である以上、リスクや副作用をゼロにすることはできません。事前に起こりうるトラブルを把握しておくと、万が一の場合にも冷静に対応できます。
糸が透けて見えたり触れたりする「浮き出し」のリスク
目の下は皮膚が非常に薄い部位であるため、糸が浅い位置に挿入されると、皮膚の表面から糸の輪郭が透けて見えたり、触れたときに凹凸を感じたりする場合があります。
このリスクは、施術を担当する医師の技術力と経験に大きく左右されます。症例数の多いクリニックを選ぶと、こうしたトラブルの発生率を下げられます。
- 糸の浮き出し・輪郭が透けて見える
- 皮膚の凹凸やひきつれ感
- 感染症(まれですが可能性はある)
- 左右差が生じる場合
感染症や炎症が起こる可能性もゼロではない
糸の挿入は針やカニューレを使用するため、ごくまれに細菌感染が起こるリスクがあります。施術直後の清潔管理や処方薬の服用を怠ると、感染のリスクが高まる恐れがあります。
施術後に強い痛みや発熱、広範囲の赤み、膿(うみ)などが見られた場合は、すぐに施術を行ったクリニックに連絡してください。早期に対処すれば、重症化を防ぐことが可能です。
リスクを最小限に抑えるクリニック選びの基準
リスクをできるだけ小さくするためには、クリニック選びが非常に大切です。糸リフトの施術実績が豊富である、事前のカウンセリングで丁寧な説明がある、アフターフォロー体制が整っている、といった3点を確認しましょう。
「安いから」「口コミがよかったから」という理由だけで決めるのではなく、実際にカウンセリングを受けて医師との相性や信頼感を確かめることも重要です。納得できるまで質問し、安心して任せられると思えるクリニックを選んでください。
よくある質問
- ジェンバー糸の効果はどれくらい持続する?
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ジェンバー糸の効果の持続期間は、一般的に6か月から12か月程度とされています。
糸自体は体内で6か月から8か月ほどかけて吸収されますが、その過程で生成されたコラーゲンがしばらく残るため、糸が消失した後も一定の効果を感じられるケースがあります。
ただし、持続期間には個人差が大きく、肌質や年齢、生活習慣によっても変わります。効果を長く維持したい場合は、半年から1年ごとにメンテナンス施術を検討するのも1つの方法です。
- ジェンバー糸の施術に痛みはある?
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ジェンバー糸の施術では、局所麻酔を行ったうえで糸を挿入するため、施術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。麻酔注射の際にチクッとした痛みがありますが、一時的なものです。
施術中は引っ張られるような感覚や圧迫感を覚える方もいますが、耐えられないほどの痛みではないという声が大半です。
痛みに対して不安が強い方は、事前に医師へ相談し、表面麻酔の追加やその他の対応を依頼できるか確認してみてください。
- ジェンバー糸とヒアルロン酸注入はどちらが目の下のクマに向いている?
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ジェンバー糸とヒアルロン酸注入は、それぞれ得意とする領域が異なります。ジェンバー糸はたるみを物理的に引き上げる効果に優れ、黒クマ(影グマ)に対してアプローチしやすいのが特徴です。
一方、ヒアルロン酸注入は目の下のくぼみや凹みを埋めてフラットに整えることが得意で、涙袋の形成にも用いられます。
どちらが適しているかはクマのタイプやたるみの程度によって異なるため、医師の診察を受けたうえで判断するのが望ましいでしょう。
- ジェンバー糸の施術を受けられない人はいる?
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ジェンバー糸に限らず、糸リフト全般において施術を受けられない場合があります。
妊娠中・授乳中の方、施術部位に感染症や炎症がある方、ケロイド体質の方、血液をサラサラにする薬を服用中の方などは、施術が制限される場合があります。
持病がある方や服用中の薬がある方は、必ずカウンセリング時に医師へ申告してください。自己判断で施術を決めるのではなく、安全性を十分に確認したうえで治療に進むことが大切です。
- ジェンバー糸の施術後にメイクはいつからできる?
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ジェンバー糸の施術後、メイクの再開時期はクリニックによって方針が異なりますが、一般的には施術翌日から針穴を避けてのメイクが可能とされるケースが多いです。
挿入部位へのメイクについては、2日から3日後に許可が出ることが多いです。
ただし、腫れや内出血が強い場合は無理にメイクをせず、肌の回復を優先してください。具体的な再開時期については、施術を受けたクリニックの指示を必ず守ることが大切です。
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