1.皮膚菲薄化型のたるみとは?
皮膚菲薄化型のたるみは、言葉通り皮膚が薄くなることによって引き起こされるたるみです。
自然な老化プロセスとして、真皮層や筋肉層の組織が減少していくこと、また特に女性であれば更年期に入るとエストロゲンが減少することによって皮膚が薄くなっていきます。これらは自然な老化プロセスの一部で避けられないことではありますが、他に生活習慣によって引き起こされる部分もあります。具体的には以下の要因が挙げられます。
1.紫外線
紫外線対策が不十分で、紫外線を浴びていると光老化が起こります。肌に活性酸素が生じ、シミやソバカスの原因になるだけでなく、真皮層のコラーゲンやエラスチンを破壊し、肌の老化を加速させます。
2.栄養不足
皮膚の健康を保つには、ビタミンA、C、E、亜鉛などが必要です。これらの栄養素が不足していると皮膚が菲薄していきます。
3.喫煙
喫煙は健康にも美容にも悪影響です。ニコチンが血管を収縮させ皮膚への血流が減少する点、煙に含まれる有害物質がコラーゲンやエラスチンを破壊する点、体内のビタミンCレベルが減少する点などが挙げられます。
上に挙げたことを避けることで、皮膚の菲薄化を抑制することはできますが、老化プロセスとして誰もが皮膚の組織は減少していきます。それに対抗するための美容医療をご紹介していきます。
2.皮膚菲薄化型たるみの治療方法
1.プロファイロ注入
プロファイロは、高分子と低分子の2種類のヒアルロン酸を特殊な割合で配合した製剤で、皮膚の深部に注入することで肌の再生を促します。皮膚内部でコラーゲンやエラスチンなどの生成、細胞の活性化、さらには脂肪を増やす効果があります。真皮層から皮下脂肪まで幅広い層のボリュームを補充してくれるため、皮膚に厚みを出すことができ、ハリが出ると共にリフトアップ効果も期待できます。
1〜2ヶ月間隔で2回をセットで行うことで効果が最大限発揮され、その後は1年に1、2回のペースで定期的に注入することが推奨されます。
2.スネコス注入
スネコスは、非架橋の低分子ヒアルロン酸と6種類のアミノ酸を特許比率で配合した製剤で、コラーゲンやエラスチンの生成を促進し、肌の弾力やハリを回復させていくことができます。スネコスに配合されているヒアルロン酸は、塊がなくサラサラしている非架橋ヒアルロン酸で、より自然な肌の仕上がりを目指せます。また、血管閉塞やアレルギーのリスクはほぼなく、安全性が高いと考えられています。
プロファイロと異なり、脂肪には影響がないため、ボリュームを出しすぎないことをご希望の方にはスネコスが向いています。
2週間おきに4回程度の施術を受けて頂き、その後半年に1回程度のペースで定期的に注入して頂くことで、効果が持続します。
3.ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸は、体の皮膚や関節などに自然に存在する成分です。1gで6リットルもの水分を抱え込むことができると言われるほど保湿力が高く、皮膚にハリやツヤ感を与えるのに最適です。頬にヒアルロン酸を注入することでボリュームを増し、ふっくらとさせることができます。
また、ヒアルロン酸はボリュームアップだけではなく、萎縮した骨の上に注入することで、骨の代わりのような働きをしてくれます。その結果、皮膚のリフトアップさせることも可能です。単にボリュームだけを増やすと、たるんだ部分のボリュームが増し、よりたるみが目立つことになります。プロファイロと比較するとヒアルロン酸の方がリフトアップ力が強いので、まずはヒアルロン酸でリフトアップをしてからボリュームアップさせることで、若々しいお顔を作ることができます。
製剤の種類によって差がありますが、効果は半年から1年半程度持続します。
4.ボトックス注入
ボトックスは表情シワを改善させる効果がよく知られていますが、輪郭部分や広頸筋に打つことで顔全体をリフトアップさせることができます。
5.サーマジェン
サーマジェンはRF治療器の1つです。皮膚の真皮層から脂肪層にかけて熱を加えることでコラーゲン生成を刺激するため、肌のハリや弾力が増します。施術直後から引き締まりの効果があると共に、2〜3ヶ月かけて肌の内側でコラーゲンが生成され、肌のハリ・弾力が向上していきます。
3.症例紹介
ヒアルロン酸(ボリューマ2本)、プロファイロ2回
ヒアルロン酸 ボリューマ
- 料金:¥99,000/1本
- 効能:ボリュームアップ、たるみ・ハリの改善、リフトアップ
- リスク、合併症:内出血、血管塞栓、腫れ、痛み、アレルギー
- 持続効果:約12~18か月
プロファイロ
- 料金:¥143,000/1回(2cc)
- 効能:ボリュームアップ、たるみ・ハリの改善、輪郭形成
- リスク、合併症:内出血、腫れ、痛み
- 持続効果:約6~12か月
施術前は加齢の影響に加え、元々喫煙されていたこともあり、かなり皮膚が痩せている状態でした。皮膚に元気がなく、全体的にたるむだけでなく、表面の凹凸も多く、キメがなくなっていました。
まずはリフトアップと目立つ窪みを埋めるためにヒアルロン酸を注入し、その後皮膚の厚みを補充するために中顔面と下顔面にプロファイロを注入していきました。
施術後は表面の凹凸が解消され肌がハリを取り戻し、肌全体が自然とトーンアップしました。
4.たるみ治療を選ぶ際のポイント
1.クリニックの選定
皮膚菲薄化型のように、ボリュームが減少した結果たるみが目立っている状態では、最初からボリュームを増やす治療を行ってしまうと、皮膚がアンチエイジングできていない状態で重みを増やすことになるので、さらにたるみが加速することが想像できます。つまり、まずは皮膚の若返りを図り、リフトアップさせることが重要なケースが多いのです。
しかし実際は、ボリュームが減っていますね、窪みがありますね、ではそこに直接ボリュームを補充しましょうという提案をするクリニックが多いのが現状です。
SNs’やHP等でそのクリニックの症例や治療法を確認し、その症状が起こる原因に対するアプローチを行っているクリニックを選ぶことが重要です。
2.カウンセリング
ご自身の状態をしっかりと診断し、本当に効果のある適切な治療法を提案してくれる医師に相談しましょう。疑問点や不安点が残ったまま施術を急かされるようなクリニックは避けることをおすすめします。
3.リスクと副作用の確認
各治療法にはリスクや副作用が伴います。事前にご自身でも候補となりそうな施術のリスクを調べた上でしっかりと説明を受け、納得した上で治療を受けることが大切です。メリットだけを伝えられ、デメリットを伝えられないクリニックは避けることをおすすめします。
5.まとめ
具体的なたるみ治療について、4つの型に分けてご紹介してきました。
脂肪過多型以外の3つは共通点も多く、治療方法も共通のものが多くなりますが、だからこそどの治療方法をどのバランスで行うかが重要になります。ぜひ経験豊かな信頼できる医師に相談し、自分に合った治療法を見つけてください。
ドクターみさえの素敵になり隊では、皮膚菲薄化型たるみの治療についての解説を行っておりますのでこちらもご確認ください。