メイクで隠せない「目の下の黒ずみ」を根本から断つ。原因別のスキンケアと美容医療

メイクで隠せない「目の下の黒ずみ」を根本から断つ。原因別のスキンケアと美容医療

目の下の黒ずみに悩んでいませんか?コンシーラーで隠そうとしても、時間が経つと浮き出てきてしまい、疲れた印象や老けた印象を与えがちです。

この「目の下の黒ずみ」は、実は一般的な「クマ」とは原因が異なる場合があり、正しいケアをしないと改善が難しいのが実情です。

この記事では、あなたの黒ずみがなぜできるのか、その原因を徹底的に解説し、原因別のスキンケア方法から、根本的な解決を目指す美容医療まで、詳しくご紹介します。

メイクで隠し続ける日々から解放され、明るい目元を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

目次

その黒ずみ、本当に「クマ」?目の下の黒ずみの正体

目の下が暗く見える状態を、私たちはひとくくりに「クマ」と呼びがちです。しかし、その原因は一つではありません。

特に「黒ずみ」と感じる場合、それは他のタイプのクマとは異なる原因が潜んでいる可能性が高いです。まずは、ご自身の悩みの正体を正確に知ることが、根本解決への第一歩となります。

「目の下の黒ずみ」とは何か

一般的に「目の下の黒ずみ」と呼ばれるものの多くは、実際には皮膚そのものが黒く変色しているわけではなく、皮膚の構造によって「影」ができ、それが黒く見えている状態を指します。

これは「影クマ」や「黒クマ」とも呼ばれます。

年齢と共に目立ちやすくなるのが特徴で、皮膚のたるみや、目の下の脂肪(眼窩脂肪)が前方に突出すること、あるいは逆に目の下がへこむことによって段差が生まれ、その段差が影となって黒ずんで見えます。

このタイプの黒ずみは、メイクで色を隠すというよりも、光で影を飛ばすような工夫が必要になるため、隠すのが難しいと感じる方が多いです。

間違いやすい「青クマ」「茶クマ」との違い

目の下の悩みには、「黒ずみ(黒クマ)」の他に、主に血行不良による「青クマ」と、色素沈着による「茶クマ」があります。これらは原因が異なるため、当然、対策も変わってきます。

自分のクマがどのタイプかを見分けることが重要です。

見分け方のポイント

簡単な見分け方として、鏡の前で試せる方法があります。ただし、これらはあくまで目安であり、複数のタイプが混在していることも少なくありません。

クマの種類主な原因見分け方の目安
黒ずみ (黒クマ)たるみ・へこみによる影上を向くと薄くなる、または消える。手で皮膚を引っ張っても色の濃さが変わらない。
青クマ血行不良(うっ滞)皮膚を軽く引っ張ると色が薄くなる。日によって濃さが変わりやすい(寝不足、疲れなど)。
茶クマ色素沈着(メラニン)上を向いたり、皮膚を引っ張ったりしても色の濃さが変わらない。皮膚そのものに色がついている。

なぜ黒ずみはメイクで隠しにくいのか

青クマや茶クマは、皮膚の「色」の問題です。青クマは血の色、茶クマはメラニンの色です。

そのため、反対色(補色)のコンシーラー(青にはオレンジ系、茶にはイエロー系)を使うことで、色を打ち消し、比較的隠しやすい場合があります。

一方で、黒ずみ(黒クマ)は「影」という立体的な問題です。コンシーラーで色を乗せても、その下の皮膚の段差(たるみやへこみ)がなくなるわけではありません。光が当たれば影はできてしまいます。

むしろ、コンシーラーを厚塗りすることで、かえってその部分の質感が悪目立ちしたり、時間が経つとシワに入り込んだりして、余計に老けた印象を与えてしまうことさえあります。

これが、黒ずみがメイクで隠しにくい最大の理由です。

目の下の黒ずみが起こる主な原因

メイクで隠しきれない黒ずみは、なぜできてしまうのでしょうか。その原因は一つではなく、複数の要因が関わっていることも多いです。ご自身の黒ずみがどの原因によるものかを知りましょう。

原因1 皮膚の構造的な影(たるみ・へこみ)

黒ずみの最も一般的な原因は、加齢や生まれつきの骨格による皮膚構造の変化です。目の周りの皮膚は非常に薄く、デリケートです。

年齢と共に、皮膚のハリを支えるコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚がたるみます。

また、目の下の脂肪(眼窩脂肪)を支えている靭帯(リガメント)や筋肉(眼輪筋)が緩むと、脂肪が前方にせり出して「目袋」と呼ばれるふくらみを作ります。

このふくらみの下が、頬との境界線でへこむため、段差が生まれます。この段差に光が当たると、ふくらみの下が影となり、黒ずみとして認識されます。これを「影クマ(黒クマ)」と呼びます。

原因2 色素沈着(メラニン)

これは「茶クマ」の主な原因ですが、黒ずみ(黒クマ)と混在しているケースも非常に多いです。目の下は皮膚が薄いため、外部からの刺激に非常に敏感です。

目をこする癖、落ちにくいアイメイクを無理に落とす際の摩擦、クレンジング時の力の入れすぎ、紫外線ダメージなどが刺激となります。

これらの刺激が繰り返されると、皮膚は自らを守るためにメラニン色素を過剰に生成します。

通常、メラニンはターンオーバーによって排出されますが、刺激が続いたり、ターンオーバーが乱れたりすると、メラニンが皮膚に蓄積し、色素沈着となって茶色い黒ずみ(茶クマ)を引き起こします。

原因3 血行不良(うっ滞)

これは「青クマ」の原因です。目の周りには毛細血管が張り巡らされています。

睡眠不足、長時間のPC・スマートフォン作業による目の酷使、ストレス、冷え、疲労などが原因で、目元の血行が悪くなることがあります。

血行が滞ると、血液中の酸素が不足し、血液が暗赤色(静脈血)になります。目の下の皮膚は非常に薄いため、この暗い色の血液が透けて見え、青黒いクマとなります。

特に色白の方は目立ちやすい傾向があります。黒ずみ(黒クマ)と青クマが併発すると、影と色が相まって、より一層暗く、深刻な黒ずみとして見えることがあります。

複数の原因が混在するケース

実際には、「私はたるみだけ」「色素沈着だけ」と明確に分けられるケースは少なく、多くの場合、これらの原因が複雑に絡み合っています。

例えば、加齢によるたるみ(黒クマ)があり、さらに目をこする癖があって色素沈着(茶クマ)も起こしている、という具合です。

複数の原因が混在すると、セルフケアでの改善はさらに難しくなります。自分の黒ずみがどのタイプの組み合わせなのかを正しく把握することが、適切な対策を選ぶ上で非常に重要です。

【原因別】今すぐ始めたいスキンケアと生活習慣の見直し

目の下の黒ずみに気づいたら、まずはセルフケアを見直すことが大切です。原因別に、日々の生活で取り入れられる対策を紹介します。

ただし、これらは主に予防や、症状がごく軽い場合の対策であり、すでに定着してしまった黒ずみ、特に構造的な影(黒クマ)をセルフケアだけで完全に解消するのは難しいことも理解しておきましょう。

たるみ・へこみ(影)対策のセルフケア

構造的な影(黒クマ)は、皮膚のハリ不足が関係しています。スキンケアでは、肌の弾力をサポートする成分を取り入れることが有効です。

目元の皮膚はデリケートなため、アイクリームなど専用のアイテムで優しくケアを行いましょう。

ハリを与えるエイジングケア成分

以下の成分は、肌にハリやうるおいを与え、乾燥による小じわを目立たなくする効果が期待できます。これらの成分が配合された化粧品を選んでみてください。

成分名期待される主な働き選び方のポイント
レチノール肌のターンオーバーを促し、コラーゲン生成をサポート。ハリを与える。刺激を感じる場合があるため、低濃度のものから試す。夜の使用を推奨。
ペプチドコラーゲンやエラスチンの働きをサポートし、肌の弾力に関わる。複数のペプチドが組み合わさっている製品は、より多角的なケアが期待できる。
ビタミンC誘導体コラーゲンの生成を助ける。抗酸化作用も持つ。安定性が高く、浸透しやすい誘導体の形(APPSなど)が望ましい。

色素沈着(メラニン)対策のセルフケア

茶クマが混在している場合、これ以上色素沈着を悪化させないこと、そして今あるメラニンの排出を促すことが重要です。何よりも「摩擦」と「紫外線」を徹底的に避ける必要があります。

美白有効成分の選び方

色素沈着(茶クマ)には、メラニンの生成を抑えたり、排出を促したりする美白有効成分が配合されたスキンケアが有効です。

化粧水や美容液で顔全体をケアしつつ、気になる目元にはアイクリームを重ねましょう。

成分名期待される主な働き特徴
トラネキサム酸メラニン生成の初期段階に働きかけ、生成を抑える。肌荒れ防止効果も。比較的刺激が少なく、多くの美白化粧品に配合されている。
ビタミンC誘導体メラニンの生成を抑える。できてしまったメラニンを還元(色を薄く)する。美白だけでなく、ハリ対策(前述)や皮脂コントロールなど多機能。
アルブチンメラニンを作る酵素(チロシナーゼ)の働きを阻害する。ハイドロキノンに似た構造を持つが、より安定で刺激が少ない。

摩擦を避ける正しいクレンジング・洗顔法

色素沈着の最大の敵は摩擦です。アイメイクは専用のリムーバーをコットンに含ませ、こすらずに優しく押さえて浮かせ、そっと拭き取ります。

クレンジング剤や洗顔料は、肌の上で指が直接触れないよう、たっぷりの量を使ってクッションのようにして洗うことが大切です。

熱いお湯は乾燥を招き、バリア機能を低下させるため、ぬるま湯(32〜34度程度)ですすぎましょう。

やってはいけないNGケア

良かれと思ってやっていることが、かえって黒ずみを悪化させているかもしれません。以下の点に注意してください。

  • 強すぎるマッサージやツボ押し
  • シャワーを直接顔(特に目元)に当てる
  • 目を強くこする、頻繁に触る
  • クレンジングや洗顔時の力の入れすぎ

血行不良(うっ滞)対策のセルフケア

青クマが混在している場合は、目元の血流を改善することが重要です。日々の生活習慣を見直すことが、最も効果的な対策となります。

目元のマッサージとツボ押し(注意点)

血行を促すために、優しいマッサージは有効です。ただし、前述の通り、強い摩擦は色素沈着の原因になります。必ずアイクリームやオイルを塗り、滑りを良くした状態で行います。

薬指(最も力が入りにくい指)の腹を使い、目頭から目の下を通り、こめかみに向かって優しく圧をかける程度にしましょう。

目の周りを温めるホットアイマスクなども、リラックスしながら血行を促せるため有効です。

生活習慣の改善ポイント

血行不良は、体全体の健康状態が反映されやすいです。特に以下の点に注意して、生活リズムを整えましょう。

改善項目具体的な対策黒ずみへの影響
睡眠質の良い睡眠を6〜7時間確保する。寝る直前のスマホ操作を控える。成長ホルモンの分泌を促し、血行やターンオーバーを正常化する。
食事体を温める食材(生姜、根菜など)を摂る。鉄分やビタミンEを意識する。貧血や冷えを防ぎ、末端の血流を改善する。
運動・入浴適度な運動(ウォーキングなど)を習慣化する。湯船に浸かり体を芯から温める。全身の血流を促進し、目元のうっ滞を改善する。

セルフケアの限界と美容医療という選択肢

日々のスキンケアや生活習慣の改善は、黒ずみの予防や悪化防止にはとても重要です。

しかし、すでに深く刻まれてしまった黒ずみ、特に「たるみ・へこみ」といった皮膚の構造的な問題(黒クマ)を、セルフケアだけで根本から解消することは、残念ながら非常に難しいのが現実です。

スキンケアだけでは改善が難しい理由

スキンケア製品(化粧品)は、日本の法律上「角質層まで」しか浸透しません。

たるみの原因であるコラーゲンの減少や、眼窩脂肪の突出、それを支える靭帯の緩みは、皮膚のさらに奥深く(真皮層や皮下組織、筋肉)で起こっています。

化粧品では、これらの根本的な構造に直接働きかけることができません。

また、色素沈着(茶クマ)も、真皮層まで落ちてしまったメラニン(真皮メラノサイトーシス)は、ターンオーバーで排出されることがないため、美白化粧品では効果が期待できません。

セルフケアを続けても一向に改善しない、あるいは年齢とともにかえって目立ってきたと感じる場合、それはケアが間違っているのではなく、セルフケアの限界に達しているサインかもしれません。

美容医療が根本解決につながる仕組み

美容医療は、セルフケアでは届かない皮膚の奥深くや、その構造自体に直接アプローチできる点が最大の違いです。

例えば、たるみやへこみ(黒クマ)に対しては、ヒアルロン酸や脂肪を注入して段差をなめらかにしたり、レーザーや高周波でコラーゲンの再生を強力に促したり、あるいは突出した脂肪そのものを取り除く(脱脂)といった根本的な治療が可能です。

色素沈着(茶クマ)に対しても、医療用のレーザーで皮膚の奥にあるメラニンを破壊したり、医療機関でしか処方できない高濃度の薬剤で皮膚の再生を強力に促したりすることができます。

このように、黒ずみの「原因」に直接働きかけることができるため、セルフケアでは得られなかった明確な改善が期待できます。

治療を受ける前に知っておきたいこと

美容医療は効果的な選択肢ですが、魔法ではありません。どのような治療にも、メリットとデメリット(リスクやダウンタイム)が存在します。

また、黒ずみの原因は人それぞれ異なるため、「誰かに効いた治療が自分にも効く」とは限りません。

最も重要なのは、自身の黒ずみの原因を医師に正しく診断してもらい、自分に合った治療法を提案してもらうことです。

費用やダウンタイム、期待できる効果について十分に納得した上で、治療を選択することが大切です。

原因別に見る「目の下の黒ずみ」美容医療ガイド

美容医療には様々な選択肢があります。ここでは、目の下の黒ずみの主な原因別に、どのような治療法が一般的に行われているかを紹介します。

実際には、これらの原因が複合していることが多いため、治療法も組み合わせて行うことが多くあります。

たるみ・へこみ(影)へのアプローチ

構造的な影(黒クマ)に対する治療は、段差をなくすことが目的です。へこんでいる部分を埋めるか、ふくらんでいる部分(脂肪)を取り除くか、あるいは皮膚自体を引き締める方法があります。

注入治療(ヒアルロン酸・脂肪注入)

へこみが原因で影ができている場合に有効な方法です。へこんだ部分に注入剤を満たし、皮膚をなめらかに持ち上げることで段差を解消し、影を目立たなくします。

治療法特徴メリット・デメリット
ヒアルロン酸注入ジェル状のヒアルロン酸を注射で注入する。【メリット】施術時間が短く、ダウンタイムがほぼない。
【デメリット】数ヶ月〜1年程度で吸収されるため、持続的な効果には反復治療が必要。
脂肪注入自身のお腹や太ももから採取した脂肪を加工して注入する。【メリット】自身の組織のためアレルギーの心配が少ない。生着すれば効果は半永久的。
【デメリット】脂肪採取が必要。生着率に個人差がある。

切らないたるみ治療(HIFU・高周波)

皮膚のたるみが軽度の場合や、注入・外科手術に抵抗がある場合に選ばれます。

皮膚の深層に熱エネルギーを加え、コラーゲンの生成を促し、肌を引き締めます。HIFU(ハイフ)や高周波(RF)治療(サーマクールなど)がこれにあたります。

効果はマイルドですが、ダウンタイムがほとんどなく、繰り返し行うことでハリを維持する効果が期待できます。

外科的アプローチ(脱脂術・ハムラ法)

目の下の脂肪(眼窩脂肪)の突出が大きく、目袋が目立つ場合に最も根本的な治療となります。「経結膜脱脂術」は、まぶたの裏側(結膜)から小さな穴を開け、突出した脂肪を取り除く手術です。

皮膚表面に傷がつかないのが特徴です。脂肪を取り除くだけでなく、その脂肪をへこんだ部分に移動させて固定する「ハムラ法」という手術もあり、ふくらみとへこみを同時に解消できます。

色素沈着(メラニン)へのアプローチ

茶クマが主な原因、または黒クマと混在している場合、メラニンをターゲットにした治療を行います。セルフケアでは届かない、皮膚の深い部分にあるメラニンにも対応可能です。

レーザー治療(トーニング・ピコ)

「レーザートーニング」や「ピコレーザー(ピコトーニング)」は、弱い出力のレーザーを均一に照射し、皮膚に蓄積したメラニンを少しずつ破壊・排出させていく治療です。

肌へのダメージを抑えながら、色素沈着を改善していきます。複数回の治療が必要です。

ピーリングと処方薬

「ケミカルピーリング」で古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促すことも、表皮の色素沈着改善に役立ちます。

さらに、医療機関で処方される薬剤を併用することで、より高い効果を目指します。

薬剤名主な働き使用法
ハイドロキノン「肌の漂白剤」とも呼ばれ、メラニン生成を強力に抑える。外用薬(塗り薬)。夜間のみ使用。紫外線対策が必須。
トレチノイン肌のターンオーバーを強力に促進し、メラニンの排出を早める。外用薬(塗り薬)。赤みや皮むけが出やすい。医師の指導下で使用。
トラネキサム酸メラニン生成を抑える。肝斑にも有効。内服薬(飲み薬)。継続的な服用で体の中からケアする。

血行不良へのアプローチ

青クマが目立つ場合、血行を促進する治療が行われることがあります。

例えば、血流改善を促す成分を直接注入する「メソセラピー」や、医療用の炭酸ガスを注入して意図的に酸欠状態を作り、血流を増加させる「炭酸ガス治療(カルボキシセラピー)」などがあります。

ただし、青クマは生活習慣の影響が大きいため、治療と並行してセルフケアを続けることが重要です。

美容医療を受けるクリニックの選び方

目の下の黒ずみ治療は、非常にデリケートな部位の治療であり、医師の技術や診断能力が結果を大きく左右します。

満足のいく結果を得るためには、信頼できるクリニック選びが何よりも重要です。

医師の経験と症例の確認

目の下の治療は、皮膚の薄さ、脂肪の量、骨格など、個人差を正確に見極める必要があります。

その上で、ヒアルロン酸の注入深度を誤ったり、脂肪を取りすぎたりすると、かえってへこんだり、不自然になったりするリスクがあります。

クリニックのウェブサイトなどで、目の下の治療(クマ取り、脱脂、注入など)の経験が豊富な医師が在籍しているか、症例写真が多数掲載されているかを確認しましょう。

その際、自分と似たタイプの黒ずみの症例があるかもチェックすると参考になります。

カウンセリングの丁寧さ

良いクリニックは、カウンセリングを非常に重視します。

まず、医師が直接あなたの目元の状態を診察し、黒ずみの原因が「影」なのか「色素沈着」なのか、あるいは「複合型」なのかを詳細に診断してくれるはずです。

その上で、なぜその診断に至ったのかを分かりやすく説明してくれるかどうかがポイントです。

さらに、あなたの悩みや希望(ダウンタイムは取れるか、予算はいくらかなど)を丁寧にヒアリングし、一方的に高額な治療を勧めるのではなく、複数の治療選択肢(メリット・デメリットを含む)を提示してくれるクリニックを選びましょう。

アフターケアと費用の透明性

治療は、施術が終わったら完了ではありません。特に外科的な治療やレーザー治療では、術後の経過観察や、万が一トラブルが起きた際の対応が重要です。

アフターケアの体制が整っているか、診察料や薬代は治療費に含まれているかなどを確認しましょう。

また、費用体系が明確であることも大切です。「○○円〜」といった曖昧な表記だけでなく、診察料、麻酔代、薬代など、総額でいくらかかるのかを事前に明示してくれる、透明性の高いクリニックが信頼できます。

クリニック選びのチェックポイント

最終的に決める前に、以下の点をチェックリストとして活用してください。

  • 医師は目の下の治療経験が豊富か
  • 自分と似た症例写真が豊富にあるか
  • 医師が直接診察し、原因を詳しく説明してくれたか
  • メリットだけでなく、リスクやダウンタイムの説明も十分だったか
  • 複数の治療法を提案してくれたか
  • 費用(総額)が明確に提示されたか
  • アフターケアや保証制度は整っているか

目の下の黒ずみ治療に関するよくある質問(Q&A)

ここでは、目の下の黒ずみ治療に関して、患者様から多く寄せられる質問にお答えします。

治療中の痛みはありますか?

治療法によって異なります。

注入治療(ヒアルロン酸など)やレーザー治療は、チクッとした痛みや熱感を感じることがありますが、多くの場合、麻酔クリーム(表面麻酔)を使用することで痛みは大幅に軽減されます。

外科的な手術(脱脂術など)の場合は、局所麻酔や静脈麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはありません。

術後に軽い痛みが出る場合がありますが、処方される鎮痛剤で対応できる程度が一般的です。

ダウンタイムはどのくらいですか?

これも治療法によります。ヒアルロン酸注入やレーザートーニングなどは、ダウンタイムはほとんどなく、施術直後からメイクが可能な場合も多いです。

ただし、注入治療ではまれに内出血が出ることがあり、その場合は治まるまでに1〜2週間程度かかることがあります。

外科的手術(脱脂術など)の場合は、腫れや内出血が必ず出ます。個人差はありますが、大きな腫れは1〜2週間程度、内出血は2〜3週間程度で徐々に引いていくのが一般的です。

最終的な仕上がりまでは数ヶ月かかります。

治療後、すぐにメイクはできますか?

HIFUやレーザートーニングなど、皮膚表面に傷がつかない治療は、当日からメイク可能な場合がほとんどです。ヒアルロン酸注入なども、注射の針穴を避ければ当日からメイク可能です。

外科的手術の場合、経結膜脱脂術(まぶたの裏側から)であれば、皮膚表面に傷がないため、翌日からメイク可能なクリニックも多いです。

皮膚を切開する手術(ハムラ法など)の場合は、抜糸(約1週間後)まで目元のメイクはできません。

効果はどのくらい持続しますか?

ヒアルロン酸注入は、製剤の種類にもよりますが数ヶ月〜1年程度で徐々に吸収されるため、効果を維持するには定期的な治療が必要です。

一方、脂肪注入や外科的手術(脱脂術など)は、一度確立すれば効果は半永久的に持続するとされています。

ただし、治療後も加齢による変化は進行するため、10年後、20年後に再びたるみが出てくる可能性はあります。

レーザー治療(色素沈着)も、効果は持続しますが、紫外線対策や摩擦を避けるなど、その後のケアを怠ると再発する可能性があります。

治療が受けられないケースはありますか?

妊娠中・授乳中の方、治療部位に感染や重度の皮膚疾患がある方、特定の薬剤(血液をサラサラにする薬など)を内服中の方、重い持病をお持ちの方は、治療が受けられない場合があります。

また、麻酔や薬剤にアレルギーがある場合も注意が必要です。カウンセリングの際に、既往歴や現在治療中の病気、内服中の薬、アレルギーの有無などを必ず正確に医師に申告してください。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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