目の下の「肉」、その正体は眼窩脂肪!ぷっくり可愛い涙袋との決定的違い

目の下の「肉」、その正体は眼窩脂肪!ぷっくり可愛い涙袋との決定的違い

鏡を見て「目の下にぷっくりとした肉がついている」と気になったことはありませんか。その正体は、多くの場合「眼窩脂肪(がんかしぼう)」という眼球を支えるクッションのような脂肪です。

加齢や骨格の影響で眼窩脂肪が前方へ押し出されると、目の下がふくらんで疲れた印象やクマの原因になります。一方で「涙袋」は眼輪筋という筋肉の盛り上がりであり、構造そのものが異なります。

この記事では目の下のふくらみと涙袋の違いを軸に、原因や対処法、治療の考え方をわかりやすく解説していきます。

目次

目の下の「肉」は眼窩脂肪のふくらみ|目袋ができるしくみを徹底解説

目の下にできる「ぷくっとした肉」の多くは、眼窩脂肪が前に飛び出した状態です。眼窩脂肪は眼球を衝撃から守るために眼窩(がんか=頭蓋骨のくぼみ)の中に存在しており、本来は表面からは見えないはずの組織です。

眼窩脂肪は眼球を守るクッション

眼窩脂肪は、眼球の周囲を包み込むようにして衝撃を吸収する天然のクッションです。通常は「眼窩隔膜(がんかかくまく)」と呼ばれる薄い膜によって奥に押さえ込まれています。

この脂肪は内側・中央・外側の3つの区画に分かれており、それぞれ大きさや脂肪の性質が少し異なります。内側の脂肪はやや白っぽく密度が高い傾向があり、中央の脂肪は量が多いのが特徴です。

眼窩隔膜がゆるむと脂肪が前方へ飛び出す

年齢を重ねると眼窩隔膜のコラーゲン繊維が弱まり、脂肪を押さえる力が低下します。すると眼窩脂肪が隔膜を押し広げるようにして前方へ突出し、いわゆる「目袋」をつくるのです。

眼窩脂肪の3区画とその特徴

区画位置特徴
内側脂肪目頭側白っぽく密度が高い
中央脂肪瞳の下あたり量が多く突出しやすい
外側脂肪目尻側比較的量が少ない

骨格や遺伝的な要因で若くても目袋ができる

眼窩脂肪の突出は加齢だけが原因ではありません。もともと眼窩が浅い骨格や、隔膜が薄い体質であれば20代でも目袋が目立つケースがあります。

親や祖父母に同じ悩みがある場合は遺伝的な要素も否定できないでしょう。アジア人は欧米人と比べて眼窩が浅い傾向があり、脂肪が前方へ出やすい骨格的な特徴を持つ方が少なくありません。

涙袋と目の下のたるみ(目袋)はまったく別物|見分けるポイント

涙袋と目袋は見た目が似ていますが、構造も位置も異なります。涙袋は「眼輪筋の盛り上がり」、目袋は「眼窩脂肪の突出」であり、発生する場所や印象を与える効果もまったく別のものです。

涙袋は眼輪筋がつくる筋肉のふくらみ

涙袋は、下まぶたの際にある眼輪筋の一部がふっくらと盛り上がったものです。笑ったときに強調されるのは、筋肉が収縮するためで、これが若々しく愛らしい印象を与えます。

涙袋自体は脂肪のかたまりではなく、筋肉の形状そのものといえます。そのため、涙袋が大きいからといって「脂肪が多い」わけではありません。

目袋(たるみ)は涙袋のさらに下にできる

目袋は涙袋よりも下の位置に現れます。涙袋がまつげの生え際のすぐ下に存在するのに対し、目袋は頬との境目あたりにふくらみとして出現するのが特徴です。

光を当てたとき、涙袋はハイライトのように明るく見えます。目袋は逆に影をつくり、暗い印象を与えやすいので区別の手がかりになるでしょう。

涙袋と目袋を自分でチェックする方法

笑顔をつくってみてください。目のすぐ下でぷくっと盛り上がる部分が涙袋です。一方で真顔のときにも消えないふくらみがあれば、それは目袋(眼窩脂肪の突出)の可能性が高いといえます。

上を向いたときにふくらみが大きくなるかどうかも判断材料のひとつです。上を向くと眼球が下がり、脂肪が前へ押し出されるため、目袋は上を向くと強調されやすい傾向があります。涙袋は上を向いても大きさがほぼ変わりません。

もう一点、指で軽く下まぶたを引っ張ってみたときにふくらみが動くかどうかも参考になるでしょう。皮膚と一緒に動くなら皮膚のたるみ、動かなければ奥にある眼窩脂肪が原因の可能性が高くなります。

涙袋と目袋の見分けかた

項目涙袋目袋
原因眼輪筋のふくらみ眼窩脂肪の突出
位置まつげの生え際すぐ下頬との境目付近
印象若々しく華やか疲れた・老けた印象

年齢を重ねるほど目の下の脂肪が飛び出してくる理由

眼窩脂肪の突出は複数の加齢変化が重なって起こります。単純に「脂肪が増える」のではなく、脂肪を支える組織が弱くなることで前方に押し出されてしまうというのが正確な理解です。

眼窩隔膜と靱帯の弾力低下が引き金

30代後半から眼窩隔膜のコラーゲン産生が減り始め、膜自体が薄く伸びやすくなります。あわせて眼窩脂肪を固定している靱帯(ロッキング・リガメントなど)もゆるむため、脂肪を支える力が全体的に落ちていくのです。

頬の脂肪が下がることで溝(ティアトラフ)が深くなる

加齢に伴い、頬の脂肪体は重力に従って下方へ移動します。すると眼窩の縁と頬の間にくぼみ(ティアトラフ)ができ、その上にある眼窩脂肪の突出が余計に目立つようになります。

加齢で変化する目の下の構造

変化する部位起こる変化見た目への影響
眼窩隔膜コラーゲン減少で菲薄化脂肪の突出が増大
眼窩骨骨吸収で眼窩が拡大目がくぼみ影が強まる
頬の脂肪体下垂・萎縮溝が深くなる

眼窩骨の骨吸収が目のくぼみを助長する

あまり知られていませんが、加齢によって眼窩周囲の骨は少しずつ吸収されて薄くなっていきます。眼窩のフレームが広がることで眼球やその周囲の脂肪の位置が変わり、目元全体のバランスが崩れやすくなります。

骨の変化は40代以降で顕著になりますが、個人差が大きいため「何歳から目立つ」と一概にはいえません。骨格の変化は自力で止めるのが難しく、目元の印象に長期的に影響を与え続けるものです。

皮膚の菲薄化が脂肪の突出をさらに際立たせる

目の下の皮膚は顔の中でもとくに薄く、わずか0.5mm程度しかありません。加齢とともにコラーゲンやエラスチンが減少すると皮膚がさらに薄く透けやすくなり、その下にある脂肪のふくらみがいっそう目立ちます。

紫外線によるダメージも皮膚の老化を加速させる要因のひとつです。日常的に目元の紫外線対策を行うと、皮膚のハリを長く保てる可能性があるでしょう。

黒クマの原因は「影」だった|眼窩脂肪と目の下のクマの深い関係

目の下のクマにはいくつかの種類がありますが、眼窩脂肪と関係が深いのが「黒クマ(影クマ)」です。脂肪の突出が影をつくることで目の下が黒ずんで見え、疲れた表情に見える原因となります。

黒クマは光と影が生み出す「立体的なクマ」

黒クマは色素沈着や血行不良によるものではなく、目の下のふくらみと頬のくぼみの段差が影を落とすことで生じます。そのため、顔を上に向けて光を当てると影が消え、クマが薄くなるのが特徴です。

上を向いたときにクマが消えるかどうかを確認するだけでも、黒クマかどうかの簡易的な判断ができます。逆に色が残る場合は青クマや茶クマの可能性があるでしょう。

3種類のクマの違いを整理する

クマは大きく「黒クマ」「青クマ」「茶クマ」の3つに分けられます。黒クマが影によるものであるのに対し、青クマは皮膚の下の静脈が透けて見える血行不良型です。茶クマは色素沈着によるもので、紫外線や摩擦が原因になりやすい傾向があります。

複数のタイプが混在しているケースも珍しくなく、自己判断が難しいときは医療機関で診てもらうのが確実です。

眼窩脂肪を取り除くと黒クマの改善が期待できる

黒クマの根本原因が眼窩脂肪の突出による影であれば、脂肪を取り除くことで影がなくなり、クマの改善が見込めます。

ただし頬のくぼみが深い場合には脂肪除去だけでなく、くぼみを埋める処置を組み合わせたほうが仕上がりが自然になるケースが多いです。

黒クマだと思い込んでいたものが実は青クマや茶クマだったというケースもあります。治療方針を誤らないためにも、まずは医療機関で原因を正確に見極めてもらいましょう。

3種類のクマ 比較表

種類おもな原因特徴
黒クマ眼窩脂肪の突出による影上を向くと薄くなる
青クマ血行不良・皮膚の菲薄化皮膚を引っ張ると薄くなる
茶クマ色素沈着引っ張っても色が残る

目の下の脂肪ふくらみをセルフケアだけで解消するのは難しい

結論からいえば、一度突出した眼窩脂肪をマッサージやスキンケアで元に戻すことは医学的に困難です。セルフケアでできるのは「これ以上悪化させない予防」と「見た目の印象を和らげる工夫」に限られます。

マッサージや美顔器では脂肪は引っ込まない

目の下のマッサージは血行を促す効果があるため、青クマの改善には一定の期待ができます。しかし、眼窩脂肪は骨の内側から押し出されている組織であり、外からの圧力で元の位置に戻すことはできません。

むしろ力を入れすぎたマッサージは皮膚の炎症や色素沈着を招く恐れがあるため、目元の取り扱いには注意が必要です。

コスメやアイクリームで対応できる範囲

  • 保湿成分が皮膚のハリを保ち、小ジワの悪化を防ぐ
  • レチノール配合品がコラーゲン産生を助ける
  • 日焼け止めが茶クマの原因となる色素沈着を予防する

コスメやアイクリームで改善が見込めるのは皮膚のキメやハリであって、眼窩脂肪の量や位置を変えることはできません。あくまでも補助的なケアと捉えるのが妥当でしょう。

予防として生活習慣の見直しは有効

十分な睡眠、塩分の取りすぎを避けること、そして禁煙は目元のむくみや皮膚の老化を抑えるうえで有効です。直接的に眼窩脂肪を減らす方法ではありませんが、目の下の印象を総合的に整えるうえで欠かせない土台づくりといえます。

とくに寝不足はまぶたのむくみを招き、眼窩脂肪のふくらみをさらに強調してしまいます。1日7時間前後の睡眠を目安に規則正しいリズムで休息を取ることが、目元の健やかさを守る基本です。

経結膜脱脂術で目の下の脂肪を取り除く治療の流れと注意点

経結膜脱脂術(けいけつまくだっしじゅつ)は、まぶたの裏側(結膜側)から眼窩脂肪を取り出す治療法です。皮膚を切らないため傷跡が外から見えず、ダウンタイムも比較的短い特徴があります。

まぶたの裏側から脂肪を取り出すため傷跡が見えない

経結膜脱脂術では下まぶたの裏側を小さく切開し、突出している眼窩脂肪を引き出して除去します。切開部は結膜側なので外見上の傷が残らず、抜糸も不要なケースが多い術式です。

手術時間は30分から1時間程度が目安で、局所麻酔で行われます。術後は腫れや内出血が出ることがありますが、多くの場合1〜2週間で目立たなくなっていきます。

脂肪を取りすぎると「くぼみ」の原因になる

眼窩脂肪は眼球を支える役割を持っているため、過剰に取り除くと目の下がくぼんでしまい、かえって老けた印象になりかねません。経験豊富な医師による適量の見極めが仕上がりを大きく左右します。

脂肪を取り除くだけでなく、取った脂肪を頬のくぼみに移動させる「脂肪再配置」という手法を組み合わせて、なめらかな目元を実現している医療機関も増えています。

治療を受ける前に確認しておきたいポイント

カウンセリングでは、自分の目の下のふくらみが眼窩脂肪によるものか、皮膚のたるみが主因か、あるいは両方が重なっているのかを正確に診断してもらうことが大切です。原因を見誤ると期待した効果が得られない場合があります。

また、血液をサラサラにする薬を服用している方や持病のある方は、事前に必ず医師へ伝えてください。安全に治療を受けるための準備として欠かせない情報です。

複数の医療機関でカウンセリングを受け、治療方針を比較検討することも後悔のない選択をするうえで有効な手段となります。医師との信頼関係が築けるかどうかも、治療先を決める大切な判断基準です。

  • 目の下のふくらみの原因を正確に診断してもらう
  • 脂肪の取りすぎによるくぼみリスクを医師と相談する
  • 服用中の薬や既往歴をカウンセリングで伝える

20代・30代でも目の下の「肉」が目立つ方へ|若い世代の目袋が増えている

目の下のふくらみは中高年だけの悩みではありません。20代・30代でも眼窩脂肪の突出に悩む方は少なくなく、遺伝的な骨格や生活習慣が若年層の目袋に影響を与えています。

若い世代の目袋は骨格と遺伝に左右されやすい

もともと眼窩が浅い骨格であったり、眼窩隔膜が生まれつき薄い体質であったりすると、10代後半から目の下にふくらみが出る方もいます。両親や祖父母に目袋がある場合、同じ傾向を受け継いでいるかもしれません。

若年層で目袋が目立ちやすい要因

要因影響
眼窩が浅い骨格脂肪が前方へ出やすい
眼窩隔膜が薄い体質脂肪を押さえる力が弱い
慢性的な寝不足むくみで目袋が強調される

スマートフォンの長時間使用と目元の関係

長時間のスマートフォン使用は眼精疲労を引き起こし、目元の血行を悪化させます。直接的に眼窩脂肪を増やすわけではないものの、目の下のむくみや青クマが加わることでふくらみが余計に目立つ結果につながります。

意識的にまばたきの回数を増やすことや、1時間に一度は画面から目を離して遠くを見ることが目元のコンディション維持につながるでしょう。目の酷使を減らすだけでもむくみの頻度が下がり、見た目の印象が軽くなったと実感する方もいます。

20代での治療は焦らず慎重に判断することが大切

若い世代で目袋が気になっている場合、まずは医療機関で原因を正確に診てもらうことから始めてみてください。むくみや生活習慣の改善で印象が変わるケースもあるため、すぐに治療を決断する必要はありません。

もし治療を検討する際は、将来的な加齢変化も視野に入れたうえで医師と相談し、長期的に納得できる方法を選んでいただきたいと思います。

よくある質問

眼窩脂肪は加齢以外の原因でもふくらむことがありますか?

はい、眼窩脂肪のふくらみは加齢だけが原因ではありません。生まれつき眼窩が浅い骨格や、眼窩隔膜が薄い体質であれば、20代でもふくらみが目立つ場合があります。

また、慢性的な寝不足や塩分過多の食事によるむくみが加わると、脂肪の突出がいっそう強調されやすくなります。遺伝的な要因も大きいため、家族に同じ悩みを持つ方がいる場合は体質的な影響が考えられるでしょう。

眼窩脂肪を取り除く経結膜脱脂術にダウンタイムはどのくらいかかりますか?

経結膜脱脂術の場合、腫れや内出血が出るときがありますが、多くの方は1〜2週間ほどで目立たなくなっていきます。まぶたの裏側からの施術のため外見上の傷跡は残りません。

術後は激しい運動や飲酒を数日間控えていただくのが一般的です。翌日からデスクワークに復帰できるケースもありますが、目元の安静を保つことがきれいな仕上がりにつながります。

涙袋を残したまま目の下の眼窩脂肪だけを取ることはできますか?

涙袋は眼輪筋のふくらみであり、眼窩脂肪とは構造が異なるため、脂肪だけを取り除いても涙袋は基本的に残ります。経結膜脱脂術で除去するのは隔膜の奥にある脂肪であり、涙袋をつくっている筋肉には触れません。

ただし脂肪を取りすぎると目の下全体がくぼみ、涙袋の印象が変わって見える場合もあります。仕上がりのバランスについてはカウンセリングで医師としっかり話し合ってください。

目の下の眼窩脂肪のふくらみはマッサージで改善できますか?

マッサージで眼窩脂肪を元の位置に押し戻すことは医学的に困難です。眼窩脂肪は骨のくぼみの中から前方へ突出しているため、外側からの圧力では構造的な変化を起こせません。

優しいマッサージは血行を促して青クマやむくみの軽減に役立つ可能性がありますが、脂肪そのものを減らす効果は期待できないでしょう。力を入れすぎると皮膚に炎症や色素沈着を招く恐れもあるため、目元は丁寧に扱うことが大切です。

目の下の眼窩脂肪を除去した後に脂肪が再び出てくることはありますか?

適切な量の脂肪を取り除いた場合、同じ部位から再び大きく脂肪が突出する可能性は低いとされています。取り残しがあると術後にふくらみが目立つケースもあるため、手術時の脂肪量の見極めが重要です。

ただし加齢に伴って周囲の組織が変化していくため、年月が経つと目元の印象が少しずつ変わっていくことはあり得ます。術後も定期的にかかりつけの医師に相談しながら、目元のコンディションを維持していきましょう。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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