クマ取り後に白目が真っ赤に!「結膜下出血」の原因と治るまでの期間

クマ取り後に白目が真っ赤に!「結膜下出血」の原因と治るまでの期間

目の下のクマ取り施術を受けた後、鏡を見て白目が真っ赤になっていたら、誰でも驚くでしょう。これは「結膜下出血」と呼ばれる症状で、白目の表面にある薄い膜(結膜)の下で細い血管が破れ、血液がにじみ出た状態です。

見た目のインパクトは強いものの、ほとんどの場合は視力に影響を与えず、1〜2週間ほどで自然に消えていきます。

術後の経過に不安を感じている方に向けて、原因や回復の目安、受診が必要なケースまでを丁寧に解説します。

目次

クマ取り後の「結膜下出血」とは?白目が赤くなる仕組みを解説

結膜下出血とは、白目の表面を覆う薄い透明な膜である「結膜」の下に出血が起こり、赤いシミのように見える状態です。クマ取り施術では目元の組織に直接アプローチするため、周辺の微細な血管が刺激を受けやすくなります。

結膜下出血が起こるとき白目ではなにが起きている?

結膜にはごく細い毛細血管が無数に走っています。外科的な操作や炎症によって血管壁が損傷すると、血液が結膜と強膜(白目の本体部分)のあいだに漏れ出します。

この漏れ出た血液が透明な結膜越しに透けて見えるため、白目が赤く染まったように見えるわけです。

眼球そのものが傷ついているわけではないため、痛みもなく視力への悪影響はありません。しかし見た目が派手なので、初めて経験する方は「施術に失敗したのでは」と心配になるかもしれません。

クマ取り施術で結膜下出血が生じやすい理由

クマ取りの術式のなかでも、結膜側から切開を行う「経結膜脱脂法」は結膜に直接アプローチします。そのため、結膜付近の毛細血管が損傷を受けやすく、結膜下出血が術後の正常な経過として生じるときがあります。

術式切開の位置結膜下出血の起きやすさ
経結膜脱脂法下まぶたの裏側(結膜側)やや高い
皮膚切開法下まぶたの表面低い
ハムラ法皮膚側または結膜側術式による

結膜下出血と「眼球の出血」はまったく別のもの

結膜下出血はあくまで眼球の表面の現象であり、眼球内部で出血が起きているわけではありません。眼球内出血の場合は視力低下や強い痛みを伴うことが多く、緊急の対応が求められます。

白目が赤くなっているだけで痛みや視力の変化がなければ、結膜下出血である可能性が高いでしょう。ご自身で判断が難しいときは、術後の検診を待たずに担当医へ写真を送って確認してもらうのも一つの方法です。

なぜクマ取り後に結膜下出血が起こるのか?術後に白目が赤くなる原因

クマ取り後に結膜下出血が起こる原因は、手術操作そのものによる血管への物理的な負荷が主なものです。加えて、患者さん自身の体質や生活習慣が関与する場合もあります。

施術中の物理的な刺激が毛細血管を傷つける

脱脂術では眼窩脂肪(がんかしぼう)を操作するために、結膜を切開し周囲の組織を展開します。その際、結膜上の細い血管が圧迫されたり引っ張られたりすることで破綻し、出血が生じます。

手術用器具が直接血管に触れなくても、周辺組織への牽引だけで出血は起こり得るものです。

血圧の上昇や血液をサラサラにする薬の影響

術前や術後に血圧が上がると、血管に過剰な圧力がかかり、出血リスクが高まります。高血圧の持病がある方はとくに注意が必要です。

また、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している方は、止血しにくいため結膜下出血が広範囲に及ぶこともあります。

術後のいきみ・咳・嘔吐が出血を誘発する

術後に強くいきんだり、激しい咳をしたりすると、顔面の静脈圧が一時的に急上昇します。この圧力変化が結膜の細い血管を破り、新たな出血や既存の出血の拡大を招きます。

術後はできるだけ安静を保ち、重い荷物を持ち上げるなどの動作を控えるよう心がけてください。

出血の原因対策
手術操作による血管損傷術者の技量や術式選択が重要
高血圧術前の血圧コントロール
抗凝固薬・抗血小板薬主治医と相談のうえ休薬を検討
術後のいきみ・咳安静を保ち腹圧をかけない

クマ取り後の結膜下出血はいつ治る?赤みが引くまでの回復期間

多くの場合、結膜下出血は1〜2週間で自然に消退します。範囲が広い場合でも、おおむね3〜4週間あればきれいに吸収されるでしょう。

出血直後から1週間までの色の変化

出血した直後は鮮やかな赤色をしています。血液中のヘモグロビンが酸素と結びついている状態で、もっとも目立つ時期といえます。

2〜3日ほど経過すると、ヘモグロビンが分解されはじめ、赤色からやや暗い赤褐色に変わっていきます。

1週間以降は黄色みを帯びて吸収が進む

ヘモグロビンがビリベルジン、さらにビリルビンへと代謝されると、出血部分は黄緑色や黄色っぽい色調へ変化します。あざが治っていく過程と同じ原理です。

この色の変化が見られたら、回復が順調に進んでいるサインだと考えてください。

  • 鮮赤色(直後〜2日):出血したばかりの状態
  • 暗赤色(3〜5日):ヘモグロビンの分解が始まった段階
  • 黄緑〜黄色(1〜2週間):血液の吸収が進行中
  • 消退(2〜4週間):ほぼ元の白目に戻る

回復を遅らせてしまうNG行動

回復を早めたい一心で目をこすったり温めたりする方がいますが、これは逆効果です。こすると新たな出血を招く恐れがありますし、温めると血管が拡張し出血量が増える可能性があります。

術後しばらくは目元を清潔に保ち、なるべく触れないようにしましょう。メイクの再開時期についても担当医の指示に従い、目元のクレンジングでは強い力をかけないよう注意が必要です。

花粉症シーズンに施術を受けた方は、かゆみで無意識に目をこすらないようアレルギーの対策も事前に済ませておくと安心です。

結膜下出血の回復を早めるために心がけたい術後のケア

結膜下出血には特別な治療は不要ですが、日常生活のちょっとした工夫で回復をスムーズに後押しできます。

就寝時に頭を高くして寝ると腫れが軽減する

枕を2つ重ねるなどして頭を心臓より高い位置に保つと、目元への血液の滞留が軽減されます。

術後1週間ほどはこの体勢を続けると、結膜下出血だけでなくまぶたの腫れや内出血(あざ)の回復も早まるとされています。

冷却と安静が術後48〜72時間のポイント

術後48〜72時間は冷やすことが基本です。清潔なガーゼに包んだ保冷剤を20分当てて20分休む、というサイクルを繰り返してください。

冷やしすぎると凍傷のリスクがあるため、保冷剤を直接肌に押し当てるのは避けましょう。

術後の時期推奨されるケア避けるべきこと
0〜72時間冷却・安静・頭を高く入浴・飲酒・運動
4日〜1週間洗顔再開・軽い散歩激しい運動・重い荷物
2週間以降通常生活へ段階的に復帰目を強くこする行為

人工涙液で目の乾燥を防ぐのも大切

術後は目の表面が乾燥しやすくなります。乾燥すると結膜が刺激を受け、不快感や異物感が増してしまうことがあるため、医師に処方された人工涙液をこまめに点眼してください。

市販の目薬を使いたい場合は、防腐剤フリーの製品を選ぶと安心です。充血を取る目的で血管収縮剤を含む目薬を自己判断で使うのは避けましょう。

血管収縮剤は一時的に赤みを減らしますが、効果が切れたあとにかえって充血が悪化する「リバウンド充血」を起こすことがあります。

クマ取り後にこの症状が出たらすぐ受診!結膜下出血と危険なサインの見分け方

通常の結膜下出血であれば経過観察で問題ありませんが、まれに緊急の対応が必要なケースもあります。術後に以下のような症状がみられたら、速やかに担当医に連絡してください。

強い痛みと眼球の突出は「眼窩内出血」の可能性

眼窩(がんか)の奥で出血が起きると、眼球が前方に押し出されるように突出し、激しい痛みを伴います。放置すると視神経が圧迫され、永続的な視力低下につながる恐れがあります。

術後に急激な痛みと眼球の飛び出し感を自覚した場合、一刻を争う状態です。

急に見えにくくなったら要注意

結膜下出血そのものは視力に影響しません。もし術後に視力が低下したり、ものが二重に見えたりする場合は、眼窩内出血やそれに伴う眼圧上昇の可能性を考える必要があります。

視野の一部が暗くなる、光が見えにくいといった症状も見逃さないでください。

  • 急激な視力低下やものが二重に見える症状
  • 眼球の突出感と強い圧迫痛
  • 瞳孔の大きさが左右で異なる
  • まぶたの異常な腫れが悪化し続ける

2週間を過ぎても赤みがまったく薄くならない場合

通常は2週間もすれば赤みが薄れ始めますが、変化がまったくない場合には出血が持続している可能性があります。血液凝固に問題がないか、あるいは感染が生じていないかを確認するために受診をおすすめします。

とくに、赤みに加えて目やにが増えたり、まぶたの腫れがぶり返したりする場合は細菌感染の兆候かもしれません。

術後の感染症は発症頻度こそ低いものの、放置すると眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)など重篤な状態に進行するリスクがあります。少しでも異常を感じたら迷わず医療機関を受診してください。

結膜下出血を予防したい!クマ取り前にできる準備と術後に気をつけること

結膜下出血のリスクを完全にゼロにすることは難しいものの、術前の準備と術後の過ごし方次第でリスクを下げることは十分に可能です。

術前に服用中の薬をすべて医師に伝える

血液をサラサラにする薬(ワルファリンやアスピリンなど)を服用している方は、手術前に一定期間の休薬が必要になることがあります。

サプリメントのなかにもイチョウ葉エキスやビタミンEなど、出血リスクを高める成分が含まれているものがあるため、服用しているものはすべて申告してください。

術前の準備項目具体的なアクション
服用中の薬の確認抗凝固薬・サプリ含め全て申告
血圧管理高血圧の方は術前に安定化
禁煙喫煙は血行不良を招くため控える
術後のスケジュール調整1週間程度の安静期間を確保

術後1週間は飲酒と激しい運動を控える

アルコールは血管を拡張させ、出血を助長する可能性があります。術後1週間程度は飲酒を控えるほうが無難です。

同様に、ジョギングや筋トレなどの激しい運動は血圧を急上昇させるため、医師の許可が出るまでは避けましょう。

頭を下げる姿勢を避けるだけでもリスクは減る

靴ひもを結ぶ、低い位置の引き出しを開けるといった日常動作でも、頭を心臓より下に下げると目元の静脈圧が上がります。

術後しばらくはこうした動作を意識的に避け、しゃがむときは膝を曲げて背筋を伸ばした姿勢をとるよう心がけてください。

洗髪時にも注意が必要です。前かがみで髪を洗う姿勢は静脈圧を一気に上昇させるため、術後1週間ほどは美容院のように仰向けで洗う方法をおすすめします。日常のちょっとした意識の持ち方で、術後の経過は大きく変わるものです。

クマ取りの術式によって結膜下出血のリスクは変わる?経結膜法と皮膚切開法の違い

術式の違いは結膜下出血の起こりやすさに直接関係します。とくに経結膜脱脂法は結膜を直接切開する性質上、結膜下出血が生じやすい傾向があります。

比較項目経結膜脱脂法皮膚切開法
切開部位下まぶた裏側の結膜下まぶた表面の皮膚
結膜下出血のリスクやや高い低い
皮膚の傷跡外からは見えない目立ちにくいが残る場合あり
ダウンタイム比較的短いやや長い場合がある

経結膜脱脂法は傷跡が見えない反面、結膜への負担がある

経結膜脱脂法は下まぶたの裏側から切開するため、外側に傷跡が残らないという大きなメリットがあります。

ただし結膜を直接切開するため、術後に結膜下出血やケモーシス(結膜浮腫)が起こりやすい面もあります。

皮膚切開法は結膜下出血が起きにくいが傷跡が気になることも

皮膚切開法では下まぶたの表面から切開し、結膜には直接触れないため結膜下出血のリスクは比較的低くなります。

一方で、皮膚側にわずかな傷跡が残る可能性があり、回復期間もやや長めになる傾向があります。

脂肪再配置を行う術式ではリスクがさらに異なる

最近では、眼窩脂肪を単純に除去するのではなく、くぼみ部分(涙袋の下のくぼみ)に移動させる「脂肪再配置」の手法も広がっています。この術式では脂肪を茎付きのまま移動させるため、操作範囲がやや広くなり、出血のリスクも変わってきます。

脂肪再配置はクマの根本原因である凹凸をなめらかにする効果が期待できる一方、手術時間が長くなる分だけ組織への刺激も増えます。

そのため、術後の腫れや結膜下出血がやや大きくなる傾向がある点は理解しておくとよいでしょう。担当医と術式ごとのメリット・デメリットを十分に話し合ったうえで選択することが大切です。

よくある質問

クマ取り後の結膜下出血は放置しても大丈夫ですか?

結膜下出血は眼球内部の問題ではなく、白目の表面にある結膜の下で細い血管が破れた状態にすぎません。痛みや視力の変化がなければ、特別な治療をしなくても1〜2週間程度で自然に吸収されます。

ただし、強い痛みや視力低下、眼球の突出感がある場合は、眼窩内出血などより深刻な状態が疑われます。こうした症状を伴うときは速やかに担当医へご連絡ください。

クマ取り後の結膜下出血がある間、コンタクトレンズはつけられますか?

結膜下出血が残っている間は、コンタクトレンズの装用を避けたほうが安全です。レンズが結膜を圧迫し、出血部分への刺激が増す可能性があります。

医師から装用許可が出るまでは眼鏡で過ごすのがよいでしょう。再開のタイミングは出血の範囲や回復状況によって異なりますので、術後の検診時に確認してください。

クマ取り後の結膜下出血を早く消すために市販の目薬は使えますか?

結膜下出血そのものを即座に消す目薬は存在しません。出血は血液が自然に吸収されるのを待つしかなく、点眼薬で劇的に回復を早めることは困難です。

ただし、目の乾燥や異物感が気になる場合は、防腐剤フリーの人工涙液が快適さの維持に役立ちます。血管収縮成分を含む充血除去用の目薬は、自己判断で使用せず担当医に相談してから使うようにしてください。

クマ取り後の結膜下出血が片目だけに出るのはなぜですか?

両目のクマ取りを同時に受けた場合でも、結膜下出血が片目だけに出ることは珍しくありません。左右の結膜の血管の太さや走行には個人差があり、施術中の操作が偶然片側の血管を多く刺激した結果、左右差が生じることがあります。

片目だけに出血があっても、痛みや視力変化がなければ心配する必要はないでしょう。もう片方の目に比べて明らかに腫れや痛みが強い場合は、念のため受診をおすすめします。

クマ取り後の結膜下出血が再発することはありますか?

クマ取り施術に伴う結膜下出血は、術後の一時的な現象であるため、傷が治癒した後に同じ原因で再発するケースはまれです。ただし、高血圧や血液凝固に関わる疾患をお持ちの方は、日常生活のなかで結膜下出血を繰り返すことがあります。

頻繁に結膜下出血が起こる場合は、血圧管理や血液検査など全身的な評価を受けることが大切です。担当の眼科医やかかりつけ医に相談してみてください。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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