1.瞼のたるみの原因
瞼のたるみは多くの人が抱える悩みの一つです。年齢とともに瞼が下がってしまうと、見た目に影響を与えるだけでなく、視界にも支障をきたすことがあります。
加齢によって瞼がたるむ理由は主に5つあります。
皮膚の弾力性の低下
年齢とともに、皮膚のコラーゲンやエラスチンが減少し、弾力性が失われます。これにより、皮膚が緩みやすくなります。
筋肉の弱化
瞼を支える筋肉(眼瞼挙筋)が弱くなることで、皮膚が垂れ下がりやすくなります。
脂肪の変化
瞼の周りの脂肪が移動したり、減少したりすることで、たるみが目立つようになります。
重力の影響
重力は常に皮膚を引っ張り続けるため、年齢とともにその影響が蓄積し、たるみが生じます。
紫外線の影響
長年にわたる紫外線の曝露は、皮膚のダメージを引き起こし、たるみの原因となります。
これらの要因が組み合わさることで、瞼のたるみが進行します。
2.瞼のたるみの治療法
瞼のたるみを治療する方法として皆さんがよく耳にするものとして、眼瞼下垂手術があります。適応があるのであれば有力な治療方法ではありますが、手術を忌避する方も少なくないので、ここでは手術を避けたい方に向けた効果的な施術方法として、「ヒアルロン酸注入」「マイクロニードルRF治療」「脂肪溶解注射」をご紹介します。
1)ヒアルロン酸注入による瞼のたるみ治療
ヒアルロン酸とは?
ヒアルロン酸は、体内に自然に存在する物質です。1gで6リットルもの水分を抱え込むことができると言われるほど保湿力が高く、皮膚にハリやツヤ感を与えるのに最適です。
従来はボリュームアップのためのみに使われていましたが、製剤の改良、新たな注入方法の研究などが進み、近年ではリフトアップ、そして肌質改善と様々な目的に活用されています。
ヒアルロン酸注入による瞼のたるみ改善
瞼そのものにヒアルロン酸を注入することで、瞼のハリを改善し、瞼のボリュームを支える力を上げるという考え方もできますが、たるんでいる瞼のボリュームが増えることで瞼自体の重さが増し、よりたるむ可能性もあります。基本的な方法論としては、リフトアップ目的でこめかみのあたりにヒアルロン酸を注入し、瞼を含めた顔全体のボリュームを引き上げる力を補強することで、瞼を開きやすくします。
ヒアルロン酸注入 レスチレンリド2本
- 料金:¥79,200/1本
- 効能:ボリュームアップ、たるみ・ハリの改善、輪郭形成
- リスク、合併症:内出血、血管塞栓、腫れ、痛み、アレルギー
- 持続効果:約12か月程度
青線箇所にカニューレ※でレスチレンリドを注入
加齢に伴い骨が萎縮し、こめかみのあたりの窪みが目立っていました。こめかみのボリュームを補充し、窪みがなくなることで顔の輪郭が美しくなると共に、ボリュームを支える力も増え、目が大きく開くようになりました。
※カニューレ:先端が丸い針で、痛みの軽減と安全性の向上につながります。
2)マイクロニードルRFによる瞼のたるみ改善
マイクロニードルRFとは?
マイクロニードルを皮膚に刺すことで、創傷治癒(傷を治そうとする働き)によるコラーゲン産生が促されます。さらに先端の微細な針から直接RF(ラジオ波)のエネルギーを真皮層に届けることができ、線維芽細胞が刺激され、コラーゲンやエラスチンの生成や再構築が促進されます。
RFとはラジオ波(Radio Frequency)のことで、皮膚の奥深くに熱を加え、コラーゲンの生成を促進することができます。
マイクロニードルRFによる瞼のたるみ改善
ミサクリニックではサーマニードルを使用しております。今回は瞼のたるみに焦点をあてていますが、お顔全体に対して、お肌のハリ・ツヤ・くすみ・毛穴・ニキビ跡・シワの改善が見込めます。
また、ミサクリニックではサーマニードルの際、お悩みに合わせて以下の3種類の製剤を使用しております。
- エクソソーム:体性幹細胞の活性化や、血管再生、抗炎症作用などの効果があります。炎症により、傷ついてしまった細胞や老化による機能が低下した細胞を活性化させお肌全体の機能を甦らせてくるため、美肌作り、エイジングケアととして高い効果を発揮します。
- ミラクルL:真皮層に効かせることで新生コラーゲン形成を刺激、生成する特徴があり軟部組織の欠陥の修復を促し、皮下組織の増強させる効果が期待できます。細かなシワや刻まれたシワ、たるみにも効果を発揮します。
薬剤を併用することでより効果を高め、またダウンタイムを軽減することが可能になっています。
サーマニードル(全顔)+エクソソーム
- 料金:¥121,000
- 効能:ハリ・ツヤ・くすみ・毛穴・ニキビ跡・シワの改善
- リスク、合併症:皮膚の赤み、内出血、腫れ
- 持続効果:約3か月程度
ヒアルロン酸注入と同じ方ですが、ヒアルロン酸の効果が切れて瞼が再びたるんできたため、サーマニードルの施術を受けて頂きました。瞼の上を含む全顔施術をし、主に瞼と額へのサーマニードルの施術の効果で目の開きが改善しました。
3)脂肪溶解注射による瞼のたるみ改善
脂肪溶解注射とは?
その名の通り脂肪を溶かす注射です。脂肪細胞そのもののボリュームを減らすため、効果は半永久的に続きます。ただし、残った脂肪細胞自体は食生活や運動習慣により大きくなりうるため、脂肪のボリュームが永久に増えないということではありません。
脂肪溶解注射による瞼のたるみ改善
ミサクリニックでは、瞼に対してはBNLSアルティメットという製剤を使用しております。
BNLSアルティメットは配合されている有効成分の相乗効果により、脂肪溶解効果を向上させるだけでなく、肌のたるみ改善やターンオーバーの正常化、抗酸化作用、ダウンタイムの軽減といった効果が期待できます。
瞼に打つことで、瞼の皮膚や瞼を引き上げる眼瞼挙筋が支えなくてはいけない重みが減るため、瞼のたるみ改善が期待できます。
効果を最大限に発揮するために、1~2週間おきに3回程度の施術が理想です。
ダウンタイムを軽減させる成分が含まれていますが、むくみや腫れ、内出血等のリスクはありますのでご注意下さい。
3.まとめ
瞼のたるみを改善する方法として、外科手術に頼らずに効果を得られる「ヒアルロン酸注入」と「マイクロニードルRF治療」は非常に有効です。それぞれの施術には独自のメリットがあり、個々のニーズやライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
一方で、どんな症状の方にでも確実な効果があるというわけではありません。瞼の脂肪量や筋肉や骨、神経の状態によっては、眼瞼下垂手術を始めとする外科手術をしないと効果が見込めないというケースもあります。
大切なのはご自身の状態をきちんと診断し、その状態に応じた治療の選択肢、またそれぞれのメリットデメリットをきちんと提示してくれる、経験豊かで誠実な医師の診察を受けることです。適応がないのにも関わらず、そのクリニックの得意とするメニューに誘導するクリニック、メリットばかりを話しリスクを説明してくれないクリニックは避け、ご自身の状態やライフスタイルに最適な治療法を見つけて下さい。